目次Contents
今さら聞けない!「コケティッシュ(coquettish)」ってどういう意味…
皆さんは「コケティッシュ」という言葉を聞いたことがありますか? 日常会話ではあまり使わない言葉かもしれませんが、ファッション誌や小説、テレビなどの中でたまに目にする… という人もいらっしゃるかもしれません。
ここでは、「コケティッシュ」の意味について詳しく解説していきます。
まずは辞書上の「コケティッシュ」の意味を確認
まず、『デジタル大辞泉』で「コケティッシュ」と引いてみると以下のように書かれていました。
女性の、なまめかしいさま。「コケティッシュな魅力」
また、英語では「coquettish」と表記するようです。これだけではまだちょっと意味が分かりづらいですね。
さらに、ニュアンスや類語を詳しく見ていきましょう。
「コケティッシュ」のニュアンスや類語は?
「コケティッシュ」は主に女性に使われる形容詞で、解釈としては「男好きのする」、「男を引き付けて惑わせる」という意味で使われることが多いそう。語源については以下のように説明されています。
語源を辿ると、コケティッシュの由来は、フランス語のcoq(オンドリ)。「鶏のようにもったいぶった色気のある」といった比喩表現として、女性だけでなく、男性にも使われていた言葉のようです。
そこから、色っぽい、もったいぶったという仕草が女性らしいことから、徐々に、現代では女性にのみ使われるようになったのだとか。
「コケティッシュ」はどんなニュアンスを表現しているか
このように「コケティッシュ」とは「色気のある」と言い換えることができる言葉です。しかし、ただ単に「色っぽい」=「エロい」というわけではなく、「もったいぶった色気」というのがポイントですね。
ツンとしていて、男の人に簡単になびかず、時には男の人を手玉に取るような…「色っぽい」というジャンルの中でも、特にそういう小悪魔的な様子を表現するのに使用する言葉なのでしょう。
◆セクシー
「コケティッシュ」の類語としては「セクシー」があげられます。どちらも日本語にすると「色っぽい」という意味ですが、「コケティッシュ」の方が「セクシー」よりも可愛らしさをはらんだイメージですね。色っぽいけど、あどけないところもある。そのアンバランスな魅力に男性はドキッとする。そういう人こそが「コケティッシュ」な人です。
また、「セクシー」は男性にも使いますが、「コケティッシュ」は主に女性に使う形容詞という点も違います。
◆艶っぽい
日本語の「艶っぽい」も、辞書で意味を引くと「色気がある。なまめかしい(デジタル大辞泉)」と出てきます。しかしこの言葉も、「コケティッシュ」と比べると「大人の色気」をはらんだ「色っぽさ」です。上品さの中にある色気、というイメージでしょうか。
例えるなら、銀座の高級クラブのママさんは「コケティッシュ」よりも「艶っぽい」という言葉が似合います。
「コケティッシュ」は、成長途中の若い女性に使う言葉でしょう。
◆小悪魔的
男性の心を翻弄する、魅力的な若い女性として、「小悪魔的」も挙げられます。もったいぶった色気で、男をもてあそぶようなニュアンスは、コケティッシュに通ずるところがあります。
会話の中で「コケティッシュ」はどう使えばいい?
では、実際にどのような場面で「コケティッシュ」と使うのが良いのでしょうか。気を付けてほしいのは、「コケティッシュ」という言葉は、必ずしも誉め言葉に思われないということです。
「君ってコケティッシュだね」と言われて、「それってつまり、男に媚びを売って惑わせてる人ってこと?」と思われてしまうことも、少なくはないでしょう。なので、身近な人物よりもファッションや映画作品などに対して使った方が安全でしょう。
◆「今年の流行はコケティッシュな服装らしい」
「コケティッシュ」は、人物以外にも用いられます。最近は特に、ファッションやメイクに対して使われることも多いです。「コケティッシュなファッション」とは、「小悪魔的な、女の子らしい色気のあるファッション」のこと。
例えば、体のラインが出るタイトスカートや、肩を出すオフショルダーのトップスなどはコケティッシュな魅力がありますね。
◆「あの女優は、コケティッシュな演技が魅力だね」
また、「コケティッシュ」とは女優の芝居について評論家が語るときに、よく用いられる表現でもあります。恋愛映画などで小悪魔的なお芝居をしている女優さんに向かって「コケティッシュな魅力がある」というような使い方をします。
「コケティッシュ」と言われる有名人は?
では、具体的にコケティッシュな女優さんとは誰のことを指すのでしょうか?
オードリー・ヘップバーン
「コケティッシュな女優」と言ってまず頭に浮かぶのは、「ティファニーで朝食を」のオードリー・ヘップバーンではないでしょうか。
ニューヨークで猫と暮らすエレガントで美しいホリー(オードリー・ヘップバーン)。自由奔放で恋多き、しかしキュートさも兼ね備えたホリーの魅力は、国境や時代を超えてたくさんの人から愛されています。
キルスティン・ダンスト
映画「ヴァージン・スーサイズ」も、コケティッシュな魅力がいっぱい詰まった映画です。
1970年代のアメリカを舞台に、儚くて危うい5人姉妹の思春期の様子を描いた同名のベストセラー小説を、2000年にソフィア・コッポラが初メガホンを取って映画化しました。
中でも四女のラックスを演じたキルスティン・ダンストのコケティッシュな魅力が素晴らしい作品です。
最後に
「コケティッシュ」の意味、正しく理解できたでしょうか? ニュアンスが難しい言葉なので、使い方には気を付けてくださいね。
TOP画像/(c)Shutterstock.com