理系男子。もしかしたら「ちょっと苦手なタイプかも…」と思っている方も多いのでは? サッパリ理解できない彼氏の言動。すれ違いばかりの同僚。理屈っぽくてイヤな上司…そんな人は必読の理系男子の取り扱い方です。
正論ばかりの相手に効く、魔法のフレーズって!?
まずは前回の復習からいきましょう。
理系男子が持つ「正義」のひとつに、「効率化」があります。技術や研究といった仕事を通じて世の中を効率化させることを求められ、それに応えてきた彼ら。そしてその仕事に対して給料や賞賛の言葉などの報酬をもらってきた彼ら。
「効率的であること」はまさに正しいと信じていることなのです。
ゆえに日々のコミュニケーションでもいかに効率的であるかを伝えてあげるととても心地よく、納得感を持ちやすい傾向にあります。何かを説得したいとき、お願いごとを聞いて欲しいときなどはトライしてみる価値はあると思います。
では今回も同じように別の「正義」をご紹介し、その対処方法を解説しましょう。今回のテーマはこちらです。
理系男子は「ロジカル」が正義だと思っている。
この連載で何度も言及しておりますから今さらな感じもしますが、やはりこれはおさえておいて欲しいポイントです。ロジカルなら○、ロジカルでないと×、という価値観が強いのが私のような理系男子の傾向です。
もちろんこれには理由があります。数学、物理、化学、工学、薬学、医学、これらすべてに言えることですが、人のフィーリングでは成立しない学問です。
もっともわかりやすいのが数学でしょう。前提を定義し、法則を提唱し、一点の矛盾もなく正しいことを証明し、演習問題を通じて解を導くことでその活用と応用を学ぶ。もはや論理の宝石箱みたいなもの(?)。そんな世界で頭を使ってきた理系男子が「ロジカル」を正義と思ってしまうのは必然なのです。
仮にこのようなタイプを「理屈っぽいヒト」と表現するならば、この「理屈っぽいヒト」と円滑にコミュニケーションするためのポイントはいったい何でしょうか。ヒントは、前々回でご紹介したフォーマットにあります。
・自分の正義を伝える。
・その後で、相手の正義も認めてあげる。
・そして、それに優劣をつけない。
このフォーマットを応用しましょう。
「理屈っぽいヒト」は当然ながら理屈の話ばかりしたがります。なにせ、それが正しいと思い込んでしまっているのですから。そこであなたは感情的になったり、ムッとしてしまってはいつまで経っても円滑なコミュニケーションは難しいと思います。
そんなときはこのようなニュアンスで相手の主張を認めつつ、やんわり違う結論も提示してみてください。
「なるほど~ たしかに筋は通っているよね。でもさ、世の中も人間も、論理的に動いていないじゃん。筋が通っていないことで世の中は成り立っているかもよ」
実はこの「世の中も人間も、論理的に動いていない」は私自身も講演や研修の場で使うことがあります。
だれひとりこの言葉に反論する人はいません。正論好きのロジカル人間も黙る、魔法のフレーズです。
さらに言うなら、実はきちんと常識ある理系男子ならそんなことはよくわかっています。わかっているけれど筋の通った理屈を言いたい生物なのです。(こことても重要!)
そのちょっとした「性(さが)」を理解してあげると、理屈っぽい相手とも“大人のコミュニケーション”ができるようになりますよ。
深沢真太郎 ビジネス数学の専門家/人材教育コンサルタント
BMコンサルティング株式会社代表取締役/多摩大学非常勤講師/理学修士(数学)
ビジネスパーソンの思考力や数字力を鍛える「ビジネス数学」を提唱し人財育成に従事。著作多数。
文化放送「The News Masters TOKYO」ニュースマスター
ラジオ『深沢真太郎のビジネス数学カフェ』パーソナリティ
パールハーバープロダクション所属(文化人タレント)
国内初のビジネス数学検定1級AAA認定者
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