むやみに傷つけられて、自分に自信をなくすなんて、もったいない
「正直なところ、女性の友人から聞く婚活アプリの話って、あまりいいものではなくて。もちろん、それをきっかけに恋人ができたり結婚したという話も聞かなくはないですが、圧倒的に少数派に感じます。これまで女性から聞いた体験談で多いのが、いわゆるマルチ商法的なものに引っかかりそうになるという話。メールなどのやりとりでいい人そう、と思って会ってみると○○を買いませんか、と勧誘されたとか。婚活アプリは、いろいろな条件を書き込むことで自分とコンタクトを取れる相手にフィルターをかけられるそうですが、とはいえ、偽りを書くことも簡単にできてしまいます。気軽に始めたはずが、結果騙されて傷つけられるって、怖いですよね。ほかにも独身と聞いていたのに蓋を開けてみたら既婚者だったとか、プロフィールの写真とは似ても似つかない相手が来たとか……」
「あるニュース記事で、婚活アプリでいい人に出会うには、20人以上会う必要がある、と書かれたものを見かけました。それってすごく根気がいることですよね。それだけ一生懸命人とコンタクトをとって、忙しい中時間を作って会ったのに、突然相手から連絡が来なくなる、ということも多々あるそうで。そうやって何度も傷ついて、自信をなくしていく方を何人も見かけました。こういう現実を見聞きして思うのは、よほど自分に自信があるとか、折れないメンタルを持っているような強い女性にしか婚活アプリはおすすめできないということです。心無い相手からむやみに傷つけられて、自分に自信をなくすなんて、とてももったいないことだと思います」
自分の恋愛での市場価値を知る上ではアプリはとても有効
「ただ、婚活アプリを全否定したいというわけではありません。というのも、女性の友人のひとりが、自分の恋愛での市場価値を知る上ではアプリはとても有効、ということを教えてくれたからです。例えば自分の年齢とか、プロフィール写真とか、細かくアプリ上に掲載するわけですが、それに対してどれだけの男性が反応してくれるのかがリアルにわかるそうなんですね。なのでその女性は、その反応を通して自分を客観的に捉えたり、現実を知ることができたからよかった、と言っていました。そういう気づきを得るという意味では、一度登録してみるのも手かもしれません」
思わずうんうんと頷いてしまった婚活アプリ経験者の方、多くいらっしゃるのではないでしょうか。アプリ未経験という方も、試す際は入れ込みすぎないよう注意が必要かもしれませんね。
次回は、共通の趣味を通して結婚にたどり着いた女性の例をご紹介。アプリのようなバーチャルな出会いと違って、成功率が高いと林さんもおすすめしています。第5回も、お見逃しなく!
第5回趣味サークルは婚活成功率が高い!? 林伸次さんに聞く! アラサー世代に伝えたい婚活の心得
第3回【結婚=ひとりじゃないと思えること】林伸次さんに聞く! アラサー世代に伝えたい婚活の心得
PROFILE|林伸次
1969年生まれ、徳島県出身。1997年、渋谷に「bar bossa」をオープン。ブラジルに住んでいた際に魅了された音楽、ボサノヴァが静かにかかる大人のためのワインバーとして人気を集めている。ボサノヴァにまつわる寄稿や執筆多数。『Oggi』本誌にて「渋谷のバーのマスターから、少しだけ恋に疲れたあなたに伝えたいここだけの話」連載中。近著に『バーのマスターはなぜネクタイをしているのか−僕が渋谷でワインバーを続けられた理由』がある。
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