AKB48の結成当初から、社会現象となるまで絶対的なリーダーとして活躍した高橋みなみさん。10代の多感な時期に200名以上のメンバーを統括した彼女に、私たちが参考にできる“お仕事術”についてうかがいます。
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秋元さんに言われた「嫌われる勇気をもちなさい」。今でもこの言葉を大切にしています
メンバーをまとめるためには、叱ることもあったと思うんです。人を叱る事って、すごく難しいですよね。
高橋:「そうですね。叱るミングはすごく大事にしていました。とくに女性には感情の波があるので、タイミングを間違えるとまったく身につかないどころか、反発して悪い方向に行ってしまうことが多いんです。そうならないために、タイミングをちゃんと計り、一方的に叱るのではなく、“これはあなたのためになっていない”という言い方をしていました。“これをできないと、とっても損をしているから、なるべく直した方がいい”と言葉を選んでいました」
その伝え方もこの在籍時に学んだものですか?
高橋:「そうですね。AKB48というグループ、組織を卒業してからは関わる人数もグッと減ったのですごく楽になりました(笑)」
総監督に命名され、悩む事の方が多かったと思うんです。
高橋:「18歳で人を引っぱる役目を頂いたので、悩むことばかりでした。でも、そんな時に、秋元康さんに『嫌われる勇気をもちなさい』と言っていただいたんです。その瞬間、“なるほど”って思ったんですよね。誰かが誰かに物申し、誰かを引っぱらなくちゃいけないというのは、嫌われるリスクが高いから、怯えていた時期があったんです。でも、秋元さんは『みなみが考えていることは俺は正しいと思う。その考えを相手に言ってみたらいい。言わなくちゃ新しい事ははじまらない』とメールをいただいたんです」
そう言われたとしても、18歳で、嫌われる勇気を持つことはすごく難しいですよね。
高橋:「そうなんです。もちろん、嫌われたくなんてないですし。とにかく怖かったんです。でも、一番悩んでいた時にこのメールを頂いたので、“そうだよな”と納得することもでき、一歩前に踏み出す勇気をもらえたんです」
実際に思っていたことをメンバーに伝えてみて、いかがでしたか?
高橋:「ちゃんと言葉にして伝えることで、理解してくれるメンバーの多さに驚きました。それに、ちゃんと相手の気持ちを尊敬しているという気持ちを持って接していることを大事にしながら伝えたので、他意なく伝わったんだと思います」
普段からの行動が、叱るときにも物を言いますよね。
高橋:「そう思います。コミュニケーションを深めてから、指摘することが大事だと思います」
秋元さんは、人が悩んでいるときに適切なメッセージを送る天才ですね。
高橋:「本当にそうなんですよ! ある意味怖いですよね(笑)。“どこでも秋元さんがいるんじゃないか疑惑”がでるほどなんです。でも、本当にありがたい言葉だったので、いまもその言葉を大事に、頑張っています」
相手がどうでもよければ、叱る事すらしません。良くなってもらいたいからこそ、叱るもの。それが相手に伝わるか否かで、関係性は変わってきますよね。普段からのコミュニケーションと、嫌われてもその子を伸ばしたいと思うからこそできる“叱る”ことこそ、リーダーに必要なことなのかもしれませんね。
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NEW SINGLE『孤独は傷つかない』(発売中)
ライブではすでに定番になっている、作詞:秋元康&作曲:織田哲郎の楽曲『孤独は傷つかない』が待望のリリース。カップリングには、配信のみでリリースした映画『スマーフ2 アイドル救出大作戦!」日本版主題歌『瞳の扉』を歌い直し『瞳の涙(2017ver)』を収録。
高橋みなみ公式Instagram @taka37_chan
高橋みなみ公式Twitter @taka4848mina
文/吉田可奈 写真/安井宏充