【目次】
・【牛肉の部位】名称と特徴
・【牛肉の部位】英語では何て言う?
・【牛肉の部位】カロリー順に並べると?
【牛肉の部位】名称と特徴
それぞれが独立した内臓はもちろんのこと、肉の部分も動きの違いによって、サシや柔らかさで、肉質が異なります。
「ヘルシーに脂身が少ない赤身がいい」「ライスと合わせるなら脂の甘みが欲しい」、「あの歯応えが好きだからホルモン派」などなど──好みの牛肉を食べるために、まず、それぞれの部位の名前と、特徴、場所などを知っておきましょう。
■大トロカルビ
カルビは、肋骨の周辺の部位ですが、その中でも外側のサシが多い上質の部分を大トロカルビ、中トロカルビとして提供するお店が多いようです。
■カルビ
焼肉の代表選手で肋骨周辺の部位、バラ肉で脂身が多く柔らかいのが特徴。アバラの骨と骨の間にあるゲタと呼ばれる部位を中落ちカルビとして提供するお店もあります。
■ザブトン
肩ロースのあばら骨側にあり、上質とされる部位。肩ロースの中でもサシが入っており、これを上カルビとして提供する店もあるようです。
■ミスジ
肩甲骨の裏側にあたる希少部位。1頭の牛から2キロほどしか取れません。ゼラチン質が多いのが特徴です。
■トモサンカク
後ろ脚の付け根の部分にあたり、カイノミの延長線上に位置します。比較的サシ(霜降り)が入っているため、味はジューシーです。
■サーロイン
サーというのは貴族の称号で、牛肉の王様と言っていいかもしれません。背中の後半部位で、運動量が少ないため、脂身が多く柔らかなのが特徴です。
■ササミ
鶏肉のササミとかなりイメージが異なり、サシと繊維質の赤身のバランスが良いのが特徴。バラ肉の部分でもお腹に近い部分です。
■カイノミ
文字通り貝のような形をしており、サーロイン、ヒレに近く上質の部位と言えるでしょう。やわらかで、味が口の中に広がるようになります。
■イチボ
牛の臀部でも尻回りの部分を指します。きめが粗い部位ですが、ランプに比べて霜降りが多いのが特徴となっています。
■シンシン
ももの一部で希少部位。ひじょうに柔らかでジューシーな味わいです。ロースとビーフに最適と言われています。
■ブリスケ
肩バラ肉の一部で胸の部分にあたります。赤身と脂身が半々で、噛むほどにジューシーな味わいが楽しめます。
■ランプ
ももから臀部にかけての部位で、赤身が多く適度な霜降りも。比較的価格もリーズナブルで、最高ランクのA5ランクを安く食べることができます。
■ヒレ
サーロインと並ぶ高級部位。その中心部はシャトーブリアンと呼ばれています。腰椎に沿った部位で、脂身が少ないのが特徴。最も柔らかい部位と言われています。
■ロース
肩から腰にかけての部位。英訳するとわかりやすいですが、サーロインはロースの一部の高級部位です。脂身に甘味、赤身は柔らかいのが特徴です。
■カメノコ
シンシンと同じく、もものシンタマと呼ばれる部分の一部ですが、赤身が多く、あっさり。硬めなのでステーキには向かず、タタキなどに最適です。
■ウチモモ
牛肉の中でも、最も脂肪分が少ない部位で、カロリーも気になりません。赤身であっさりしています。ダイエット中の人におすすめ。
■タン塩
タンは舌のこと。レモン汁で食べるタン塩だけでなく、タレで食べる派も。筋肉の塊のため、脂肪分が少なくたんぱく質が豊富です。仙台の牛タン料理は有名ですよね。
■ミノ
牛の4つある胃のうち1番目の部位。胃は4つとも特徴が異なり、名称も違いますが、ミノはその中でも代表的な部位で、肉厚で歯ごたえが十分です。
■ホルモン
広義では内臓全般を指しますが 「ホルモン焼」と言えば定番は“腸”。“もつ”とも言われます。レバー、センマイなどもホルモンのカテゴリーです。
■センマイ
牛の4つある胃のうち3番目の部位。コリコリした食感、脂肪が少なく、鉄分や亜鉛などが摂取できます。焼いても生でもイケます。
■丸腸
読んで字のごとく腸にあたりますが、丸腸は小腸で脂身が特徴。一方、大腸はシマチョウと呼び、丸腸に比べて脂身が少なめです。
■ハラミ
横隔膜の部位で、肉質は柔らかいのが特徴です。上質のものは適度にサシが入っているので、見た目からカルビと間違えられることもあります。
■レバー
ホルモンの中でも最もメジャーな部位で肝臓です。栄養満点なのは語るまでもないでしょう。クセが強いので好みは分かれるかもしれません。
牛肉の部位だけでもこんなにあるんですね!
代表的なロースに至っては、肩の近くから尻尾の近くまで対象は広く、場所ごとに特徴に差があって名前も変わります。また、運動量によっても肉質が大きく変わるので、部位毎に味わいが変わるのは当然ですよね。
【牛肉の部位】英語では何て言う?
牛肉の部位、英語では何と言うのでしょう? 以下にまとめてみました。
大トロカルビ special boneless short rib
カルビ boneless short rib
ザブトン chuck flap
ミスジ top blade
トモサンカク Tri-Tip
サーロイン sirloin
ササミ short rib
カイノミ bottom flap
イチボ H-bone
シンシン knuckle main muscle
ブリスケ brisket
ランプ rump
ヒレ full tenderloin
ロース loin
カメノコ knuckle
ウチモモ top round
タン塩 tongue
ミノ the first stomach
ホルモン innards
センマイ the third stomach
丸腸 small intestine
ハラミ skirt
レバー liver
【牛肉の部位】カロリー順に並べると?
「ダイエット中でもたんぱく質である牛肉は、何を食べてもOKでしょ?」という声をよく聞きます。
が、牛肉は部位によってカロリー値は大きな差があるんです。
カロリーを抑えたい時に焼き肉屋さんに行った際、オーダーの参考になるよう、カロリーの高い順に牛肉の部位をまとめてみました。
以下は、主な部位のカロリー値(100g当たり)をランキング化したもの。
主な部位のカロリー値(100g当たり)をランキング
ザブトン 517kcal
カルビ 468kcal
ハラミ 389kcal
カイノミ 371kcal
丸腸 287kcal
タン 269kcal
ロース 251kcal
サーロイン 238kcal
ランプ 234kcal
ウチモモ 182kcal
ミノ 181kcal
ブリスケ 151kcal
レバー 140kcal
ヒレ 133kcal
センマイ 60kcal
焼肉の主役であるカルビ(ひと言でカルビと言っても種類は多いのでリブロースの値を使用)は想像以上に高カロリー!
カロリーが気になる人は、ホルモンを中心にヒレをチョイスするのがベターかも。
【牛肉の部位】番外編/外国人の友人と焼き肉に行った際に知っておきたい英語
焼き肉には、独特の言い回しが多く、外国人と一緒に行って「これ、何?」と聞かれて、説明しにくいものが多いかもしれません。
そこで、聞かれそうなことについて、まとめてみました。
「サンチュ」について英語で説明すると…
Korean lettuce
「網を交換してもらおう」を英語で言うと…
ask to change the grilling net to a new one
「焼き肉のタレ」を英語で説明すると…
a special sauce for barbecued meat/beef
「A5ランク和牛」を英語で説明すると…
A5 rank wagyu beef
みんなが大好きな牛肉。
いつも何気なく食べてはいても、知らなかったことも多かったのでは?
焼き肉を食べる際、是非参考にしてみてくださいね。
取材協力/木更津食肉協同組合
取材・文/水野文也
初出:しごとなでしこ