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LIFESTYLE

2017.08.31

なぜカレーは【カレー】というのか知ってる? カレー好きなら知っておきたいトリビア

10年間1日たりとも欠かさずにカレーを食べ続けているカレーおじさん\(^o^)/。カレーマニアならではの視点で選ぶオススメの店や、カレーマニアうんちくなどカレー愛に溢れた情報をご紹介。今回は、いつものお店紹介とはちょっと違う切り口で「カレーなでしこトリビア」とチェーン店の夏限定おすすめカレーメニューを紹介しようと思います!

これであなたもカレーマニア!?【カレートリビア】

8月もそろそろ終わろうかという頃になってまた暑くなってきましたね。今年の夏は不思議な気候です。暑かったり涼しかったり雹が降ったり。こういう時は体調を崩しがちですが、そんな時こそカレーです\(^o^)/

夏バテ予防にもカレーはとても効果があるということはこの連載でも語ってきましたし、そもそも日本では夏になると様々なメディアでカレー特集が組まれるほど。僕はインド人に「ナンデ日本人ハ夏ニカレーナノ?」と聞かれたことが何度かあります。「インド人イツモカレー。カレーハ一年中オイシイヨ!」と。わかります。何しろ僕も一年中三食ほぼカレーですから(笑)

逆に何故日本人は夏にカレーなのでしょう? そこで今回はそのあたりについて色々と考察してみました。
今回はいつものお店紹介とはちょっと違う切り口での「カレーなでしこトリビア」となります!


■1:カレーはなぜ「カレー」というのか?

©Shutterstock.com

この話をする前にまずは、カレーが世界に広まったところから話をまとめましょう。

時は、18世紀の大航海時代。
ブラックペッパーやカルダモンなどのスパイスが珍重されるようになり、その原産国はヨーロッパ諸国に植民地支配されていきました。その中においてインドを植民地支配したのはイギリス。当時イギリス人が現地の人の食事を見て、食べてみると美味しかったので「この料理は何という料理なのか?」と聞いたところ、「カリ」と答えが返ってきたことから、それがカリーとして世界に広まったといわれています。

ただ、このカリという言葉、実は料理の名前ではなく、タミル語で「汁物」という意味だったり、ドラヴィダ語族においてはそもそもが「食事」という意味だったりするそうです。

当時のことですから通訳もちゃんとしていなかったのでしょう。「それは何だ?」が「何をしている?」に変わり、「食事だ」が「カリという食べ物だ」というように誤解されたのでしょう。

ですから本来インドにはカレーという料理はありません。今でこそ世界共通語としてカリーという言葉があるので通じますが、本来はカレーではなく、日本において例えるなら、醤油を使った料理が全て同じ料理だと言われているようなものなんです。


■2:日本にカレーが入ってきたのはいつ?

では、そのイギリス人が誤解した料理であるカリーが、日本に入ってきたのはいつかというと、明治時代。1873年に西洋料理指南という本で紹介されたのが最初といわれています。

つまり、日本においてカレーはインド料理ではなく、イギリスの料理として入ってきたということになるんです! だからこそインドカレーと違う形のカレーなんですね。そして、そのカレーが日本全国に広まったきっかけとなるのもイギリスが絡んできます。イギリス海軍が軍隊食としてカレーを取り入れ、日本の海軍がそれを手本としたことにより、日本の従軍者とその家族にカレーが広まったのが全国にカレーが知れ渡るようになったきっかけだといわれています。


■3:ではなぜ日本は夏にカレーなのか?

日本には四季があります。特に夏は前世紀と比べると確実に暑さを増していて、亜熱帯といっても差し支えないくらいの蒸し暑さとなっています。暑い時には辛いものを食べて汗をかくことにより、体温が下がるといわれています。

実際カレーが有名な国はだいたい暑いです。インドしかり、タイしかり、スリランカしかり、シンガポールしかり。日本の夏もそんな国々に負けないくらいの暑さです。しかし日本料理には辛い物というのがあまりありません。辛子明太子やからし蓮根などはありますがどちらも九州料理であり、日本の中においても暑い地域の料理で、全国的に食べられているかというとカレーほどではないでしょう。

しかし、カレーは北海道から沖縄まで愛されており、既に日本料理といっても良いくらいの存在感。そんな日本において、辛い食べ物といえばやはりカレーなんでしょうね。しかもカレーはスパイスの薬効の相乗効果によって、ただ辛いだけのものを食べるより汗をかきやすいですし、スパイスの使い方によっては辛くなくても汗が出るカレーもありますから。

だからこそ日本では夏にカレーなのでしょう。実際、飲食大手チェーン店でも夏になるとカレーメニューが毎年出されていたりします。例えばモスバーガー。ここ数年はほぼ毎年夏にカレーメニューを出しているのですが、今年の夏はアジアンカレーモスバーガーと題したカレーバーガーが提供されています。

アジアンカレーモスバーガー

今年のカレーはインドネシアのサンバルという調味料を使ったカレーということで、例年と違った美味しさになっています。ノーマルのカレーバーガーも美味しいですが、個人的にはハラペーニョをトッピングしたスパイシーアジアンカレーモスバーガーがおすすめ。ハラペーニョを加えると日本のカレーやインドカレーからは離れるのですが、だからこそ独自性の高いカレーとなり、ここでしか食べられない味になるのが良いです。

また、カレーに力を入れている飲食チェーンの代表格である松屋では、今年の夏は麻婆カレー定食が限定メニューとして提供されています。麻婆カレーにも2つあり、今年の麻婆カレーは豆腐ではなく茄子の方の麻婆。これが独自の美味しさになっているんです。インド料理にもベイガンキーマという挽肉と茄子を使ったカレーがありますが、それに中華と和のテイストを混ぜた、松屋ならではのカレー定食です。松屋のカレーに対するこだわりは尋常ではないといっても良いくらいで、毎年味の改良改変がほどこされているほど。個人的には松屋は牛丼よりカレーの方が美味しいので、松屋はカレー屋だと思っています。

粗挽き肉と茄子の麻婆カレー定食

どちらも日本らしく様々な国の食文化の良いところを上手につなぎ合わせた、日本流のカレー料理といえるでしょう。

日本の夏だからこそ、日本ならではのカレーを食べて、健康に夏を乗り切りたいものですね!

初出:しごとなでしこ

AKINO LEE カレーおじさん\(^o^)/

ヴォーカリスト、パフォーマーとして自身の活動の他、様々なアイドルの作詞作曲振付プロデュースを担当。ヴォイストレーナーとして後進の育成にも力を注いでいる。音楽ライターとしても各種雑誌、ムック本などで執筆を担当。また、カレーおじさん\(^o^)/としても知られ、年間平均900食以上のカレーを食べてきた経験と知識を活かしてTVや雑誌など各種メディアにおいてカレーについて語っている。
http://www.akinolee.tokyo/

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Oggi12月号で商品のブランド名に間違いがありました。114ページに掲載している赤のタートルニットのブランド名は、正しくは、エンリカになります。お詫びして訂正致します。
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