こんにちは。ブランディングコーチの大島文子です。
先日、「エルメスの手しごと展“アトリエがやってきた”」へ行ってきました。(東京は19日まで開催。秋には名古屋・博多でも開催予定)
会場となった表参道ヒルズ スペースオーは平日の昼間から大盛況! ヒルズ入り口にはイベントを告知する大きなウィンドーが。
アーティスト、イザベル・ドゥ・ボルシュグラーヴによる紙のアートでエルメスの世界が作られています。
このイベントはエルメスの「ものづくり」「アトリエ」をフォーカスしたもの。さまざまなアイテムに関わる職人のアトリエを再現していて、フランスから来日したエルメスの職人さんが目の前でそれぞれの仕事を披露しています。
エルメスの原点である「鞍職人」、その他「皮革職人」「石留め職人」「シルクスクリーンプリント職人」「縁かがり職人」「時計職人」「手袋職人」「ネクタイ縫製職人」などなど。
同時通訳が各職人さんに付き、工程を説明しながら丁寧に進めてくれます。職人さんも大勢の人たちに囲まれているのにとってもにこやかでフレンドリー! 各ブースで感嘆や笑い声が聞こえます。各テーブルには大きな機器や、細やかな道具が並べられてアトリエを再現していました。
上の写真は「シルクスクリーン製版職人」の女性です。大型のタブレット上で実物大の手書き原画をデジタル化しています。タッチペンで細かく線や陰影を描いている工程です。まさに絵を描いているようでした。
描くと言えば、この「磁器絵付け職人」の繊細な仕事にも目を見張りました。
エルメスの磁器、当たり前ですが手描きです。細いセーブル筆で描かれるお皿はオブジェ。
熟練したセンスの良い職人の手が生み出す、世の中にひとつしかない価値ですね。
このイベントのカタログ冒頭には
『エルメスの「ものづくり」に不可欠なもの。それは時間、素材、道具、才能、感性、知性、そして熟練した手。どのようなささやかなディテールにも、その裏側には、注意深いまなざしを持ち、完璧な仕事への誇りを抱くひとりの人間の存在があります』
と書かれていました。
素晴らしい素材が、職人のチカラと受け継がれ進化する道具、そして丁寧につくりあげる時間によってエルメスのコレクションに生まれ変わっていくことを体感できたイベントでした。
日本の器でもバッグでも、熟練された職人の「手しごと」から生まれる商品にはその価値がある。ヒトのチカラとモノの価値。その弛まぬ企業努力がブランドの信頼を築いていく。
そんなことを改めて実感しました。
やっぱり、才能ある人達を生かせる会社が素晴らしい!
ファッションってヒトビジネス!!と思っています。
会場で配られたリーフレット、シール、そして宿題(笑)
「アトリエからのホームワーク」。
このQRコードからアクセスするとエルメスのLineアカウントにお友達申請することになります。(うまいですね~)
Lineでお友達になると宿題が届く(笑)
割と真剣な宿題が出されていて、私もリーフレット見ながら進んでいきました。
これがイベントの復習の機会となり、再度リーフレットを読むことに。(本当にうまい!)
全問正解したら、このイベントヴィジュアルの待ち受け画像が届きました!
こんなアートな待ち受け画面になりました。
「エルメスの手しごと展“アトリエがやってきた”」は、同時期に銀座メゾンエルメスでの「エルメスの手しごと展“メゾンへようこそ”」(~3/26まで)も開催しています。
銀座旗艦店への誘導、ワークショップそしてLineなどすべて繋がってブランドの世界観が表現され、たくさんの人たちが参加できる完成度の高い素敵なイベント。
あと4日間開催しています!
余談ですが、会場内に若い男性のお客様が多くてびっくりでした!! ブースによっては半分が男性客。「手しごと」「道具」が興味を引いたのでしょうか。
普段ブランドに興味を持たないだろう多くの人たちをも「ものづくり」で魅せるエルメス。
日本の伝統産業が見直されその価値の創生が重要な昨今に、素晴らしいことですね。このイベントがきっかけで、未来のマエストロが生まれるかもしれませんから。
イベントでブランドの魅力を体験することが多くなった昨今。次回もまた、素敵なイベントをご紹介します。
初出:しごとなでしこ