6年前にオープンした、按田さんが営む餃子店。それは按田さんの料理に対する思いを体現したものでした。お店に込めた思いや、人気の秘密とは?
餃子の味は4種類
・豚肉・大根と搾菜
・鶏肉・白菜と生姜
・豚肉・カレー風味と人参
・鶏肉・香菜と胡瓜
おうちのごはんの延長で気どらず食べられる水餃子定食
4種の餃子が2個ずつ入った「水餃子定食」(¥972)。どの餃子もニンニクとニラは使っていないのも女子にはうれしい。餃子はそれぞれ単品(¥450/5個)でも注文できる。お好みで黒酢やオリジナルの調味料をつけていただく。豚そぼろ飯は、一見漬け物しか具が見えないけれど実はごはんの下にゆで豚のそぼろが。
「日によって肉や野菜の配合は変わります」
元気になれて癒される忙しいソロ女子の救世主
残業で夕食を食べ損ねて、帰りにスーパーに寄ったけれど、食べたいものがない…。そんな経験の一度や二度、一人暮らしの女子ならあるのでは? 「按田餃子」はまさに、そんな人のための店。
「女性ひとりでも入りやすく、仕事帰りにちょっと寄って『ふつう』のごはんを食べられる店をつくりたかったんです。気どらず食べられるものを考えた結果、餃子が頭に浮かびました。実はお店をオープンするころ、母が病気で食事療法をしていたんですが、その先生からハトムギときくらげを毎日食べるように言われていたんです。ハトムギは鉄分が豊富で体内の浄化作用も高い、きくらげは食物繊維が豊富。これは女性の健康にも役立つはずと、餃子の皮に全粉粒のハトムギ粉を練り込むことにしました。きくらげは『ゆでらげ』や『ラゲー煮込』に使っています」
どのメニューも、ベースになっているのは「按田さんのおうちのごはん」。ゆで豚や漬け物、乾物などの保存食が軸になっています。
「というわけで『按田餃子』の朝も、ゆで豚づくりからはじまります。『水餃子定食』につく、豚そぼろ飯にはゆで豚と漬け物を使っているし、海藻湯はとろろ昆布にゆで豚のスープを注いだもの。そのほか、乾物と海藻を和えたおつまみや加熱しただけの芋や野菜だけのメニューも。忙しくて食事がおろそかになっている、疲れて料理をする気にならない、そんな女性の健康を少しでも助けられる存在でありたいと思っています」
仕事帰りに寄ってサクッとつまみたいゆでらげと一杯麺
主役のきくらげの下にはアボカドが隠れている「ゆでらげ」(¥500)。戻したきくらげを黒酢で味つけしたもので、実はゆでていない。ほかは、ビーフンが入ったお茶碗サイズの「一杯麺」(¥350)、「瓶ビール 中」(¥650)
自由に味つけできるオリジナル調味料も置いています!
餃子のほか、ごはんやサラダなどにも合う自家製調味料もスタンバイ。「味の要」(左)はコリアンダーやニンニク、しょうが、ガラムマサラなどをミックス。「豆豉ミックス」(右)やラー油風の「餃子のタレ」(中)も。各¥500。
按田餃子
東京都渋谷区西原3-21-2
03・6407・8813
11:30~22:30(L.O.)無休
Oggi8月号「おうちごはんはがんばらなくていい!」より
撮影/鈴木陽介 構成/酒井亜希子・赤木さと子(スタッフ・オン)
再構成/Oggi.jp編集部

按田優子さん
あんだゆうこ・料理家。菓子・パン製造、乾物料理店などを経て独立。世界各国の保存食や発酵食品の研究を行う。ペルーのアマゾンに6回通い、国際協力事業に参加した経験も。写真家の鈴木陽介氏と「按田餃子」を営む。著書に『たすかる料理』(リトルモア)など。