按田さんの食卓に欠かせない、日もちする食材たちとアレンジレシピを紹介します。味つけや分量、火加減なども適当でOK。とりあえずトライして自分のやり方や味を見つけましょう。気分しだい、予定しだいで自由自在。「あると便利!」な基本の6食材で食べつなぐ!
[1] 塩気のあるたんぱく質
「たんぱく源となっているのがゆで豚。コバラが空いたときに、1枚スライスしてつまんでもいいし、麺や炊き込みごはんの具材やサンドイッチにもおすすめ。豚肉は火を通しておけば日もちするし、チチャロンにして水気をとばせばさらに寿命が長くなります。ゆで汁はうまみたっぷりのスープにも。塩鮭もゆで豚と同様に使い回せる食材」(按田さん・以下同)
ゆで豚
ゆで豚は一部をチチャロンにしても! チチャロンの作り方はこちらをチェック。
チチャロン
塩鮭
[2] 主食になる芋類
「お芋は米や麺と同じく主食の位置づけ。ふかしてすぐに食べられる状態にしておきます。蒸し器がなくても、フライパンにお芋をのせた皿と水を入れ、フタをして沸騰後、十数分で完成。ラップをして電子レンジにかけるだけでもOKです。さつまいもは皮をむかなければ真夏でも常温で2~3日は平気。山芋はふかしても、生でも食べられるので重宝します」
ふかしたさつまいも・山芋
How to cook|フライパンでふかせる!
[3] 野菜の漬け物
「傷みやすい野菜も漬け物にすれば日もちします。キャベツの葉2~3枚をひと口大にちぎり、保存袋に入れて小さじ1杯の塩を入れたら、軽くもんで空気を抜いて冷蔵庫へ。漬けてひと晩の浅漬けはサラダ代わりに、1週間後の古漬けは煮物にしてもおいしいし、調味料としても優秀。漬かり具合で用途はさまざまなので漬けた順に食べなくてもいいんです」
キャベツの塩漬け
How to cook|塩でもんで真空状態に。
[4] 戻した乾物
「戻してから冷蔵庫で1週間くらい日もちする乾物を常備しておくと、〝今すぐ何か食べたい!〟というときに便利。春雨やビーフンは主食にもなるし、きくらげは意外にどんな料理に入れても合う万能食材です。戻し方は、保存袋に水と乾物を入れるだけ。ビーフンは5分、春雨ときくらげは3時間程度で戻りますが、ひと晩つけても問題なし」
ビーフン・きくらげ・春雨
[5] だしの出る乾物
「鰹節や昆布でだしをとるのはめんどうなので、すまし汁や味噌汁には、煮干しやするめを使います。ひとり分あたり、煮干し2~3匹と水を鍋に入れ、弱火で20分程度煮出します。煮詰まらないくらいのとろ火にしておけばほったらかしておいて大丈夫。温まったら具材を加えます。するめはハサミで細切りに、干しえびも刻んで同様に使えます」
煮干し・干しえび・するめ
[6] すぐに使える海藻
「野菜不足が気になる、という人に便利なのが海藻です。水で戻しておく必要がなく、ふやかすだけですぐ使えるものか、そのまま料理に入れることのできるものを数種常備。海藻は香りも楽しみのひとつだから、あまり手を加えず食べるほうがおいしいと思います。炙ったり炒ったりして麺などにトッピングしても香りが立つし、食感も変わって楽しいです」
とろろ昆布・のり・あおさ
Oggi8月号「おうちごはんはがんばらなくていい!」より
撮影/鈴木陽介 構成/酒井亜希子・赤木さと子(スタッフ・オン)
再構成/Oggi.jp編集部
按田優子さん
あんだゆうこ・料理家。菓子・パン製造、乾物料理店などを経て独立。世界各国の保存食や発酵食品の研究を行う。ペルーのアマゾンに6回通い、国際協力事業に参加した経験も。写真家の鈴木陽介氏と「按田餃子」を営む。著書に『たすかる料理』(リトルモア)など。