東洋医学では、梅雨は湿気で体表からの水分調整がスムーズにいかないため、体内に水分が溜まりやすい時期とされています。見た目にわかるむくみもそうですが、全身の倦怠感や無気力、食欲不振なども水分の停滞によって起こり得ます。(これを「水毒」の状態と呼びます)そこで今回は、この季節のむくみ解消に役立つ食材を3つご紹介。
とうもろこし
利水(余分な水分を出す)効果があり、むくみ改善や胃腸の働きを良くする効果があります。とうもろこしの粒は消化が悪いと思われるかもしれませんが、だからこそ便通を良くするという利点も。特に、とうもろこしの髭は利水作用が高いため、捨てずにスープやお茶に利用を。利水作用は夏に旬を迎える野菜の特性でもありますが、他の野菜は体を冷やす傾向にあるのに対し、とうもろこしは平性で体を冷やしません。
他にも小豆、はと麦、冬瓜は利水作用の高い食材です。
生姜
発汗作用があり、体に入ろうとする邪気を汗とともに発散させ、追い払います。体を温めることで良く知られる生姜ですが、体に水分が溜まりやすい梅雨は、体も冷えがち。体が冷えると水分循環がうまくいかず、水はけが悪くなるという悪循環に。さらに「梅雨寒」の気温低下による体調不良にも注意が必要です。冷えを感じたら、積極的に生姜を!
紫蘇などの香味野菜
生姜のほか、香りが高い紫蘇や葱・みょうが・三つ葉など、薬味に使われる食材にも余分な水分を発散させる効果が。豆腐にも胃腸の機能を整え、水分を調整する効能があるので薬味たっぷりのお豆腐はおすすめメニュー!(ただし、冷えが気になる方は「冷奴」ではなく「温奴」で!)
むくみ改善の食材を楽しみながら、梅雨を乗り切りましょう!
大木さと子
国際中医薬膳師・漢方アドバイザー。日本中医学院(旧・国立北京中医薬学大学日本校)卒。普段はメーカー勤務、よく食べよく飲むOL。ふだんメシをアップするinstagramにて、薬膳の情報も発信中。