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「翔」の意味
「飛ぶ」でも「跳ぶ」でもない、「翔ぶ」にはどんな意味があるのでしょうか? 漢字の由来から読み方、そして意味についてみていきましょう。

「翔」の由来
「翔」という漢字は「羊」という文字と「羽」という字で構成されています。一説によりますと、「羊」という字を使っているのは、同じ音の「ヨウ」から「揚(ヨウ)」の「高く上がる」という意味があるからだそうです。それと羽を組み合わせて、高く上がり羽を広げて飛ぶといった意味になります。
「翔」の読み方
「翔」の読み方は、音読みが「ショウ」で、訓読みは「かけ(る)」が一般的です。ところが、1975年に司馬遼太郎の「翔ぶが如く」という小説が発刊されてから「と(ぶ)」の読み方が定着していきました。
「翔」の意味
羽を広げて飛ぶ。空高く飛ぶ。(<小学館 デジタル大辞泉>より)
普通に飛ぶというよりも、空高く飛び、大きく羽を広げ気持ちよく上空を舞っている感じでしょうか。空を自由にかけめぐる。そんな場面が目に浮かびます。ポジティブなイメージが、この漢字を名前に付けたくなる所以でしょう。
「翔」の使い方
古くは『万葉集』から『源氏物語』、そして現代ではどのような使われ方をしているのかみていきましょう。

翔り(かけり)
・『万葉集』
「ひさかたの天のみ空ゆあまかけり(天翔り)見渡し給ひ」(山上憶良)は、神の霊魂が空を飛び回る様を表しています。元号「令和」の選考過程で「天翔」という案も一時有力だったと言われていました。それは『万葉集』や『古事記』に由来していたとされています。
・『源氏物語』
澪標(みおつくし)の一節に「降り乱れひまなき空に亡き人のあまかける(天翔る)らむ宿ぞかなしき」とあります。これは、「亡き母の霊魂がまだ家の上を飛び回っていると思うと悲しい」という気持ちです。
翔(しょう)
2018年よりアメリカのメジャーリーグに移籍した大谷翔平選手が試合に出てくるときに、現地の実況が「ショータイム」をもじって「翔タイム」というのが話題になりました。
他の使われ方としては、宇宙ロケットや弾道ミサイル、衛星など肉眼では届かないほど高く飛ぶ人工物を「飛翔体(ひしょうたい)」といいます。
翔ぶ
「翔ぶ(とぶ)」については、様々なタイトルで使われています。漫画のタイトルでは『翔んだカップル』や『翔んで埼玉』、小説のタイトルでは、司馬遼太郎氏の『翔ぶが如く』、胡桃沢耕史氏の『翔んでる警視』、高村薫氏の『黄金を抱いて翔べ』など。歌のタイトルでは渡辺真知子さんの『かめもが翔んだ日』、テレビアニメの主題歌『翔べ! ガンダム』などがあります。
「翔」の入った名前
明治安田生命が毎年発表している「名前ランキング」によると、「翔」の入った名前がたくさん見受けられます。具体的な名前についてみてみましょう。

「翔」は上位常連ネーム!?
明治安田生命の「名前ランキング」をもとに「翔」のつく名前の順位を追ってみましょう。
「翔」の文字は人名用漢字として1981年に追加されています。人名用漢字は世間の要望などを取り入れて採用されているので、その当時、要望が多かったのでしょう。「翔」という名前は人名用漢字として登録された翌年、1982年に男の子の名前のトップ10にランクイン(10位)します。登場していきなりのランクインです。待ちに待った人名用漢字への登録だったと考えられます。
その後も、毎年トップ10に顔を覗かせます。1988年から「翔太」が4年連続ナンバー1になり、1997年には「翔太」「翔」のワン・ツー・フィニッシュを達成します。
2000年に入っても息長く人気は続き、「翔」の字が入らない年がないほど。そして2003年に「大翔」がトップ3に入り、2007年から5年連続でナンバー1になっています。
名づけの変遷
1980年代から90年代は翔、翔太、翔平、翔子など「しょう」と読ませる名前が主流でした。ところが2000年に入ると大翔や結翔、悠翔、陽翔など「翔」が名前の後ろについて「と」と読む名前が主流になっています。
名前ランキングの読み方ランキングにおいては、ここ数年「はると」が人気ですが、大翔や悠翔、陽翔などはすべて「はると」と読むことができます。
女の子に「翔」をつける場合
「翔」を女の子の名前で使う場合は「かけ(る)」から「か」と読ませるケースが多くなっています。例えば、裕翔、結翔は男の子では「ゆうと」ですが、女の子では「ゆいか」あるいは「ゆうか」になります。
男の子の名前
2021年の名前ランキングでは下記の名前が100位までにランクイン。
陽翔(はると、ひなと、あきと)、大翔(はると、ひろと、やまと、たいが)、悠翔(はると、ゆうと)、海翔(かいと)、結翔(ゆうと、ゆいと)、晴翔(はると)、湊翔(みなと)、心翔(まなと)、奏翔(かなと)、翔太(しょうた)、優翔(ゆうと)、葵翔(あおと)、遥翔(はると)、蓮翔(れんと)、翔空(とあ)
女の子の名前
名前ランキングには入っていませんが、次のような名前も。
明日翔(あすか)、彩翔(あやか)、美千翔(みちか)、翔子(しょうこ、かこ)、翔夏(かな)、心翔(こと、ここと)、帆乃翔(ほのか)
最後に
「翔」という字は、現代的なイメージのある漢字です。有名芸能人やスポーツ選手にも「翔」のつく名前の方がたくさんいて、彼らの活躍に伴いイメージもどんどんよくなってきている気がします。暗い話題が多いこの時代に、スカッと明るいイメージが特に好まれているのかもしれません。これからの社会が「天翔る」時代になるとよいですね。
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