「羽目を外す」の意味と意外な語源とは?
楽しくてつい「羽目を外した」経験はきっと誰にでもあるはず。実は「羽目を外す」は、使い方によってニュアンスが異なる言葉。使うシーンによって印象が変わるので、知っておくと便利かもしれません。ユニークな語源も併せて、一緒に見ていきましょう。

「羽目を外す」の意味とは?
「羽目を外す」とは「調子に乗って度を超すこと」を意味する言葉。勢いづいて、勝手気ままに行動することを表す際によく使われます。度は超すけれど、他人を深く傷つけたり、大きな事件に発展したりということにつながらず、許容範囲内での出来事によく使われる言葉です。
「羽目を外す」の語源
「羽目を外す」に使われている「羽目」の由来とされるのが、馬に噛ませる「馬銜(ハミ)」という道具。「ハミ」は騎手が持つ手綱とつながっています。人間が馬をコントロールするために使う馬具のひとつが「ハミ」ですが、この「ハミ」を外すと、馬は自由に動き回ることができるようになります。
その様子から、「馬銜(はみ)を外(はず)す」→「はめを外す」→「羽目を外す」というように変化したといわれていますよ。
使い方を例文でチェック
「羽目を外す」という言葉の使い方を例文で確認してみましょう。ここで押さえておきたいこととして、「羽目を外す」という言葉は、ニュアンスやケースによって、他者を励ます時や、チームの士気をあげる際に使うこともできるポジティブな意味が含まれるということです。

「友人との旅行が楽しくて、羽目を外してしまった」
気心の知れた友人との旅行は、誰にとっても楽しいもの。解放感が生まれ、つい自制心がゆるみ、いつもとちがう行動をとりやすくなります。「羽目を外して」ついお酒を飲み過ぎてしまったり、あまり必要のない物なのに、「羽目を外して」大人買いをしてしまったりという経験を持つ人も多いのではないでしょうか。
「このプロジェクトが終わったら、みんなで羽目を外して騒ごう」
プレッシャーのかかるプロジェクトやイベントがあると、連日緊張して過ごしてしまう人もいるでしょう。緊張と疲れ、プレッシャーの影響で、モチベーションの維持が難しくなったり、チームの士気が下がってしまうこともあるかもしれません。
そんな時に使われる「羽目を外す」は、気分転換を促したり、他人を鼓舞する意味合いが強くなります。「羽目を外す」ことが楽しい目標となって、士気が上がり、プレッシャーを乗り切れるというわけです。
「あなたはいつも頑張り過ぎるから、たまには羽目を外して楽しんだ方がいい」
努力家で頑張り屋の人は、ストレスを抱え込みがち。しかも、それを他者に見せないようにしていることが多々あります。ストレスを溜め込みすぎると、心身のバランスを崩すことにつながりやすく、悪い影響を及ぼすことも。そのような状態になっている人に、「羽目を外して」気持ちの向くままに行動することを推奨する意味で使われることもあります。
「羽目を外す」の類語や言い換え表現にはどのようなものがある
「羽目を外す」には、どのような類語や言い換え表現があるのでしょうか。一緒に見ていきましょう。

箍を外す
「箍を外す(たがをはずす)」とは、規律や束縛から抜け、自由に行動することを意味します。「箍(たが)」は、桶(おけ)や樽(たる)の周りにはめて緩まないようにする竹や金属でできた輪のこと。「羽目を外す」と同様に、どちらも「自分を解放する」という行為を比喩的に表す言葉です。ただし「調子に乗る」という意味合いが強いのは、「羽目を外す」の方だとされています。
羽を伸ばす
「羽を伸ばす(はねをのばす)」とは、束縛しているものがなくなり、自由気ままに、のびのびとふるまう様子を表す言葉。鳥が羽をのばして自由に飛び回る姿が語源といわれています。基本的には、良い意味で使われることが多い言葉です。
自由に動き回るという点では「羽目を外す」と似ていますが、「羽を伸ばす」に、「度を越して動き回る」という意味は含まれません。「羽を伸ばす」の度が過ぎて「羽目を外してしまった」ということにつながる時もあるので、過度に羽を伸ばすのは注意が必要かもしれません。
悪ノリする
「悪ノリする(わるのりする)」とは、調子に乗って悪ふざけをすること。「悪ノリ」とは、その場の勢いや調子に乗り、度の過ぎた言動をすることをいいます。「羽目を外す」と近いようにも思いますが、「悪ふざけ」は他人に迷惑をかけるほどにふざけることを表しますので、許容範囲は超えていると考えられます。「悪」の字が使われていることからも、「羽目を外す」よりもネガティブな意味が強いといえるでしょう。
「羽目を外す」の英語表現は?
では「羽目を外す」を英語で表現すると、どのようになるのかをチェックしてみましょう。

to act without restraint
英語で「羽目を外す」を意味します。「restraint」は「自制、抑制、拘束」という意味を表す単語。「to act」は行動するという意味になるので、「自制なしに行動する」つまり「羽目を外す」という意味になります。
go over the top
「go over」は「越す」を意味し、「top」は「最も高いところ」を表す英単語。「最も高いところを超す」つまり「羽目を外す」という意味に当たります。
to cut loose
「cut loose」は「~を切り離す」または「自由の身となる」という意味。これを人に対して「羽目を外す」という意味で使われます。
最後に
「羽目を外す」とは、「調子に乗って度を越す」言動のことを意味することがわかりました。「羽目を外して」叱られたり、誰かに迷惑をかけたり、後から後悔したという経験を持つ人も多いかもしれません。「羽目を外す」ことは、あまり好ましいことではありませんが、まだ許容範囲の中にあるとも考えられます。よって、「羽目を外した」後に挽回することもできるのではないでしょうか。
一方で「リラックスして気分転換しよう」という、ポジティブな意味合いも。気分転換を促す、励ましの言葉としてもよく使われています。「羽目を外して」楽しむことは、力が入り過ぎた心身を緩め、ストレスを緩和させてくれるという、よい影響をもたらしてくれることもあるからです。
「羽目を外し過ぎて」誰かに迷惑をかけないよう注意しながら、程よく「羽目を外し」、より楽しく毎日を過ごしていきましょう。



