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2025.10.12

「大切にしたいのは大きな変化よりなにげない日常」俳優・高畑充希さんインタビュー

30代にさしかかるときを思い出し、期待を感じながらも「混沌としていた」と語る高畑さん。でも、自分のスピードで、そのときどきの楽しみを見つけながら、しっかり味わううちに、生きやすくなったと振り返ります。特別なことが起きたり、大きな変化があることばかりが、いいわけじゃない。日常の「なにげない時間」を慈しむ高畑さんの、幸せな生き方・暮らし方とは。

【俳優・高畑充希さんインタビュー】自分を慈しみながら見つける「大人」への道

俳優・高畑充希さん

高畑充希(たかはた・みつき)
1991年生まれ、大阪府出身。オーディションを経て13歳で俳優デビュー。2007~2012年にミュージカル『ピーターパン』で主演を務める。そのほかの出演作に、NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』、ドラマ『過保護のカホコ』『unknown』、『1122 いいふうふ』(Prime Video)、NHK大河ドラマ『光る君へ』、映画『ゴールデンカムイ』『国宝』、『ウィキッド ふたりの魔女』(日本語吹き替え版)など。20周年プロジェクト第1弾 Night Tempoプロデュース「Over You」デジタル配信中。

夢の実現の、さらにその先へ

「小学生のときから、母に連れられてよく舞台鑑賞に行っていました。舞台に立つ人になりたくて、ミュージカル俳優になりたくて、それが子供のころの夢でした。また、書店と本のインクのにおいが大好きで、活字中毒だった一方で、男の子たちと近所を走り回って暴れたりもして。13歳でミュージカルの舞台に立つ夢が叶い、その後こんなふうに映画に出演することになるとは、想像もしていませんでした。夢の実現の、さらにその先に進んでいるような気がしています」

高畑充希さん

24歳で『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』で映画初主演を果たし、今年は主人公の幼なじみとして出演した映画『国宝』が大ヒット。その熱も冷めない10月、新海 誠作品初の実写化で話題の『秒速5センチメートル』が公開となり、ここでヒロインを演じた。

「特にここ数年、映画の世界の面白さを感じ始めています。舞台は演じたその瞬間に花開いて、消えていく儚さがあるけれど、映像は形として残って、人の記憶に刻まれていく。それが映画のよさだとわかっているけれど、数年前の自分を観るのは、少し照れくさいのも事実です。それでも映画は、音楽や衣装や編集などさまざまな人の手によって、想像した以上の完成度となって、多くの人に広がっていく楽しみもあります。日本だけでなく、アジアへ、世界へと…」

映画『秒速5センチメートル』も、国内外に多くの原作ファンをもち、長く実写化が待ち望まれてきた一作。高畑さんは、主人公・遠野貴樹の心に深く刻まれている篠原明里の現在を演じる。

「この物語では、過去の思い出から逃れられない人がいれば、現実的に前を向いて進める人もいる。言ってみれば〝残酷な〟現実も映し出されています。そういう私も仕事となると、後ろを振り返らないタイプです。うまくいかなかったことは反省するけれど、そのうえで自分がやるべきことを携えて、すぐ前に進み始めます。一方で人間関係となると、過去の出来事や地元のノスタルジーを何度も嚙み締めながら生きているところもある。演じた明里の要素も、主人公の貴樹くんの要素も、どちらもあるかもしれません」

高畑充希さん

変化する自分を面白がり今いる場所で楽しむ

実写版映画では、貴樹と明里がともに「30歳」になるタイミングも描かれる。4年前、自らも30代突入を経験した高畑さん。そのときの心境は、はっきりと覚えているそう。

「30歳のとき… なんだか混沌としていた気がします。『30なんだから』という周囲の圧を勝手に感じて、何か成し遂げなきゃというプレッシャーを自分にかけて。おかしいですよね、今思えば29歳と30歳とで急に何か変わるものでもないのに。もっと気楽でよかったのにと思います。ぐちぐち言いながら(笑)30になって、毎日をひとつずつ過ごすうちに、いつの間にか生きやすくなってきて。何か特別なことが起きたり、大きな変化があることが、いいわけじゃない。そんなことに気づけた今は、日常の『なにげない時間』が幸せだと思えます。最近でいえば、おなかの子供が動く瞬間です」

高畑充希さん

年齢の数字にこだわりすぎず、期待をしすぎず、かといって自分を疎かにしないで。小さな変化を慈しむことを続けてきた高畑さん。

「人生、何もない凪のような時期があったかと思えば、びっくりするようなことが起こるかもしれない。予想できるものでもありません。だから、何か起きたとき、わかったフリをして甘く見るんじゃなくて、毎回苦しんだり、がむしゃらになったりしながら、年を重ねていきたいと思います。どんなことに対しても、喜怒哀楽を大切にしながら。喜びや楽しさはしっかり味わって、悲しいことはとことん悲しんで次に進む。そして、私だって怒ることもありますよ。最近では… 猫のいたずらがひどくて、朝起きたら廊下が猫砂だらけになっていたとき(笑)。猫はかわいいですけど、さすがにツノが生えました」

高畑充希さん

その先を楽しんでいる自分の姿も、すでに頭の中にはあるようで…。

「若くいることばかりがいいとは思わないけど、かといって早く年を重ねたいとも思わなくて。人それぞれのスピードで、そのときどきの楽しみ方があるはずだから、それをしっかり味わいたいと思います。33歳という今のステージなら、20代の体力はなくても、当時は似合わなかった服が着られる楽しみがある。変化する自分を面白がりながら、今いる場所で楽しめる人は、やっぱり人生お得だなって思います。『秒速5センチメートル』の明里に共感できるのは、そんなふうに楽しみを見つけられる人、だからなのかもしれません」

映画『秒速5センチメートル』

映画『秒速5センチメートル』
©2025「秒速5センチメートル」製作委員会

東京の小学校で出会った貴樹と明里。少しずつ心を通わせたふたりが、卒業と同時に離れ離れに。中学1年の冬、栃木・岩舟で再会を果たしたふたりは、雪の中に立つ1本の桜の木の下で、最後の約束を交わす。そして30歳を前にした貴樹は、自分の一部が遠い時間に取り残されたままだと気づき始めて…。原作:新海 誠 監督:奥山由之 10月10日(金)全国公開

***

【衣装】ドレス¥220,000・中に着たドレス¥52,800(S&T〈ODAKHA〉) イヤーカフ(セット価格)¥16,500・2連リング¥30,800・パールリング¥11,380(THÉ PR〈Reflection〉)

S&T 03-4530-3241
THÉ PR 03-6803-8313

2025年Oggi11月号「この人に今、これが聞きたい!」より
撮影/中村和孝 スタイリスト/菅沼 愛(TRON) ヘア&メイク/林 由香里 構成/南 ゆかり
再構成/Oggi.jp編集部

Oggi編集部

「Oggi」は1992年(平成4年)8月、「グローバルキャリアのライフスタイル・ファッション誌」として小学館より創刊。現在は、ファッション・美容からビジネス&ライフスタイルテーマまで、ワーキングウーマンの役に立つあらゆるトピックを扱う。ファッションのテイストはシンプルなアイテムをベースにした、仕事の場にふさわしい知性と品格のあるスタイルが提案が得意。WEBメディアでも、アラサー世代のキャリアアップや仕事での自己実現、おしゃれ、美容、知識、健康、結婚と幅広いテーマを取材し、「今日(=Oggi)」をよりおしゃれに美しく輝くための、リアルで質の高いコンテンツを発信中。
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