プレゼン成功の秘訣は、「15:85」である。
話す内容は中学生(15歳)でもわかるように。スライドは高齢者(85歳)でも読めるように。
前回はプレゼン成功のための法則を数字で説明しました。
すべての人に伝わるプレゼンなどあり得ない。「100−99=1」を意識し、たったひとりを納得させるような内容にすることが重要です。
今回もプレゼンがうまくいくためのコツを同じように法則っぽく数字で説明してみたいと思います。特にパワーポイントなどを使ってスライドを投影しながらプレゼンする機会がある(ありそうな)方は必見です。
「15:85」
さっそくですが、これが今回の結論です。私がつくったオリジナルの法則なのですが、もちろんこれだけでは何のことだかわかりません。少しずつ意味づけをしていきたいと思います。
あなたは「パレートの法則」と呼ばれるものをご存知でしょうか。ビジネスにおいて、売上の8割は全顧客の2割が生み出しているという経験則です。数学的に比率で表現するならば、「80:20」といったところでしょうか。合計を100として表現しているので記憶にも残りやすいですね。
お気づきのように先ほどの「15:85」もこの形式になっているといえます。問題は15と85の正体ですが、実は15も85も年齢を意味します。具体的に説明しましょう。
15 → 話す内容は15歳でもわかるように
85 → 見せるスライド(資料)は85歳でもわかるように
私は企業研修でよく「中学生でもわかるように説明しなさい」と指導していますが、それをより具体的に数字で表現したものです。15歳でもわかるように話すことが誰にとってもわかる話し方、という私の主張にそれほど異論はないのではと思います。
一方、見せるスライドに関しては「細かい文字などを詰め込むことはせず、大きな文字で視覚的に訴えるように使いなさい」と指導しています。それをより具体的に数字で表現すると、85歳でもわかるようにとなります。
15歳でもわかる話し方のお手本としては、ジャーナリストの池上彰さんや政治家の小泉進次郎さんなどを挙げたいと思います。上達のコツは、お手本をマネするに限ります。
一方、85歳でもわかる見せ方については高齢者も利用するサービスの広告などがいいでしょう。たとえば携帯電話や保険など、ポイントだけをシンプルに、大きな文字でわかりやすく訴えているはずです。
少し余談にはなりますが、日本はこれからさらに高齢化が加速します。高齢になるということは、身体的な機能が劣化することを意味します。15歳でもわかるように話す。85歳でもわかるように見せる。これは私たちにとって意外と重要なスキルになってきます。
これから時代に活躍するビジネススキルと思えば、やってみる価値はあると思えてきませんか。
ぜひ明日から、プレゼンの準備をする際はこの「15:85」を意識してみてください。
この説明は15歳でもわかるか? この資料は85歳でも読めるか? それを問いかけるだけで、あなたのプレゼンの成功率はきっと上がるはずです。
深沢真太郎 ビジネス数学の専門家/人材教育コンサルタント
BMコンサルティング株式会社代表取締役/多摩大学非常勤講師/理学修士(数学)
ビジネスパーソンの思考力や数字力を鍛える「ビジネス数学」を提唱し人財育成に従事。著作多数。
文化放送「The News Masters TOKYO」ニュースマスター
ラジオ『深沢真太郎のビジネス数学カフェ』パーソナリティ
パールハーバープロダクション所属(文化人タレント)
国内初のビジネス数学検定1級AAA認定者
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