エディター・岡村佳代が出会った、あんな人やこんな人…
公私ともにソツがなく、義理人情にも厚いタニグチは、かつて同じ女性誌のライターとして頑張っていた同志的な存在。とてもしっかりしている優等生キャラなのですが、たまに想定外のことをやらかしてくれます。

▲タニグチ(仮名) アラフォー/ビューティライター
女性誌やさまざまなWEBメディアで連載を持ち、近年はインフルエンサーとしても活躍している売れっ子ライター。仕事ぶりもさることながら、細やかな気遣いで男女問わず、スタッフや編集者から厚い信頼を集めている、が…。
人間観察File.19|ヤバT子ちゃん
これは結果から言えばハッピーエンドで、今となっては笑い話です。コロナ禍が明けたとき、私たちが若いころにお世話になった編集者さんが深刻な病気を患い入院。タニグチとお見舞いに行くことになりました。
その編集者さんは吉田鋼太郎似の豪放磊落なおじさんですが、大きな手術を控え弱っている様子。でも私たちの顔を見てうれしそうに起き上がり、タニグチに向かって笑いながらひと言「まだ行かねぇよ!」
あろうことか、タニグチのTシャツには筆記体で「Go to HEAVEN」と書かれていました。もちろん、何も考えずに着てきちゃったタニグチ。その昔、毛髪がさみしく独特な髪型になった大御所カメラマンさんに、大分旅行のお土産といって『ざびえる』というお菓子を渡した伝説を残しているタニグチ。そこそこ年齢を重ねてもタニグチなままで、編集者さんと大笑いしたのでした。
帰宅後タニグチから「こっちにしなくてよかったです」とTシャツの写真が─ 「Go to HELL」。ようそんなTシャツばかり見つけてくるなー。その後、編集者さんは奇跡の大復活を遂げ、天国にはGOせず今も活躍されております。めでたし、めでたし。
2025年Oggi6月号「クセあり人間観察ファイル」より
文/岡村佳代 イラスト/平松昭子
再構成/Oggi.jp編集部
おかむら・かよ
おエディターでもあり、文筆家でもあり、ウォッチジャーナリスト。豊かな人脈を生かして、クセあり人間採集というミッションに取り組む。
Oggi編集部
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