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2025.06.17

「何者でもない自分」から抜け出すキャリア戦略とは?

Oggi世代にとってキャリアの悩みはつきもの。今の会社で働き続けるのか、転職するのか。結婚・パートナーの転勤・妊娠出産・介護などライフイベントによっても働き方は左右されるもの。キャリアチェンジを考えた時に必ずついて回る悩みに関する考え方や方法を、キャリアと組織戦略の専門家、森数美保さんの著書『「何者でもない自分」から抜け出すキャリア戦略 〜やりたいことがなくても選べる未来をつくる方法〜』より一部抜粋・編集し、4回のミニ連載形式でお届けします。今回は第1回目。

組織・キャリア開発の専門家の著書よりお届け〈ミニ連載 vol.1〉

「やりたいことが見つからない」悩みを抱えていた“Willなし人間™”であり、ライフステージの変化にも苦しんだ経験を持つ森数さんは、転職エージェントや人事組織コンサルタントとして、同じ悩みを持つ多くの求職者や企業と向き合い、試行錯誤してきた新しい視点のキャリアデザインを提唱。

「やりたいこと」や「強み」が明確ではないビジネスパーソンや、結婚・出産・子育て・介護などのライフイベントによってキャリアに悩む人に向けたアドバイスが盛り込まれた著書『「何者でもない自分」から抜け出すキャリア戦略 〜やりたいことがなくても選べる未来をつくる方法〜』より一部抜粋・編集して4回のミニ連載でお届けします。

やりたいことがない人が抱えるキャリアデザインの憂鬱

「夢は持つべきだ」
「やりたいことを見つけるべきだ」
「目標に向かって頑張るべきだ」

このような言葉を、私たちは頻繁に耳にします。しかし、これらの「べき論」が、かえって多くの人々のキャリアの可能性を狭めているのではないでしょうか。

キャリアデザインにまつわる3つの誤解

〈誤解1〉やりたいことから考えるべき

AとB
(c)Adobe Stock

最も一般的なキャリア形成の方法は、「やりたいこと」から始めることです。しかし、この方法には重大な問題があります。

私たちが思いつく「やりたいこと」は、既知の選択肢の中からしか生まれません。例えば、「人事の仕事がしたい」と考える人は、深掘りしていくと以下のような気持ちをもっていることがあります。

・人と関わる仕事がしたい
・組織の成長に貢献したい
・人の可能性を引き出したい

これらに該当する職種で思い浮かべやすいのは人事ですが、必ずしも人事という職種でしか実現できないわけではありません。コミュニティマネージャー、キャリアコンサルタント、組織開発コンサルタントなど、様々な選択肢が考えられます。しかし、やりたいことから考えると、選択肢が限定されてしまうのです。

〈誤解2〉好きなことを仕事にすべき

(c)Adobe Stock

「好きなことを仕事にしよう」というメッセージをよく耳にします。確かに、好きなことを仕事にできれば素晴らしいことです。キャリア相談でも、「好きな仕事に就きたい」という声はよく聞かれます。

しかし、ここにも重大な落とし穴があります。

・好きなことが、必ずしも得意とは限らない
・好きなことを仕事にすると、趣味として楽しむ機会を失う可能性がある
・市場価値と個人の「好き」は必ずしも一致しない
・好きなことは不変ではない

仕事は誰かと価値を交換して成立します。「好きなこと」「やりたいこと」だけで成立することは稀です。むしろ、「誰かの役に立てている」「価値を発揮できている」という実感から、その仕事を好きになっていくケースの方が多いのです。

〈誤解3〉明確な目標を持つべき

目標を書く
(c)Adobe Stock

多くのキャリア理論が、「明確な目標設定」の重要性を説いています。しかし、自分の周りを含めて「将来は絶対こうなる」までは誰にも予見できないものです。もし目標設定の際に想定していた将来が変わってしまえば、どれだけ優れた戦略を立てても、望むゴールには辿り着けません。つまり、最初に明確な目標を決めることが、かえってキャリアを迷走させる原因になり得るのです。

キャリアを取り巻く環境は変化が激しく、数年後には職業や働き方の選択肢が大きく変わる可能性があります。また、人生のステージが変わるにつれ、自分の価値観や優先順位も変化していきます。そんな中で、無理に目標を定めることは、むしろ柔軟な選択肢を狭めることになりかねません。

また、「やりたいことがない」と感じる人も、「適切な目標を持てないのは問題だ」と思い込む必要はありません。むしろ、「目標を決めなければならない」という考えにとらわれたまま設定した「やりたいこと」や「目標」は、本当に自分が望むものではなく、周囲の期待に応えようとするものになっていることが多いのです。

「目標」だと思っているものが、実は「なるべき自分」─自分が「こうあるべきだ」と思い込んでいたり、他者の期待を反映したものだったりするケースも少なくありません。

重要なのは、最初に目標を設定することではなく、自分の経験や価値観を整理しながら、納得できる方向性を見つけていくこと。目標は、そのプロセスの中で自然に見えてくるものなのです。

次回は、やりたいことが見つからない4つのタイプとその可能性について解説します。

「何者でもない自分」から抜け出すキャリア戦略 やりたいことがなくても選べる未来をつくる方法

キャリアと組織戦略の専門家 森数美保

株式会社Your Patronum 代表取締役/組織・キャリア開発の専門家 森数美保

大阪大学卒業後、新卒一期生として人材紹介会社ジェイ エイ シー リクルートメントに入社し、最年少マネージャーを経験。その後、株式会社Misoca(現・弥生株式会社)、株式会社キャスター、株式会社ミライフ等を経て2024年株式会社Your Patronum(ユアパトローナム)創業。代表取締役に就任。「チームの行動を変容させ、強い組織をつくり事業を伸ばす」をミッションに、法人向けの組織開発コンサルティングサービス「ユアパト」、個人向けのキャリア支援サービス「キャリパト」を提供している。名古屋在住。16歳女子、13歳男子の母親。社会保険労務士有資格者。

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