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LIFESTYLE

2025.05.21

女優・松雪泰子「時代のうねりの中で、舞台が伝えられること」|音楽劇『エノケン』インタビュー

10月7日から開演する話題の音楽劇『エノケン』に、女優・松雪泰子さんが出演決定! 日本の喜劇王の半生を描くこの作品の見どころや伝えたいことを、松雪さんがたっぷり語り下ろします。

今年10月7日から東京・シアタークリエを皮切りに、大阪・佐賀・愛知・川越にて公演予定の音楽劇『エノケン』は今から大注目の作品。新作脚本をなんと又吉直樹さんが書き下ろしし、出演キャストも超豪華な顔ぶれです。中でも気になるのは“エノケン”のふたりの妻を1人2役で演じる女優・松雪泰子さん。激動の時代を生きた女性を表現する彼女に、舞台の見どころや作品から感じられるメッセージについてお伺いしました。

――まずは松雪さんが音楽劇『エノケン』で演じる役どころについて教えてください。

今回の私の役どころは、日本の喜劇王と呼ばれる榎本健一さん(エノケン)を支えたふたりの妻です。前妻の花島喜世子さんと後妻の榎本よしゑさんは、性質の異なる女性。ひとつの舞台でふたりの女性を演じるのは初めてのことですし、貴重な経験ができることに胸を膨らませています。

――今回の舞台で描くのは、“エノケン”の愛称で親しまれる榎本健一さんの半生だとお聞きしました。戦前・戦中・戦後の日本で喜劇俳優として名を馳せた方をめぐる物語…一体どのような雰囲気になるのでしょうか?

伝説の喜劇人エノケンさんの半生を描いた作品と聞くと「華やかな世界」を想像される方も多いと思うのですが、そういった側面だけでなくもっと深い部分も描き出されると思います。役作りのために様々な資料に目を通しているのですが、喜劇人として生きる彼の人生は決して幸運な事ばかりではなく、たくさんの苦労や不遇な出来事もあったんです。

――では、松雪さんの演じる2人女性も苦労がありそうですね。

エノケンさんを陰で支え続けた2人の女性ですから、もっと人間的な部分も色濃く描かれると思います。喜世子さんは女優でもあり、強く芯の通った女性ですし、よしゑさんはエノケンさんと魂のつながりを感じる人物。当時のムードや状況を再現しながら彼女たちをしっかり演じたいので、過去の記事や資料を読み漁っています(笑)。よしゑさんが描いた著書も読みました。ただ、戦前から戦後のことなので、その時代のムードを100%キャッチできているかが分からなくて…。幕が開くまでに、なるべく準備して臨みたいと思っています。

――脚本は又吉直樹さんの書き下ろしですよね。

そうなんです。又吉直樹さんがエノケンさんの人生をどのように切り取るのか、私もワクワクしています。エノケンさんが生きた戦前~前後の日本は、時代の大きな変化と共にエンターテイメントの世界も激変した時期。歴史を紐解いて勉強する中で、その頃の変化が今の激動にも重なるような気がします。私の働くエンターテイメントの世界もそうですし、特に女性は影響を受けているのではないでしょうか。急激に移り変わることには、いい面だけでなく、過酷な部分もあるものですよね。過去に生きたエノケンさんの人生から、今を生きる皆さんに「激動の時代をどう乗り切るか」についてよいフィードバックができるのではないかなと期待しています。

――作品の主人公である榎本健一さんに対して、松雪さんはどのようなイメージを抱いていますか? ぜひ教えてください。

素晴らしい喜劇人。特に、芸に対する突き詰め方や時間の注ぎ方、向き合い方が現代の感覚とはまるで違って、その情熱に圧倒されました。エノケンさんが生きた時代を知っている方とお話させていただいたんですが、芸を極める熱意が桁外れなんです。それにとても自由な方ですよね。当時と今は時代が違うのでエキセントリックに感じる部分もありますが、あの時代を知っている先輩からは学ぶべきものがたくさんあるなと感じました。

――先輩から学ぶことって、たしかに大事なことかもしれませんね。

私は年齢柄、多くの経験をしてきた先輩方とお話させていただいたり、お仕事でご一緒したりする機会に恵まれたので、本当にいい経験をしてきたなと感じます。違う時代を生きた方に教えを乞う時間って、いい学びになるんです。実は最近、若手の俳優さんが芝居について熱く語る話しを聞く機会がありまして。今の皆さんの環境を思うと、「教えを乞う機会が中々なくて、技を極める楽しさを体験出来ないときもあるよね」と、話しを聞きながらそう感じたのですが。今回の作品は、エノケンさんの人生を作品として体験しながら、それをどう乗り越えるかのヒントになる事が表現されるのではないかと想像しています。音楽劇『エノケン』は、今にはない時間を伝えられる独特の空気感を伝えられる作品。もしかしたらこの作品が、そういった閉塞感を突破するきっかけになるのでは…と思っています。ぜひ見て、どんな感想を持ったかを教えてほしいです。

――ちなみに…舞台の上で「笑い」を表現するのって難しいものですか?

舞台上で笑いを作り出すのはとても難しい気がします。個人的には、普通に演技するより高度な技術が必要な印象があって。笑いを取りたいと思うほど、全然上手くいかないんです。自分の場合は、真面目にやればやるほど滑稽さが出る気がします(笑)。精一杯演じるからこそ客観的に観ると面白くて、笑わせようと思うほど難しくなるのが舞台の「笑い」な気がします。

――最後に本作にかける意気込みを聞かせてください。

しっかりと舞台の世界を生き抜いて、皆さんにお届けできるように努めますので、ぜひ劇場に足をお運びください。作品を通して「諦めずに突き進もうとする力」「最後まであきらめないパワー」を皆さんにお届けします。

音楽劇『エノケン』

戦前・戦中・戦後…と、昭和の日本をとびきりの笑いで照らしつづけ、“エノケン”の愛称で親しまれた榎本健一。人生のすべてを喜劇に捧げ「日本の喜劇王」と謳われた“エノケン”と、その家族や仲間たちの姿を、又吉直樹が新作戯曲として書下ろし。温かい笑いと涙に包まれたエンターテインメント舞台にご注目ください!

<東京公演>
期間:2025年10月7日(火)~10月26日(日)
会場:シアタークリエ
製作:ホリプロ/東宝

<大阪公演>
期間:2025年11月1日(土)~11月9日(日)
会場:COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール
主催:キョードーエンタテインメント

<佐賀公演>
期間:2025年11月15日(土)~16日(日)
会場:鳥栖市民文化会館 大ホール
主催:インプレサリオ/鳥栖市/鳥栖市文化事業協会

<愛知公演>
期間:2025年11月22日(土)~24日(月祝)
会場:名古屋文理大学文化フォーラム(稲沢市民会館)
主催:中京テレビクリエイション

<川越公演>
期間:2025年11月28日(金)~30日(日)
会場:ウェスタ川越 大ホール
主催:指定管理者NeCST

▶︎公演詳細

<スタッフ>
作:又吉直樹
演出:シライケイタ
音楽監督:和田俊輔
美術:伊藤雅子
照明:佐々木真喜子
音響:戸田雄樹
衣裳:中原幸子
ヘアメイク:宮内宏明 
稽古ピアノ:久田菜美
演出助手:斎藤歩
舞台監督:幸光順平 鈴木拓
製作:ホリプロ/東宝

<キャスト>
市村正親:榎本健一 (エノケン)
松雪泰子:花島喜世子・榎本よしゑ (妻2役)
本田響矢:榎本鍈一 (息子)
小松利昌
斉藤 淳
三上市朗
豊原功補:菊谷榮(劇作家)

▶︎公式HP

Profile
1972年11月28日生まれ。2006年公開の映画『フラガール』では日本アカデミー賞の優秀主演女優賞を受賞。2008年公開の映画『デトロイト・メタル・シティ』と『容疑者Xの献身』の2作品で日本アカデミー賞優秀助演女優賞に輝く。ドラマや映画のみならず、舞台でも精力的に活動中。『無駄な抵抗』『カモメよ、そこから銀座は見えるか?』など様々な舞台に出演し、話題をさらっている。

撮影/大月和弘 衣裳/中原幸子 ヘアメイク/宮内宏明(ヘア)、中野明海(メイク) 取材・文/衛藤理絵

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