「天蚕糸」何と読む？ 釣り糸としても使われます｜絹との違いや用途、価格についても解説！

天蚕糸は、特別なシルクとして知られています。希少性と独特の光沢が特徴で、古くから高級織物に用いられてきました。そこで、この記事では「天蚕糸」の読み方や特徴、用途、価格について紹介していきます。

「天蚕糸」の読み方と意味、英語表現は？

まずは、気になる「天蚕糸」の読み方から確認していきましょう。

「天蚕糸」の読み方と意味

「天蚕糸」は、「てぐす」、「てんさんし」などと読みます。辞書では以下のように説明されています。

てぐす【天＝蚕＝糸】
テグスサンの幼虫の体内から絹糸腺（けんしせん）を取り出し、酸で処理して得た白色透明の糸。釣り糸に用いる。合成繊維のものにもいう。てんさんし。てぐすいと。てんぐす。

引用：『デジタル大辞泉』（小学館）

天蚕糸は、よく釣り糸にも用いられますね。

ちなみに、「天蚕糸（てんさんし）」と読む場合は、ヤママユガから採取した糸のことも指します。繊維が太く、黄緑色を帯び、丈夫で光沢のあるのが特徴です。

「天蚕糸」の英語表現

「天蚕糸（てぐす）」を英語にすると、“silken gut”と表記しますよ。特に釣り糸に用いる場合は、“silken gut for fishing lines”とします。

参考：『プログレッシブ和英中辞典』（小学館）

天蚕糸（てんさんし）の特徴と一般的な絹との違いは？

天蚕糸と絹には、どのような違いがあるのでしょうか？ 見ていきましょう。

一般的な絹との違い

まずは、絹の定義を辞書で確認しましょう。

きぬ【絹】
１ 蚕の繭からとった繊維。
２ 絹糸で織った織物。絹織物。

引用：『デジタル大辞泉』（小学館）

一般的な絹は、カイコガの幼虫が作る繭から採取される繊維で、光沢があり、しなやかな質感が特徴です。

一方、天蚕糸は、ヤママユガの繭から得られる日本原産の糸で、自然のままの淡い緑色の光沢を持ちます。これは、天蚕が成長する過程で食べるクヌギの葉の色素が影響しているためです。

また、天蚕糸はふんわりとしながらも、シワがつきにくい質の高さと希少性から「繊維のダイヤモンド」とも称されていますよ。

「天蚕糸」の用途とは？

「天蚕糸」は、その特性を生かしてさまざまな用途に利用されています。​

天蚕糸（てんさんし）の着物

ヤママユガから採取した天蚕糸は、高級着物の素材として使用されています。​天然の淡い緑色の光沢を持つ織物は、独特の風合いがあり、特別な場面で着る衣装として親しまれています。​

天蚕糸（てぐす）の釣り糸

天蚕糸は、かつて日本の伝統的な釣り糸として使われていました。​現在ではナイロンやPEラインが主流ですが、天蚕糸は適度な伸縮性と強度を持ち、特定の釣り方に適していたといわれています。​

天蚕糸（てんさんし）の価格と販売情報

高級着物の素材として知られる、天蚕糸。その希少性から、価格も特別なものになっています。どの程度の価格帯で取引されているのでしょうか？

天蚕糸の価格

天蚕糸は、その生産量の少なさと特有の光沢を持つことから、一般的な絹よりも高価です。100グラムあたり10万円ほどになるようですよ。

天蚕糸の購入方法

天蚕糸を使用した織物は、専門の着物店や伝統工芸品を扱う店舗で取り扱われています。また、天蚕糸の生産地として知られる地域では、直売所や展示販売会などで目にする機会もあるかもしれません。

近年では、一部のオンラインショップでも天蚕糸を用いた製品や天蚕糸そのものが販売されていますよ。

『龍が如く 維新！』に登場する「天蚕糸（てんさんし）」

人気ゲーム『龍が如く 維新！』の中で、「天蚕糸」というアイテムが登場することをご存じでしょうか？ どのように登場するのか見ていきましょう。

ゲーム内でのアイテムとしての「天蚕糸」

『龍が如く 維新！』では、天蚕糸が特定の武具を作成するための素材として登場していますよ。実際の天蚕糸とは用途が異なりますが、ゲーム内アイテムとして登場することで、言葉自体の認知度が高まっているのかもしれませんね。

最後に

天蚕糸（てんさんし）は、美しい光沢と強度を兼ね備えた希少な素材です。この記事を通じて、天蚕糸の特徴や価値について知るきっかけになれば幸いです。

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