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2025.03.13

生業(なりわい)とは生活を営むための仕事|職業や仕事との違い、使い方を解説

生業とは、生活を営むためにしている仕事のことです。一般的に「なりわい」と読みますが、「すぎわい」や「せいぎょう」といった呼び方があり、どれも間違いではありません。本記事では、生業の意味や使い方、類義語について解説します。

生業とは?

生業は、「なりわい」と読みます。「すぎわい」や「せいぎょう」  と読むこともあり、意味は同じです。似たような言葉に「職業」「仕事」がありますが、意味は異なります。

ここでは、生業の意味や「職業」「仕事」との違いを解説します。

生活を営むための仕事のこと

生業は、生活するための仕事という意味です。生業の「業」は「仕事」という意味があり、生業は「生きるための仕事」を表す言葉です。

生業という言葉は、もともと農業に由来しているといわれています。古い時代では生きるための仕事は農業であったため、農業や農作物を生業と呼んでいました。

生活をするための仕事は農業に限らなくなり、現代のような意味で使われるようになったようです。

生業は生活を営むために働く仕事のことですが、一般的に会社員には使われません。おもに自営業や専門職などに使われる傾向にあります。「私の生業は会社員です」という使い方はしない方がベターでしょう。

なり‐わい〔‐はひ〕
1 生活を営むための仕事。「小説を書くことを—とする」
2 五穀が実るようにつとめるわざ。農業。また、その作物。

出典:小学館 デジタル大辞泉

「職業」との違い

「職業」とは、生計を維持するために、人が日常従事する仕事のことです。この意味で、生業との違いはないといえるでしょう。

ただし、職業は社会的分業の成立している社会において、能力に応じた社会的役割を分担し、継続的に行い、かつ収入を得る活動という意味もあります。生業にはそのような意味合いはなく、その点では異なります。

パソコンとノート
(c)AdobeStock

「仕事」との違い

「仕事」には、生計を立てる手段として従事する事柄という意味があり、生業と共通しています。

しかし「仕事」にはそれだけではなく、「何かを作り出す、または、成し遂げるための行動」という意味も。この意味の「仕事」は「収入には直結しない作業」も含まれるため、その点は生業とは異なるといえます。

たとえば「生活のために仕事を増やしたい」というときの「仕事」は生業と同じ意味と考えられます。一方で「いつもよりもいい仕事ができた」「子どもは遊ぶことが仕事」といった文章で使う「仕事」は生業と言い換えられないといった具合です。

生業の使い方・例文

生業の使い方について、実際の例文を見ながら確認しましょう。

  • この地域は漁業が盛んで、多くの人が生業にしている
  • 彼の実家は3代前から旅館経営を生業としており、老舗として雑誌に掲載されたこともある
  • 生業として飲食店を経営してから、今年で10年になる
  • いつまでも親に頼っていないで、生業を見つけなければならない
  • 生業に励んだおかげで、彼は財産を築くことができた
  • 今は会社員をしているが、いずれは自分の得意分野を生業にしたいと考えている
  • 短期間のアルバイトで生活しているが、そろそろひとつの生業で落ち着きたいと思っている

生業の類義語・言い換え表現

生業には、次のような類義語や言い換え表現が挙げられます。

  • 稼業(かぎょう)
  • 商売(しょうばい)
  • 家業(かぎょう)
  • ビジネス

いずれも生業と似た言葉ですが、異なる意味合いも。違いを押さえて使い分けるとよいでしょう。

ここでは、生業の類義語や言い換え表現を解説します。

技術
(c) Adobe Stock

稼業

稼業は、生計を維持するための仕事という意味です。「稼」という漢字はお金を稼ぐことであり、収入を得る仕事という意味合いが強調されたニュアンスも。生業も生計を維持する仕事という意味ですが、「稼ぐ」という意味は強くありません。

稼業は「浮草稼業」や「裏稼業」など、ネガティブなニュアンスで使われることもあります。浮草稼業とは、浮草のように一定の場所に落ち着かない不安定な職業という意味です。

裏稼業とは、本業と平行して隠れて営む仕事であり、表沙汰にできない性質の仕事を指して使われることが多い言葉といえます。

〈例文〉

  • 今の仕事は浮草稼業で安定していないため、堅実な会社員になりたいと考えている
  • 彼はボランティアに力を入れていたが、そろそろ稼業に精を出さなければならないと考えている

商売

商売とは、利益をあげる目的で物を売買することです。収入を得る仕事という点で生業と似ていますが、生業よりも利益をあげる点が強調されている言葉といえるでしょう。

「商売繁盛」「商売道具」「客商売」など、商売を使った言葉は数多くあります。

〈例文〉

  • 彼は長年勤めた会社を辞め、自分で商売を始めようと決めた
  • 不景気にもかかわらず、あの店の商売は繁盛している

家業

家業とは、その家の生計を立てるための職業や、代々受け継がれてきた職業を表す言葉です。ファミリービジネスとも呼ばれます。

創業者一族が経営を行う会社は「同族会社」「同族経営」「オーナー企業」などと呼ばれ、日本では創業100年を超えて家業を営む老舗企業も少なくありません。

同じ発音の「稼業」とは意味が大きく異なるため、混同しないように注意しましょう。

〈例文〉

  • 彼は大学を卒業して一流企業に入社したが、将来は実家に戻って家業を継ごうと考えている
  • 実家の家業である小売店を引き継いだ彼女は、その才覚によりわずか数年で大規模な商業施設へと成長させた

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ビジネス

ビジネスとは、仕事や職業、事業、商売など幅広い分野を網羅する言葉です。ビジネスの意味は抽象度が高く、立場や経験、価値観などにより、ビジネスの定義はさまざまです。

経営者の視点からみたビジネスと、新入社員の視点からみたビジネスでは、まったく異なる意味合いになるかもしれません。

〈例文〉

  • ビジネス環境の変化は激しく、対応していくためには適切な戦略を立てなければならない
  • ビジネスで成功するためには、顧客のニーズを理解し、そのニーズに合った商品・サービスの提供が必要だ

生業の意味を正しく覚えよう

生業は生活するためにする仕事という意味で、「なりわい」のほか「せいぎょう」「すぎわい」という読み方もします。会社員には使わず、自営業や専門職に使う言葉です。

また、生業は「職業」や「仕事」とは意味合いが異なるため、どのような違いがあるのかを理解しておくとよいでしょう。

稼業や商売など複数の類義語がありますが、それぞれニュアンスや使う場面は異なります。あわせて意味を覚え、上手に使い分けましょう。

メイン・アイキャッチ画像:(c)Adobe Stock

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