言葉とは、歴史である。
突然ですが、どうしてケチのことをケチと言うかご存じですか？
…… そう言われると、うっと言葉に詰まらないでしょうか。
ケチって漢字でどう書くっけ？ え、そもそも日本語？
当たり前のように使っているのに、本質的な意味を聞かれると答えられない。
だから、言葉は歴史。「人の営みの歴史そのもの」なのです。
…… そう語るのは、言葉の起源や歴史をキュートなおネコさまの（たまに他の生きものたちも）写真とともに紹介する書籍、『この日本語、どこからきたニャン？ 語源図鑑』の著者でもある、猫野シモベさん。
何気なく使っている言葉も、その起源をたどると「え、そんな意味だったの!?」と驚くものも！
そこで、本書より気になるあの言葉の起源や歴史を解説！ 書籍より一部引用・再編集してお届けします。
時とともに意味が変わっていった言葉、「ちょろい」
▲画像／書籍より
意味：扱いやすい、簡単
用例「ちょろいトラップ」
ちょろいやつだぜ……。
扱いやすい、簡単にだませる、ゲームなどでは「倒しやすい敵」「攻略しやすい」などの意味で使われる言葉だ。
この「ちょろ」とは、何なんだろうか。
ちょろは、「ちょろちょろ動く」のように、小さいものがちょちょちょちょ……と動き回る様子をあらわした擬態語（オノマトペ）だ。
「うろちょろするな」、の「ちょろ」である。
転じて、ちょろいは対象を下に見たようなニュアンスのある意味になった。
「ちょろい」は江戸時代には使われ、当初は「値打ちがない」「生ぬるい」などの意味だった。
今でも「甘っちょろい」と言うように、同じ意味として使われている。
その後、時を経て「扱いやすい」といった意味も足されていき、現在のちょろいが誕生した。
＊＊＊
TOP画像／(c)Adobe Stock
『この日本語、どこからきたニャン？ 語源図鑑』（猫野シモベ／サンクチュアリ出版）
ニャるほど！言葉って人間の歴史だったのか！
「やばい」「あざとい」「めちゃくちゃ」「お疲れ」「ピンキリ」…… などなど普段なにげなく使っている言葉の語源が、かわいい猫の写真といっしょに、癒されながらまるわかり！
日本語の奥深さを味わいつくせる1冊です。
詳細はこちら
