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近年、「リファラル採用」という採用手法が注目されているのをご存知でしょうか？ 「今の職場にリファラル採用制度がある」という方もいらっしゃることでしょう。ですが、業界によってはなじみがなく、「初めて聞いた」ということもあるかもしれませんね。
そこで、この記事では、リファラル採用の概要や、成功事例、失敗事例、リファラル採用の注意点などを解説します。
リファラル採用とは？ 基本を知ろう
「リファラル採用」とは、どのような採用方法なのでしょうか？ まずは、基本をおさえておきましょう。
リファラル採用とは何か？
リファラル採用とは、社員などの紹介や推薦による採用活動のこと。人材紹介会社などを通さずに、人脈を活用して人を採用するという手法です。
リファラル採用の仕組みと一般的な流れ
リファラル採用の流れとして一般的なのは、社内で「こんな人材を募集します」というお知らせを出し、社員から紹介をしてもらうという流れです。人材紹介会社などは通さずに、社員が知人や元同僚などを紹介する仕組みというと、イメージしやすいかもしれませんね。
リファラル採用のメリットとデメリット
リファラル採用を導入したいと考えたとき、どんなメリットとデメリットがあるかを整理することがおすすめです。一般的なメリットとデメリットをみていきましょう。
リファラル採用のメリット
リファラル採用のメリットの一つが、採用コストを削減しやすいという点です。コスト削減成功の実例をみていきましょう。
あるスタートアップ企業では、採用の際、求人媒体や紹介会社に依頼しようにも、見積もり額が払える金額ではなく、途方に暮れていたと言います。そこで、リファラル採用を実施したところ、社員が推薦してくれた人が、無事に採用されることに。悩みの種だった採用コストを大幅に削減できました。
また、信頼性の高い候補者とつながりやすいというのも、リファラル採用のメリットです。あるIT系企業の事例をみていきましょう。
この会社は、エンジニアの採用に苦戦していました。特に、特殊なプログラミング言語に精通している人材を探していたため、かなり難航していたといいます。そこで、リファラル採用を導入し、現在在職している優秀なエンジニアに相談したところ、「条件に合いそうな知人がいる」いるとの回答が。そして、年収や条件などの交渉を重ね、見事採用が決定しました。
リファラル採用のデメリット
リファラル採用は、さまざまなメリットがある一方、デメリットもあります。特に、仲良しの人と一緒に働きたいだけの紹介が起きがちというのは、注意したいところ。会社内がだらけたムードになってしまい、元からいた社員との人間関係に悪影響があるケースもあります。
リファラル採用を行っている企業の事例
リファラル採用を行っている企業の実例には、どのようなものがあるのでしょうか？ リファラル採用は、成功することもあれば、トラブルに発展してしまうケースも。ここからは、成功事例と失敗事例を解説します。
リファラル採用の成功事例
リファラル採用に成功した企業の実例をみていきましょう。
ある会社では、経理のベテラン職員が突然退職することになり、困っていました。そこで、全社員にリファラル採用の実施を発表したところ、社員から「元同僚を紹介したい」と連絡が。紹介されたのは、実務経験がとても豊富な人で、人柄も柔和な人物でした。その後は、採用がとんとん拍子で決定し、現在も活躍してくれているといいます。
リファラル採用の失敗事例やトラブル
リファラル採用の失敗によって、思わぬトラブルに発展することも。ある人は、学生時代からの友人が失業して困っていると聞きました。そこで、助けたいあまりに、「とてもハイスキルな人物がいる」と言って自分の職場に紹介してしまったという経験があるそうです。
会社はそれを信じて採用しましたが、当然全くスキルが見合わず、人件費だけがかかってしまう結果になりました。
リファラル採用の報酬について
リファラル採用の報酬が気になるという方も多いのではないでしょうか？ また、違法になるケースなども、気になるポイントでしょう。ここからは、リファラル採用の報酬について解説します。
リファラル採用における報酬の仕組み
リファラル採用の報酬の仕組みとして一般的なのは、採用が成功した際、紹介してくれた社員に一定の金銭を賃金として支払う方法です。
報酬の相場と法律的観点
リファラル採用の報酬の相場も気になるところですよね。もちろん、企業や採用する人材の種類によってもさまざまですので、一概に「報酬は○○円」と言うことは難しいところです。
ただ、あまりにも高額な報酬は、その報酬目当てに人の紹介を行ってしまう人も出てくるでしょう。このようなケースは、法律上問題になる可能性がありますよ。一般的には、紹介した人の年収の3割未満におさえるケースが多いようです。
報酬の種類や税金について
リファラル採用の報酬の種類は、「採用紹介手当」や、「採用協力手当」など、呼び方はさまざまで、特に名称の決まりはありません。ただ、会社から社員へ支払う金銭は、名称がなんであれ、税金にも関わってきます。独断は避け、税理士や税務署へ相談をするようにしましょう。
リファラル採用を成功させるためのヒント
リファラル採用は、どうすれば成功しやすいのでしょうか？ 「流行っているからやってみる」という考えでは、思わぬトラブルになることも。ここからは、成功のためのヒントをみていきましょう。
リファラル採用を効果的に活用するための具体的なステップ
リファラル採用を効果的にするには、次のようなステップを踏むことがおすすめですよ。
1：リファラル採用の目的や、求める人物像、スキル、採用想定人数などを明確にする
2：リファラル採用の報酬や、選考方法などの具体的な制度を作る
3：リファラル採用を会社内で周知し、実施する
なるべく見切り発車はせず、順序だてて準備するようにしてみてくださいね。
リファラルネットワークの構築方法
リファラル採用のための、ネットワークづくりはどのようなものがあるのでしょうか？ まず、スタートアップ企業などに多い、カジュアルに参加できる勉強会や、パーティー形式のイベントが参考になるでしょう。知人や元同僚などを、気軽に誘えるイベントを開催することで、リファラルネットワークを作りやすくなりますよ。
信頼関係の築き方と実践的なアドバイス
まずは、会社と候補者が対等な雰囲気で対話することが重要です。いきなり、「前職の経歴や保有資格は？」などの、堅い採用面接のような質問は避けた方が良いでしょう。
また、初対面で相手を値踏みしているような態度を取ると、その後の信頼関係を築くのは難しいかもしれません。まずは、お互いの「対話」を意識するのがおすすめです。
最後に
この記事では、リファラル採用の概要や成功事例、失敗事例、リファラル採用の報酬の注意点などを解説しました。近年話題のキーワードですので、ぜひチェックしてみてくださいね。
TOP画像／(c) Adobe Stock
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塚原美彩（つかはらみさ） 塚原社会保険労務士事務所代表
行政機関にて健康保険や厚生年金、労働基準法に関する業務を経験。2016年社会保険労務士資格を取得後、企業の人事労務コンサルの傍ら、ポジティブ心理学をベースとした研修講師としても活動中。HP：塚原社会保険労務士事務所 ライター所属：京都メディアライン
