コーヒーはずっと“ブレンド一択”のあなたへ
基本的にコーヒーは好き。カフェでコーヒーを飲むことも、コンビニでコーヒーを買うことも、自分で豆を買ってきて淹れることもある。でも、コーヒーの銘柄を見ても、それがどんな味がするのかほとんど区別がつかない。飲むのは結局「いつものブレンド」一択……そんな人も多いのでは。
でも、コーヒーの味の違いがわかったら、いまよりおいしく淹れられたら…… きっと1杯のコーヒーを飲む時間がもっと楽しくなるはず!
ー-そう語るのは、会社員からいきなりコーヒーの世界チャンピオンになり、今は「コーヒーの伝道師」をつとめる粕谷哲さん。
そこで、粕谷哲さんの著書であり、“コーヒー”という身近なようでいて実はよくわからない存在を、わからない人目線でわかるように解説した「コーヒーのことがなんとなくわかった気になる」コーヒーの入門書『図解 コーヒー一年生』(サンクチュアリ出版)から、コーヒーの選び方や、自宅でおいしく淹れるコツを解説!
全10回にわたって、書籍より一部引用・再編集してお届けします。
前回の記事>>「ブレンドください」から脱却! 自分好みのコーヒー産地の見つけ方
できるだけ「アラビカ種100%」を選ぶ!
日常使いできる安い豆の中から、なるべくおいしい豆を選びたい。でもいざコーヒー店に入ってみると、いくら考えてもわからないし、店員さんを待たせるのも悪いから、結局「店員さんのおすすめ」か「お店のおすすめ」のブレンドを選んでしまう。そういう人も多いのではないでしょか。
そこでまずはスーパーのコーヒー売り場に行って、物色してみてください。ここで「コーヒーを選ぶ」という練習をしてみましょう。
おそらくスーパーはコーヒー豆を一番安く買える場所で、100グラムでいうと100〜300円(1杯10〜30円くらい)の価格帯のものが大半だと思います。
そして店頭では、だいたいこういう商品ラインナップが展開されていることでしょう。
1. レギュラーコーヒー(豆か粉)
2. ドリップコーヒー
3. アイスコーヒー用
4. フレーバーコーヒー
5. インスタントコーヒー
「レギュラーコーヒー」の中にも、「産地」が書かれたコーヒーがあります。産地さえ書かれていれば少しは味の想像がつくはずなのですが、ほとんどのコーヒーは「ブレンド」されています。
ブレンドとは2種類以上の豆を混ぜたコーヒーのことで、基本的には「複数の国の豆同士を混ぜ合わせたもの」になります。
その目的は「相乗効果を生み出すため」という場合も、「コーヒー豆の弱点を隠すため」という場合もあり、両者を明確に区別することは難しいのですが、スーパーで安価に売られている豆の多くは「コーヒー豆の弱点を隠すため」のブレンドだと言えます。
さらにスーパーに置いてあるブレンドには、よく「ロブスタ種」という豆が混ざっています。
このロブスタ種は独特の雑味があり、香りが少ないのですが、味がしっかりしているため「かさ増し」によく使われるものです。インスタントコーヒーや缶コーヒーには、ほとんどこのロブスタ種が使われています。
ロブスタ種のおかげでコーヒーの価格は安定的に下がるのですが、はっきり言ってしまえば、コーヒーの味はするもののあまり「おいしい」ものではありません。
ちなみに世界最大のロブスタ種の生産国であるベトナムでも、ロブスタ種のコーヒーをそのまま飲むことはせず、コンデンスミルクなどを混ぜて飲みます。これがベトナムコーヒーと呼ばれます。
一方で、味が繊細で、ほどよい苦さや酸味があり、香りに奥行きがあるおいしい豆は、すべて「アラビカ種」に分類されます。
だから「コーヒーを楽しめる人」になるためのはじめの一歩は、「アラビカ種100%の豆」か、「ロブスタ種が混ざった豆」かを区別することです。
*
次回は、安いコーヒーを最高においしく淹れる方法について解説していきます。
***
TOP画像/(c)Adobe Stock
『図解 コーヒー一年生』粕谷哲(著) 山田コロ(イラスト)/サンクチュアリ出版
長年、毎日コーヒーを飲んでいる。外ではブラックコーヒー、家でも自分でコーヒーを淹れて飲むくらい。でも飲むのは結局「いつものブレンド」一択。
なぜなら、それ以外になにを選べばいいのか、全然よくわからないから。(…でも、本当はもうちょっとコーヒーに詳しくなりたいかも)
そういう人のためにこの本は生まれました。
どうしたら「コーヒーの違い」を楽しめる人間になれるのか。
下町の人気バリスタが、ゆるいマンガと図解を使って、これでもかというほどわかりやすく解説していきます。
この本を読めば、
★スーパー、コーヒー量販店、コーヒー専門店、どこでも、
パッケージを見て、“なんとなく“コーヒーを選べるようになる。
★ブラジル、グアテマラ、エチオピア……など、
産地を見れば、“なんとなく“味の想像がつくようになる。
★豆のレベルに合わせて、一番かんたんに、
“なんとなく“おいしく淹れる方法がわかる。
ようになることをお約束します。