連載「Road to 役員 ~働く私たちが先輩に聞きたいこと~」vol.2:アヲハタ株式会社取締役 藤原かおりさん
大企業の中で役員、取締役など責任ある立場で働く女性の方にインタビューする連載「Road to 役員 ~働く私たちが先輩に聞きたいこと~」。今後さらにキャリアアップしたい、上を目指したいと考えるOggi世代のロールモデルとなるような女性たちにお話を伺います。
第2回は、国内シェアトップのジャムブランドとして誰もが知る「アヲハタ」で取締役を務める藤原かおりさんが登場。
受けたサポートを次の世代へ。私が新たな女性リーダーを支えたい理由/アヲハタ株式会社取締役 藤原かおりさん
インタビュー後編では、藤原さんの愛用グッズや好きなファッション、さらに10年ぶりの単身生活を送る広島での過ごし方など、プライベートについてお伺いします。
目標に近づくコツは「理想を書き、今の自分との差を意識する」こと
Oggi 編集部(以下同)――将来、役員を目指すにしても、他の目標を達成するにしても、Oggi読者が30代の今しておいた方が良いことは何でしょうか?
藤原かおりさん(以下敬称略):仕事だけではなくプライベートも含め、10年後の自分のライフプランを具体的に描くことをおすすめします。30代なら40代になったとき、どんな仕事や家庭生活を送りたいか、出産や子育てをどうしたいか、子育てしているとしたら仕事はどうなっているといいか、といったことを具体的に考えてみてください。考えるときは楽しく、がポイントです!
私は以前、仕事は「食のマーケティングの第一人者になる」、プライベートは「優しい夫と子どもに囲まれて…」なんて目標や理想を描いていましたが、実際には子どもはいませんし、すべてがその通りになったわけではありません。でも仕事に関しては42歳でベストマーケッター賞をいただくことができましたし、かなり目標と近い自分にはなれたのでないかと思っています。
――ただ思い描くだけで大丈夫ですか?
藤原:思い描いたら、実際に書いてみてください。私はいつも持ち歩く手帳に書いて、常に目標を意識できるようにときどき見返しています。
――藤原さんは30代で「食のマーケティングの第一人者になる」という目標を立てたと仰いましたが、書くことで、日々の仕事を頑張れた感じですか?
藤原:食のマーケティングのプロを目指すと決めたとき、当時の自分とはかけ離れていることを意識せざるをえませんでした。そうすると、「今の自分はここにいる」と考えながら、第一線で活躍している人たちが何をしているのかを学び、自分もそうなるためには何をすべきかを考えるようになります。
たくさん勉強したし、人のまねっこもしましたね。目標と現在の自分のギャップを意識しながら行動することで、目標達成のスピードが速まるのではないかと思います。
華やかさをプラスする洋服とアクセサリー選び
――バッグには手帳のほかにどんなものを入れているのですか?
藤原:エアポッズ、名刺入れ、ポーチ、日傘…あと、最近はリカバリーウエアを持ち歩いています!
夏は冷房が効きすぎて寒いことがありますよね。そんなときに肩やひざに掛けたり、ポンチョみたいに着たりしています。
この前なんか、二日酔いで目が覚めたときに頭からかぶったら、なんと治ったんです(笑)。もちろんそんな効能が書かれているわけじゃないんですが、私にとっては常に体調を整えてくれる万能クロスです。
――白いバッグや柔らかな色合いのアクセサリーが素敵ですね。
藤原:普段はアディダス バイ ステラ マッカートニーのリュックを使うことが多いのですが、夏だから白もいいかなと思って、よく靴を買うブランドで偶然見つけてから愛用しています。
白いバッグもそうですが、優しい色や華やかなデザインのネックレスなどをつけると、顔周りが明るくなるので好きですね。夏場は傷みやすいのであまりつけませんが、冬になると母から譲り受けた大ぶりのパールのネックレスやストールなどをよく身に着けます。
――お洋服もカラフルですね!
藤原:フルーツの会社だからなのか、植物や自然のものが描かれた服を選ぶことが多くなったような気がします(笑)。服はほとんど、東京・中目黒のセレクトショップ「minamo」で購入しています。
広島の魅力にどっぷり浸かり、新たな価値観を得ています
――今、ご主人とは離れて本社のある広島で単身生活を送っているとお聞きしました。
藤原:東京でも仕事があるので、行ったり来たりはしていますが、広島は本当にいいところなんですよ。瀬戸内海の美しい景色を見ながら通勤すると、とても穏やかな気持ちになったり…。
これまで東京が一番だと思っていましたが、広島に来てから価値観が変わりましたね。二拠点生活をする人の気持ちがよくわかるようになりました。
――普段の食生活で何か気をつけていることはありますか?
藤原:野菜や果物を積極的に摂取するよう心がけています。特に生の野菜を食べると次の日の体調が良くなるため、広島産の多種多様な柑橘類を使って、オリーブオイルと塩で味付けすることが多いです。
最近、尾道のホテルLOGで購入した「とまと酢」も美味しく、お気に入りです。また、キユーピーの「芳醇 Riche Fermenter 赤ワインビネガー」は料理家にも喜ばれるほどの逸品なので、かなりおすすめですよ。
――尾道へは、プライベートで行かれたのですか?
藤原:はい。 電動自転車を購入したので、休日には遠くまでサイクリングに出かけたり、食のイベントに参加したりと、アクティブに過ごしています。広島に来てまだ1年も経っていないので、旅行気分が強いのかもしれません。
――旅行はお好きですか? もし1か月の休暇が取れるとしたら、どこに行きたいとお考えでしょうか。
藤原:何度も訪れて一番気に入っているイタリアのシチリア島に行きたいです。料理はおいしいし、景色も素晴らしい。山も海もあり、文化も豊かで、長期間いても飽きることがありません。コロナ禍で海外に行けていなかったので、今想像すると、ますます行きたくなりますね!
――会社を引退した後のことについて考えたりしますか?
藤原:引退後には、まだ行ったことのない海外のいろんな場所に行ってみたいですね。マチュピチュやウユニ塩湖など、1週間程度の夏休みや冬休みではなかなか訪れづらい場所に行けたらいいなと思っています。
撮影/五十嵐美弥 取材・文/篠原亜由美