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LIFESTYLE

2024.07.04

【作家・岸田奈美さんが答える! 働く女性のお悩み相談】仕事でイヤな思いをしたら、これを読んで

2024年5月に最新エッセイ『国道沿いで、だいじょうぶ100回』を発売した岸田奈美さん。第1弾エッセイ『族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』のドラマ化は、7月からNHK総合で放送開始に。トラブルはありつつも絶好調(?)の岸田さんが、Oggi世代のお悩みに答えます!

【お悩み1】マネージャー職になったのはいいけれど、部下に年上がいてやりにくい…。指示するといつもキッと敵意を向けられます。

それは敵意ではなく「おびえ」の表れ。受け入れることから始めましょう(岸田さん)

年上の部下は、仕事のできるあなたに「おびえて」いるんだと思います。イヤな感じを出してくるのは、悪意でも敵意でもありません。だから、あなたのほうから話を聞いてあげて、受け入れて、よしよし…くらいの懐の深さでいきましょう。名付けて「ムツゴロウ作戦」です。

それでもキツく当たられるようだったら、挨拶だけめっちゃ元気にやってみるのはどうでしょう。これ、案外効果的です。うちの弟はダウン症で、初めての場所では、周囲の人がどう配慮したらいいか困ってしまうことも多くあります。そこで母が編み出したのが、「挨拶だけは元気にやる」。元気に挨拶してくる人のことを誰も嫌いにはなれないですし、その場の空気を変えますからね。

もうひとつの方法としては、あなたがとにかく淡々と「やるべきことをやる」。気まずいとか言いにくいとか、そんなことは置いておいて、訓練だと思ってやるしかありません。案外仕事はそのほうがうまく進むかもしれませんよ。

【お悩み2】結婚予定の彼がいます。はっきりは言わないけれど、私に仕事を控えてほしそうな気配。どうするべき?

解決を急ぐより、その奥にある彼の不安に耳を傾けて(岸田さん)

ひとつめのお悩みと同様、これも相手の「おびえ」ではないでしょうか。彼は気づいていないかもしれないけど、自分より仕事ができて、求められて、稼ぐ妻になることを、怖いと思っているのかも。でも、人はそういう本音は言わないものです。だから、「仕事を控えてほしい」というアピールになっちゃうんだと思います。

だから本当に彼が言いたいのは、「俺の不安をわかってほしい」だと捉えましょう。仕事を減らすかどうかの議論は置いといて、なんなら一旦は忘れて、彼の不安は何か考えながら日常生活を送っていく。すると、なにかしら彼の本心が見えてくるもの。

自分に余雄がないときは、無理に何か解決・決断しようと急がないほうがいいです。それより、根本の問題に目を向けてみることで、徐々に解決に向かっていくのではないでしょうか。ただし、それには時間がかかるので、焦らず「いつか(問題が)見つかったら」くらいでいい。そしてあなたはそのまま仕事を続けていっていいと思います。

【お悩み3】いつか文章を書く仕事をしたいです。何から始めたらいい?

「やりたいこと」と「得意なこと」を掛け合わせたところに仕事が始まる(岸田さん)

まずは、書くことで何をしたいのか、突き詰めて考えてみてください。お金を稼ぎたいのか、文章を書くことで自分が救われたいのか、多くの人に自分を知ってほしいのか、あるいは誰かを喜ばせたいのか…。と同時に、ぜひ自分の得意なことも考えてみてください。

私の場合、書くことで自分を俯瞰し、救いたいという思いがあります。そして愛おしい家族のことを多くの人にわかってほしい、というのがやりたいこと。得意なことは、読みやすい文章を書くことです。そして、仕事は「やりたいこと」と「得意なこと」を掛け合わせたところにあるのです。

一方で、読み手側のことを考えると、SNSをはじめ情報があふれ、読むことに疲れているのを感じます。だからこそ、「読みやすい文章」はとても大事。それも、どこに載せるかで、読みやすい文章のリズムやスタイルは変わってきます。

私のnoteでの投稿でいえば、改行を多くして、スマホで読みやすいように心がけます。最近始めたTikTokでは、とにかく短い文で、結論を先に書きます。文章を載せるTikTokは珍しいですけれど、これが意外とバズっているんです。ぜひ、あなたが読みやすいと感じる文章をジーっと眺めて、区切りや改行の位置、文章のリズムや呼吸を感じることから始めてみてください。

【お悩み4】フリーになってから、休むことが不安でつい働き続けてしまいます。

恐れることはなし! 休むことで、あなたの仕事は絶対によくなります!(岸田さん)

休業日をつくることは、お仕事のうちです! 罪悪感を感じる必要はありません! 確固たる意思をもって休み、罪悪感が押し寄せてきたらざーっと流して、「休んでるんだ、自分は」と言い聞かせてください。

フリーランスは、誰からも休むように言われないし、自分で自分を刺激し続けないといけないですよね。刺激は仕事の頭を動かすけれど、これが続くとマンネリ化してしまいます。一方で、心が動いたり新しいことがすっと入ってくるのは、休んでいるとき。だから、休むことで仕事の質は絶対によくなるはずです。

そういう私も、4年ぶりにまるまる1週間の休暇をとりました。そこで気づいたのは、「私が休むと困る人がいる」は、思い込みだったということ。休んでいても仕事はなんとかなるし、私が働くことで頑張りたい人のチャンスを奪っているかもしれないと気づきました。家の中も同じで、おかんが1年入院したことで家族それぞれの成長がありました。私は料理を覚え、弟はひとりで買い物に行けるように。休んだ人の周囲は、それを補おうと再生能力、成長力が確実につきます。

それでも無理だったら、『心療内科医が教える本当の休み方』(アスコム)という本を読んでみてください。おすすめですよ。

>岸田さんのさらなるお悩み相談は、Web Domaniにも! こちらでご覧ください。

岸田奈美さんの最新エッセイ『国道沿いで、だいじょうぶ100回』大ヒット中!
「仕事でイヤな思いをしたとき」に開きたい、読むサプリメント

「だれでも、仕事をしながら嫌な思い・悔しい思いをすることはたくさんあるでしょう。辛さや悲しみ、怒りもあるでしょう。もちろん、私も。

でも、イヤだと思う相手を理解しようとしてみると、現状が思わぬ方向に動くことがあるんです。だから、自分が幸せに生きていくためにも、相手の懐に入って巻き込んでいく。…とはいえ、毎日忙しく働いていたら、そんな余裕はないと思うので、みなさんの代わりに私がやりました。っていうのが、この最新エッセイです。読めば、幸せな視点がひとつ増えますよ」

>新著『国道沿いで、だいじょうぶ100回』(小学館)の詳細はこちら

▲1作目の『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』は、ドラマ化され、2作目の『傘のさし方がわからない』は、朝日新聞「天声人語」で紹介(2024年3月7日)されるなど、数々の話題をつくった伝説のシリーズ。3作目の『国道沿いで、だいじょうぶ100回』は、この2年半にnoteに書かれた膨大な数のエッセイの中から、岸田奈美さんとともに選んだ傑作ぞろい。

○岸田奈美さんの第一弾エッセイ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』原作のドラマが、2024年7月9日放送スタート! 毎週火曜午後10時~(NHK総合・全10話)。
岸田さんが語るドラマの魅力はこちらの記事でご覧ください!

作家
岸田奈美
きしだ・なみ/1991年生まれ、神戸市出身。家族構成は、下半身麻痺で車いすユーザーの母(ひろ実)と、生まれつきダウン症で知的障害のある弟(良太)。2020年9月に初著書『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』が大ヒット。ABCテレビ「newsおかえり」木曜レギュラー、関西大学客員教授。
Note:岸田奈美のnote
公式X:@namikishida


撮影/五十嵐美弥 構成/南 ゆかり

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