TOEIC®の問題構成
試験勉強の第一歩は、試験の特徴を把握することです。TOEIC では、約2時間の試験時間の中でリーディングとリスニングを合わせて200問が出題されます。マークシート方式となっており、問題文も含めてすべて英文のみで書かれています
ではここで問題の特徴と攻略法について見ていきましょう。
リスニング問題の対策
リスニング問題の最大の難点は、どの問題も1回しか放送されないことです。そのため、問題の内容をあらかじめ把握し、集中して放送を聞き取れるように準備しておくことが重要となります。
1.写真描写問題(時間:約4分30秒)
1枚の写真について最も適切に描写している選択肢をA~ Dからひとつ選ぶ形式です。まず、問題文に表示されている写真を読み取るときのポイントですが、問題では、人物の動作や特徴、物の位置関係が主に問われるため、以下のことを念頭に写真を見るといいでしょう。
Point
・人物だけでなく、周囲の状況にも注意
・ 複数の人物が写真に写っている場合、共通の動作や個々の動作の両方に注意
次に、実際に音声を聞き取るときのポイントですが、単語より、文全体の意味を把握することが正解につながるため、普段から練習が欠かせません。
Point
・ 写真にない名詞が流れた選択肢はひっかけの可能性が高い
・受け身の文が正解になることがよくある
2.応答問題(時間:8分)
音声を聞いて、ひとつの質問に対して最も適切な応答をA~ Cから選ぶ形式です。この問題の鍵は、選択肢を吟味することです。以下のようなことを念頭に選択肢を選びましょう。
Point
・ Yes/Noの直接的な応答ではない選択肢が正解の場合がある
・ 質問に対して、質問で返したり答えがわからないことを示唆したりする文、感想、意見を答える文が正解になりやすい
3.会話問題(時間:18分)
2~3人の会話を聞いて、3つの質問に対する適切な選択肢をA~Dから選ぶ形式です。ここでは、オフィスや電話などでの会話から、その会話の目的や、時間・金額・人物の行動など会話の内容が問われます。さらに、図表を読み取る問題も出題されます。リスニングが続いて疲れる時間帯ですが、音声を聞き取る上でのポイントを紹介します。
Point
・ 言い換え表現が正解になりやすい(「worry → concern」「imply → mean」「performance → achievement」など)
・ 1人目の最初の発言に注意(1問目のヒントが隠れている場合が多い)
・ 会話の流れやキーワードを聞き取る
4.説明文問題(時間:15分)
1人の話を聞いて、3つの質問に対して適切な選択肢をA ~ Dから選ぶ形式です。アナウンスや留守番電話、講義やガイドのスピーチ、ラジオ放送が出題されます。音声が比較的長くて単調なので、放送の場面を把握して音声を聞き取ることが大切です。
Point
・ 話の流れをつかむこと。テーマの導入は序盤、過去の行動は中盤、未来の行動は後半にある場合が多い
・ 選択肢は言い換え表現になっていることが多いため、選択肢の単語に惑わされない
リーディング問題の対策
リーディングでは、文章を読んですばやく解答するスピードが重要になります。ここでは、リーディングの各セクションにおけるポイントを紹介します。
1.短文穴埋め問題(目標時間:5~7分)
短文の空所に入る適切な語句をA ~ Dから選ぶ形式です。この問題では、単語や文法が問われます。なるべく短時間で解きたいところですが、焦って速く解きすぎてミスが発生しないようにしましょう。
2.長文穴埋め問題(目標時間:7~9分)
文章にある4つの空所に当てはまる適切な語句や文をA~Dから選ぶ形式です。ここでは、主にパンフレットやメール、記事が問題文に使用されます。文脈を正確に把握することが大切です。
Point
・代名詞、接続詞、つなぎ言葉がヒント
・動詞は、数や時制に注意して選択
3.長文読解問題(目標時間:50~55分)
1つの文章(シングルパッセージ)、または複数の文章(ダブルパッセージ・トリプルパッセージ)を読み、2~5問の質問に対してそれぞれ適切な選択肢をA~Dから選ぶ形式です。こちらの問題も、記事やパンフレット、広告、テキスト、メールが題材として使用されます。
以下のことを意識して解いていきましょう。
Point
・ 文章を読む前に問題に目を通す(選択肢まで確認する必要はない)
・ 文挿入問題は、本文を読み始める前に挿入文を読んでおく
・ 文章を各挿入候補箇所に入れてみて文脈を確認
・ 代名詞やつなぎ言葉をヒントにする
・ 複数の文章を読み解く問題は、ひっかけ問題が多い
・ 人数や割引など、文章の欄外に書いてある情報にも注意
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TOP画像/(c)Adobe Stock
著者 東大カルペ・ディエム( トウダイカルペディエム)
2020年6月、西岡壱誠を代表として株式会社カルペ・ディエムを設立。西岡を中心に、家庭の事情で週3日バイトしながら合格した人や地方公立高校で東大模試1位になった人など、多くの「逆転合格」を果たした現役東大生が集い、日々教育業界の革新のために活動中。毎年200人以上の東大生を調査し、多くの画期的な勉強法を生み出している。そのほか「アカデミックマインド育成講座」と題した教育プログラムを中心に、全国20校以上でワークショップや講演会を実施。
年間1000人以上の学生に勉強法を教えている。
監修 西岡壱誠(にしおか・いっせい)
現役東大生。1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。特に英語は高校3年生時点では全国模試3/100で偏差値は26.9だった。
崖っぷちの状況で開発した勉強法で特に苦手な英語を強化し、偏差値70、東大模試で全国4位になり、早稲田大学国際教養学部と東京大学文科2類に合格を果たす。
そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、在学中の2020年に株式会社カルペ・ディエム(https://carpe-di-em.jp/)を設立、代表に就任。全国25の学校でワークショップを実施、高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。TOEFL iBT89点。英検準1級。