【スタイリストが解説】股下とは?
パンツ選びや、自分のサイズに合わせてパンツをオーダーするときに必要となる股下。まずは、その正しい測り方をスタイリスト・城長さくらさんに教えていただきます。
股下はどこからどこまで?
「股下とは、股の十字の縫い目から裾の端までの長さのことを言います」(スタイリスト・城長さくらさん 以下「」同)
股下の測り方
自分の体を直接測る方法と、サイズの合う服を使って測る方法、それぞれ見ていきましょう。
【自分の体を測る場合】
自分の体を使ってひとりで測る場合の計測方法から見ていきましょう。ひとりで測るのは大変そうですが、この方法なら簡単かつ正確に測ることができますよ。
STEP1.裸足で壁に向かって立ち、つま先を壁にくっつける。
STEP2.脚の間に、雑誌や下敷きなど、薄い長方形のものを横向き(長辺が下)にして挟み、脚の付け根まで引き上げる。
STEP3.脚に挟んだ雑誌などの短い辺を壁にピタッと押し当てる。
STEP4.押し当てた雑誌のいちばん上に付箋などで印をつけ、床から付箋までをメジャーや定規で測る。
【平置きで測る場合】
「前身頃と後身頃が縫い合わさっている十字の中心を基点とし、裾まで縫い目をたどって測ります。直線ではなくパンツの縫い目に沿わせて測るのがポイントですね」
十字の基点から裾までを直線距離で測ると、実際の股下より丈が短めになってしまうので、注意が必要です。
自分の体で測る場合と衣類で測る場合では股下の長さに差が生じる
実際に人の体で測る場合、起点から床までの距離を測りますが、パンツで測る場合は、起点から裾までを測ります。ほとんどのパンツが床まで丈がないため、必然的に数㎝の差が生まれます。フルレングスパンツでも足のくるぶしが隠れるくらいの長さが一般的。そのため、くるぶしから踵の下までの長さ分の差が生じるわけです。
また、多くのパンツははきやすさやデザイン的にややゆとりをもって設計されています。そのため、起点となる股の位置にも差が出てきます。スキニーパンツのようにフィット感のあるタイプは、人体の股ぐりの位置に近い一方、ワイドパンツやリラックスパンツはゆとりが多めに取られているため、その分股ぐりの位置が離れる傾向にあります。
ですから、股下の起点や終点の位置は、パンツのデザインによって変わると覚えておきましょう。
股下比率の計算方法
股下が長い=スタイルがよいという単純な話でもありません。なぜなら、身長が高い人は身長が低い人より股下が長くなるのは当然。大切なのは身長と股下のバランスです。そのバランスを測るのが股下比率。身長に対する脚の長さを示す数値です。その気になる計算方法はこちら!
股下比率=股下÷身長×100
股下比率の数値が高ければそれだけ脚が長く、数値が低ければ短いということ。ただし、あくまで目安となる数値なのでこだわりすぎる必要はありません。
日本人の「股下」平均値
日本人の平均値は、男性が約45%、女性が約44%と言われています。ただし、この数値も身長によって変わってくるので、大体の目安の値と捉えてください。
ファッションで脚をすっきり長く見せるポイント
脚を実際に長くするのは難しいですが、ファッションで全身バランスを整え、脚をすっきり見せることは可能。そこで、コーディネートやアイテム選びでスタイルアップする方法についても、教えてもらいました。
POINT1.クロップド丈トップス×ハイウエストボトムでバランスよく
「トレンドのシルエットで若い層を筆頭によく見かける、脚長シルエット。胴を短く、脚の面積を多くする事で脚長に見えます」
POINT2.センタープレスパンツで脚長に
「脚の中心にセンタープレスで直線ラインをつくることで、脚をまっすぐ見せることができます。タック×センタープレスの合わせ技なら、ウエスト下からすぐにIラインをつくることができますよ」
POINT3.ボトムと靴の色を繋げる
「ボトムと靴の色を一緒にして繋げると、靴を脚の一部のように見せることができます。そのため、下半身の割合が高くなります。ボトムと靴の間に隙間ができる場合は、同色の靴下やタイツでつなげるのも手。まったく同じ色でなく、同系色でもかまいません。ボトムと靴を色でスパッと切らないよう心がけましょう」
POINT4.タックワイドパンツ×厚底靴
「タックワイドパンツのタックでウエストまわりをすっきりと、裾に向かって広がるシルエットで脚長効果を狙いましょう。加えて厚底タイプの靴を選べば、必然的に脚長に!」
秋のマスト買いボトムは、センタープレス入りラップデザインパンツ!
POINT5.スリット入りパンツでIラインを強調
「フロントにスリットが入っていると縦長ラインが強調されるため、どんなトップスや靴を合わせても脚がすっきり! ワンピースにレイヤードして、パンツをチラッと見せるだけでも効果的です」
最後に
股下の正しい測り方をご紹介しました。スタイルアップにはサイズの合ったボトム選びが重要なので、正確な測り方はぜひマスターしたいもの。また、ファッションで全身バランスを調整することもできるので、今回ご紹介したノウハウを普段から少し意識してみてください。
TOP画像/(c)Adobe Stock
監修者:スタイリスト 城長さくら
スタイリスト・望月律子氏に師事し、独立。シンプルなアイテムを色やシルエットの組み合わせでおしゃれに味つけするスタイリングで人気上昇中! 現在は『Oggi』などの女性誌や広告、カタログなどで活躍の場を広げている。Instagram(@shiroosa)では日々のスタイリングを公開中。おしゃれのヒントが詰まった投稿はどれも見逃せない。