【スタイリストが解説】わたり幅とは?
パンツのサイズ表記でよく目にする「わたり幅」。「わたり幅」とは一体どこからどこまでを指し、どのように測るのか、スタイリスト・城長さくらさんに教えていただきます。
「わたり幅」の測り方
「わたり幅とは、内股の合わせ部分からももの外側までの直線距離のことを指します。パンツのわたり幅を測るときは、平らな場所に置いてしっかりシワを伸ばし、メジャーや定規を使って平面で測るのがポイント」(スタイリスト・城長さくらさん 以下「」同)
「わたり幅」と「わたり周り」の違い
「わたり幅は、ももの付け根の幅のこと。ももをぐるっと1周した長さのことは『わたり周り』と言います。わたり幅はわたり周りの約半分の数値と考えるのが良いでしょう」
「わたり幅」からわかること
「ワイドパンツであれば、ゆるさの度合い、スキニーパンツであればどのサイズが自分の体型にあっているかを試着する前に知ることができます。ハイウエストではくのか、腰で落としてはくのかにもよりますが、スキニーパンツはわたり幅が大体45〜50㎝くらい。トレンドのゆるくはくタックパンツは、わたり幅60〜65くらい。それ以上だとかなりゆとりがあるので、ワイドパンツの部類に入ります」
【パンツのサイズ選び】ここもチェック!
わたり幅やS .M.Lといったサイズ表記に加え、実際に試着した際に確認したいポイントをご紹介。全身鏡でしっかりチェックしましょう。
CHECK1:太もも部分にシワが寄っていないか?
「きれいめパンツを選ぶときに注意したいポイントです。シワが寄っている=どこかしらのサイズがあっていないということなので、気になるようであればサイズアップを!」
CHECK2:サイドポケットが開いていないか?
「骨盤まわりのサイズが合っていないと、ポケットが広がって開いてしまうことがあります。ポケットの口が開いていたら、サイズチェンジもしくはアイテムチェンジを検討しましょう」
CHECK3:まずウエストの位置を決める!
「最近はゆるっとはくパンツが増えているので、ハイウエストなのかジャストウエストなのかローウエストなのか、まずウエスト位置を決めてから他の位置のサイズが合っているのか確認するのがおすすめです」
CHECK4:姿見で後ろ姿を必ずチェック
「後ろ姿って、試着の時以外なかなか見ることがないもの。だからこそ、買う前にじっくり確認してほしいところ。後ろポケットやステッチの入りかたでお尻が大きく見えてしまったり、垂れて見えてしまうこともあるので要注意!」
CHECK5:ブランドによってサイズはさまざま。お直しも視野に入れて!
「体が小さい、大きい方は洋服のお直しを割とよくすると思います。でも、標準体型の人はなかなかお直しという選択肢が頭になかったりします。ジャストサイズが見つからないと、それだけで気に入った服を断念することもあるのではないでしょうか? そんなときは、少し手間はかかりますが、丈を詰めたり、ウエストを調整したりとお直しすることも視野に入れて見てください。そうすると洋服選びがより楽しく、ラクになりますよ」
【わたり幅が広いパンツ】の着こなし実例
ワイドパンツやタックパンツなど、わたり幅が広いパンツのおすすめコーディネートを厳選。トップスをコンパクトにまとめてボトムにボリュームを出すことで、全身バランスを整えて!
STYLE1.ハイウエストパンツで腰位置高く! 今っぽいバランスを実現
定番白Tシャツに、あえてマニッシュなグレーパンツを合わせてメリハリを。爽やかな白Tに「太くてフルレングス」な量感パンツを組み合わせることで、インパクトのある着こなしに。
STYLE2.ネイビー×黒をシアー素材で軽やかに
晩夏から秋にかけて活躍するネイビーや黒といったダークカラー。重ため配色も、シアー素材のカットソーを合わせれば、軽やかさと女らしさが手に入る。透け感カットソーのインナーを同色でそろえるのが、洒落感を出すカギ。
STYLE3.ウールパンツの重さを軽トップスで引き立てて
ロールアップデザインの量感パンツを、素肌がのぞく半袖カットソーで軽やかに着こなして。温かみのあるウール素材のワイドパンツも、センタープレス入りを選べばすっきりとした印象に。
【わたり幅が狭いパンツ】の着こなし実例
スキニーパンツやスティックパンツのような細身パンツを今っぽく見せる方法をご紹介。ボリュームトップスやアウター合わせで、トップスとボトムにメリハリをつけるのがポイントです。
STYLE1.淡色ブラウスをスティックパンツで引き締めて
顔色をパッと明るく見せてくれる明るいサーモンピンクのブラウス。ぽわん袖の今っぽいシルエットを黒のスティックパンツで引き締めれば、ブライトカラーも大人っぽく着こなせる。
STYLE2.タイトな黒コーデにオーバージャケットをプラス
コンパクトなトップスに細身の黒パンツを合わせたスタイリッシュな組み合わせ。そこに、旬のオーバージャケットをパサッと羽織ることで、一気に今どきバランスに。さりげなく手首や足首を見せて抜け感を出すのも着こなしのコツ。
ダークトーンコーデの日。アイメイクは「透けグレージュ」が気分です♡
STYLE3.ふんわりボリュームジレでシルエットにメリハリを
黒のスティックパンツに合わせたのは、ウエストの切り替え部分かふわりとボリュームを出したデザインジレ。同色セットアップも、トップスに膨らみをもたせることでタイトなボトムとのメリハリが生まれ、スタイルアップにつながります。
最後に
サイズの選び次第でスタイルがよくも悪くも見えるパンツ。そこで重要になってくる「わたり幅」の正しい測り方や、パンツ選びで気をつけたいポイントを見てきました。わたり幅の違いによってバランスの取り方も変わってくるので、スタイリングの参考にしてください。
TOP画像/(c)Adobe Stock
監修者:スタイリスト 城長さくら
スタイリスト・望月律子氏に師事し、独立。シンプルなアイテムを色やシルエットの組み合わせでおしゃれに味つけするスタイリングで人気上昇中! 現在は『Oggi』などの女性誌や広告、カタログなどで活躍の場を広げている。Instagram(@shiroosa)では日々のスタイリングを公開中。おしゃれのヒントが詰まった投稿はどれも見逃せない。