【スタイリストが解説】裄丈とは?
一見「袖丈」と混同してしまうそうですが「袖丈」と「裄丈(ゆきたけ)」では計測方法も長さも違います。ビジネスシーンで活躍するジャケットやシャツの場合、数㎝の誤差で服に着られている感が出たり、ときにはだらしなく見えることもあるので注意が必要。
そこで、「裄丈」の正しい計測方法や注意点などを、スタイリスト・城長さくらさんに教えていただきます。
裄丈の読み方や意味
「普段あまり聞かない言葉かもしれませんが、裄丈は『ゆきたけ』と読みます。首の後ろ中心(バックネックポイント)から袖口までの長さのことを指していて、シャツやジャケットの採寸によく使われる寸法ですね」(スタイリスト・城長さくらさん 以下「」同)
袖丈との違い
「袖丈は肩の切り替え部分から袖口までの長さ。裄丈はバックネックポイントから袖口までの長さです。そのため、通常は、袖丈より裄丈のほうが長くなります」
アイテムごとの測り方や注意点
裄丈は、ジャストサイズの服を平置きして測る方法と、自分の体をメジャーで直接測る方法があります。服で測る場合は、シワを伸ばし、平らな場所に置いてメジャーで測りましょう。
自分の体を測る場合は、顔を下に向けると出てくる首の後ろの骨を起点とし、肩先の骨までメジャーを進め、そのまま手首のくるぶしまで計測します。このとき、腕を曲げずにまっすぐ伸ばすのが、正しく計測するポイント。左右で裄丈の長さが違う場合があるので、両方計測するとよいでしょう。
【ジャケット】の測り方
「後ろ身ごろの中心(バックネックポイント)から肩を通って、袖口(手首のくるぶし)までの長さを測ります」
【シャツ】の測り方
「後ろ身ごろの中心(バックネックポイント)から肩を通って、袖口(手首のくるぶし)までの長さを測ります。袖の長さは、腕を自然に下げたときに手首の骨が隠れる程度がベスト。男性のYシャツの場合は、ジャケットから袖を出す必要があるので、+1〜2㎝にしておくとよいでしょう」
【コート】の測り方
「後ろ身ごろの中心(バックネックポイント)から肩を通って、袖口までの長さを測ります。コートの場合は手のくるぶしがちょうど覆いかぶさる程度の位置までの長さがいい感じ。デザインによっては、少し手の甲に当たる長さでもOKです」
【ラグランスリーブ】の測り方
「肩の切り替えがないラグランスリーブは裄丈で表記されることが多いようです。測り方はほかのアイテムと同様、後ろ見ごとの中心(バックネックポイント)から肩を通って、袖口までの長さを測ります。ラグランでもトップス、ジャケット、コートとアイテムはさまざま。服によって、くるぶしちょうどまで測るのか、くるぶしから1~2㎝出たところを測るのかなどは変えていきましょう」
裄丈の換算方法
洋服を使って測る場合はひとりでも可能ですが、自分の体を使って測る場合、ひとりでは難しいですよね。そこで、裄丈の目安になる換算方法をご紹介します。
目安は肩幅÷2+袖丈
肩幅の半分に袖丈を足すと大体の裄丈を算出できます。ただし、数㎝の誤差が生じるため、できれば換算ではなくきちんと測るのがおすすめです。
最後に
既製品を買うときはもちろん、ジャケットやシャツをオーダーするときに必要となる裄丈。ジャケットやスーツなどの場合、1〜2㎝の誤差でも印象が変わってしまうので、正しい計測方法を理解して、自分の体型に合った服を選びましょう。
TOP画像/(c)Adobe Stock
監修者:スタイリスト 城長さくら
スタイリスト・望月律子氏に師事し、独立。シンプルなアイテムを色やシルエットの組み合わせでおしゃれに味つけするスタイリングで人気上昇中! 現在は『Oggi』などの女性誌や広告、カタログなどで活躍の場を広げている。Instagram(@shiroosa)では日々のスタイリングを公開中。おしゃれのヒントが詰まった投稿はどれも見逃せない。