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FASHION

2023.09.17

衣類に使われる素材「ポリエステル」とは?メリット・デメリットなどスタイリストが解説

普段着ている衣類をはじめ、スポーツウエアやアウトドア用の衣類などでも多用されているポリエステル(polyester)。その特徴やメリット、デメリット、ナイロンとの違いなどを、子供服ブランドも手がけるスタイリストが解説します。

【スタイリストが解説】ポリエステルってどんな素材?

ポリエステルの特徴
(c)Adobe Stock

洋服やバッグなどに多く使われているポリエステル。その特徴やお手入れ方法、ナイロンとの違いなどを、衣類の素材にも詳しいスタイリスト・城長さくらさんに聞きました。

ポリエステルの特徴

「ポリエステルの原料はペットボトルと同じ化学物質です。合成繊維としてさまざまな優れた性質をもつため、現在生産されている衣装用繊維の半数近くが、ポリエステルであるとも言われています。実際、お手もちの衣類のタグを確認してみると、ポリエステルの表示の多さに驚かれるのではないでしょうか? それくらい、私たちの衣類に必要な素材と言えます」(スタイリスト・城長さくらさん 以下「」同)

どんな服に使われている?

ポリエステル使用の服

「普段着ている衣類にも使われていますが、後述する生地の特性を活かして、スポーツウエア、アウトドアウエアなどにも多く使用されています。また、ウエディングドレスのような華やかな衣装にも多用されています」

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ポリエステルのメリット

ポリエステルのメリット
(c)Adobe Stock

デイリーからスポーツまでさまざまなシーンで活用されているポリエステル。なぜそこまで幅広く使われているのでしょうか? そのメリットから見ていきましょう。

1.シワになりにくい

「ポリエステルには、元の形状をキープする性質があるので、洗濯してもシワになりにくいといううれしい特徴があります。この特性を活かし、他の繊維にポリエステルを混ぜて生地にし、お手入れしやすくすることも多いですね」

2.乾きやすい

「繊維の中に水分が入りづらい構造になっているため、吸湿性が低いのもメリットのひとつ。水分が生地に触れてもすぐに拡散されて蒸発するので、汗をかいたり水に濡れることが多いスポーツや、アウトドア用のウエアに多く使われています」

3.水に濡れても動きやすい

「乾きやすい理由と紐づいてきますが、ポリエステルは水分を吸収しづらいため、綿が水を吸ったときのように硬くなったり縮んだりすることがありません。また、水分を吸ってずっしりと重くなることも防げるため、小雨が降っても動きやすいというメリットがあります。そのため、野外スポーツ用のウエアにも適しているんですね」

4.軽い

「天然繊維に比べて格段に軽いのが大きなメリット。強度もあるため、バッグなどに用いられることも多いですよ」

5.虫に食われにくい

「天然繊維は衣替えなどで長期間、クローゼットの中に入れていたりすると虫に食われる心配がありますが、ポリエステルの原料は石油なので、虫が寄りつきづらい、という特性もあります。必ずしも虫食いにならないというわけではないですが」

6.値段が安い

衣料繊維の中でも約半数を占める生産数のポリエステル。「大量生産されているからこそ、原価は安くなります。また、石油や天然ガスなど、原料が比較的手に入りやすいのも、値段を低く抑えられる理由のひとつです」

ポリエステルのデメリット

ポリエステルのデメリット
(c)Adobe Stock

いいこと尽くめのように思えるポリエステルですが、いくつかデメリットもあります。

1.静電気が起きやすい

「ポリエステルは強いマイナスの帯電繊維なので、プラスの帯電のある素材との間で、静電気が起きやすくなることも。たとえば、 マイナスのポリエステル製の服に、プラスのナイロンやウールの服を重ね着すると静電気が起きやすくなるので、注意が必要です」

2.汚れやニオイが取れにくい

「においや汚れを吸着しやすい傾向があります。そのため、他の衣類と同じように洗っているのに、においや汚れが落ちにくいということも」

ポリエステル素材のお手入れ方法

お手入れ方法
(c)Adobe Stock

おすすめのお手入れ方法についてもそれぞれ見ていきましょう。

1.洗濯ネットに入れて洗う

「汚れを吸着しやすく毛玉にもなりやすいので、洗濯機で洗うときはネットに入れて他の衣類と分けるようにしましょう」。アウターなど大型なものは、クリーニング店を利用する方がいい場合も。

2.アイロンをかけるときは当て布を

「高温とアイロンによる圧力によって生地の凹凸がなくなり、光沢が出てしまう可能性があるので、当て布は必須!」

3.日陰干しがおすすめ

「紫外線に当たると光脱色や光変色を起こしやすい素材なので、直射日光を避けて日陰に干すようにしてください」

ナイロンとの違い

軽くてシャカシャカした肌触りなど、ポリエステルとナイロンはよく似た素材のように思われます。どちらも石油などを原料とする合成繊維。共通点も多い素材ですが、どこが違うのでしょうか?

1.燃焼性の違い

「ポリエステルは燃焼性が高く燃えやすい素材。一方ナイロンは、一般的に燃えにくい素材と言われています。ただし、まったく燃えないわけではありません」

2.摩擦への耐性はナイロンのほうが上

「どちらの素材も摩擦に強い素材ですが、比較するとポリエステルよりナイロンのほうがより耐性が高いようです」

最後に

今回は衣類に多く使われているポリエステルの特徴を見てきました。素材のメリット・デメリットを知ることで、シーンや用途に合わせて服や小物を選ぶことができます。また、お手入れの仕方も素材によって異なるので、正しいケア方法を身につけ、長く愛用できるよう大切に扱いたいですね。

TOP画像/(c)Adobe Stock

城長さくら

監修者:スタイリスト 城長さくら

スタイリスト・望月律子氏に師事し、独立。シンプルなアイテムを色やシルエットの組み合わせでおしゃれに味つけするスタイリングで人気上昇中! 現在は『Oggi』などの女性誌や広告、カタログなどで活躍の場を広げている。Instagram(@shiroosa)では日々のスタイリングを公開中。おしゃれのヒントが詰まった投稿はどれも見逃せない。

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