ミネラルウォーターの消費量は16年間で約2.5倍に
コロナ禍で低迷していたといわれる飲料市場のなかでも「水」の売上は伸びています。
一般社団法人日本ミネラルウォーター協会が発表したミネラルウォーターの1人当り消費量の推移によると、ミネラルウォーターの消費量は2005年から2021年にかけて約2.5倍となっているそう。これに伴い、ミネラルウォーター類の国内生産量も増加傾向なのだとか。
多くの人が水を買う時代、その味わいを決める要素は何? 味香り戦略研究所が味覚ビッグデータを駆使して分析・検証した結果を見てみましょう。
冬の鍋に欠かせない「ダシ」と水の相性を検証
冬の定番・鍋に欠かせないダシ。それぞれのダシの良さを最大限引き出す、最適な水はあるのでしょうか。
昆布、かつお節、煮干しでそれぞれにダシをとり、水の違いによるダシの味わいを検証しました。
ダシの種類に関わらず、軟水は全体的に味が控えめでコクやうま味が際立つ味わい、中硬水はバランスの良い味わい、硬水は味の濃さ、うま味の余韻が強くなり、全体的に味に膨らみがでる傾向に。
また、硬水になるにつれ、ダシの透明度は低くなるという結果になりました。水の硬度はその水が育まれる場所「水源地」によっても変わってきます。自分が普段飲んでいる水が、どこで採れた水なのかや、その水の硬度も水選びの参考にしてみましょう。
水とダシの相性を加味した、「水と鍋」のおすすめコンビ
軟水はダシが濁ることなく、コクやうま味を引き出すことができるため、色味が重要かつ素材の味わいを楽しむ、お雑煮やしゃぶしゃぶなどと相性が良いです。
中硬水はバランスよくダシの味わいを抽出することができるため、寄せ鍋やちゃんこ鍋など様々な具材を入れる鍋と相性が良いです。
硬水は、ダシの味わいを強く引き出すことができますが、ダシが濁ってしまう傾向にあります。ダシの色味をそれほど気にせず調味料に負けないパンチのある鍋、キムチ鍋や豆乳鍋に使用するとつゆの味わいに負けずにダシ感を楽しめます。
鍋の味わいを決める要素として、水とダシの相性が関係することがわかりました。水とダシの相性と特徴を知ることで、これからの鍋の季節を、よりおいしく、飽きずに楽しむことができますね!
■出汁の抽出方法
《昆布》昆布15gに500gのミネラルウォーターを加え30分静置。IH中火で加熱し、煮立つ直前に火を止めてろ過。常温になったろ液を測定した。
《かつお》削り節8gに沸騰させたミネラルウォーター200gを加え、IH強火で1分加熱後、3分静置。ろ過後に削り節を絞り200gに補水したものを測定した。
《煮干し》頭とはらわたを除去した煮干し15gとミネラルウォーター500gを小鍋に入れ、IH強火で加熱し、沸騰後は中火におとし10分加熱。加熱で失った分の水分を補水し、ろ過後常温になったろ液を測定した。
TOP画像/(c)Shutterstock.com