「付け焼き刃」の意味を紹介
「付け焼き刃」は「つけやきば」と読みます。ここでは、付け焼き刃の意味と、付け焼き刃を使ったことわざを解説します。
◆ことわざ「付け焼き刃」とは?
「付け焼き刃」とは、切れそうなのに、実際はもろくて切れない刀のことを意味します。
刀鍛冶が使う言葉に由来していて、切れ味の良くない刀に、鋼の焼き刃を付け足すことを表現しています。
その場しのぎのために、一時的に知識を身につけたり間に合わせることとして用いられます。
「付け焼き刃」例文をシーン別で紹介
では、実際に「付け焼き刃」がどのように使われるのか、シーン別にチェックしていきましょう。
◆日常的なシーンで
「付け焼き刃の知識だな」
まずは日常的なシーンから。一時的に身につけた知識は浅く、役に立たないという表現です。
「付け焼き刃は、はげやすいよ」
切れ味が悪くなった刀に鋼を足しただけではすぐに使い物にならなくなるのと同様、その場しのぎで身につけたものは、すぐにぼろが出てしまいます。
「付け焼き刃のテーブルマナーでは意味がない」
細かいルールが多いテーブルマナー。表面の知識だけで取り繕おうとしても、いざ難しい状況になると実践することは困難になったもの。
◆仕事のシーンで
「短時間で仕上げた付け焼刃な資料だ」
きちんと調査や分析をせずに仕上げた資料は内容が薄く、実際の会議の場や面談の場では役に立たないことも。
「付け焼き刃の知識で取得した資格は役に立たない」
なんとなくで得た資格。いざ詳しい話をしようとしたり実践をしようとしても知識がなく、意味がありません。
「転職の書類選考や面接対策に付け焼き刃の資格を取得する」
自分をよく見せるために資格を取る人もいますよね。書類の欄を埋めるためだけで、実際に行動を起こすのは難しいということも。
◆勉強のシーンで
「付け焼き刃の勉強では意味がない」
基礎がなっていないのに、いきなり難しい勉強に挑戦をしてもなかなかうまくいきませんよね。そんなときにこちらの言葉が当てはまります。
「テスト対策は付け焼刃でやってもダメ」
テスト前日の深夜に慌ててテスト範囲の暗記をする… なんだかあるあるなシーンですが、きちんと勉強をしなければ一夜漬けをしても意味がないということを表現しています。
「付け焼き刃で語学を身につけても通じない」
身につけるのが難しい語学だからこそ、できるだけ簡単な方法で学ぼうとする人も。ですが奥深い語学、表面上の知識だけでは実践の場で苦戦することも。
「付け焼き刃」英語表現にすると?
「付け焼き刃」は日本刀に関する言葉なので、そのまま英語に訳すことはできません。ここでは、近い意味を持つ英単語を紹介していきます。
◆「veneer」
「見せかけ」「虚飾」という意味の“veneer”
◆「surface」
「うわべ」「表面だけ」という意味の“surface”
◆「stopgap」
「一時しのぎ」「穴埋め」という意味の“stopgap”
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なんとなくで済ませてしまった… その場限りでしのごうとした… なんて経験はありますよね。仕事でも勉強でも、一日では得られない知識がたくさん。「付け焼き刃」で深みのない人間にならないためにも、毎日コツコツと知識や経験を身につけていきたいものです。
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