知ったら話したくなる、クレジットカード番号のハナシ
ネットショッピングなどでクレジットカードの番号を入力することがあります。そんな時、クレジットカードの番号ってどうやって決まってるのかなと気になったことはありませんか? 今回はクレジットカード番号のあれこれを解説していきます。
カード番号は固有のもの
カード番号は当然ですが、一枚一枚のカードそれぞれ固有の番号です。
その番号の桁数は、国際ブランドによって異なっています。
・VisaとMastercard、JCBは16桁(4-4-4-4)
・アメリカン・エキスプレスは15桁(4-6-5)
・Diners Clubは14桁(4-6-4)
規格としては最大19桁まで使うことができるんですよ。
それぞれの数字は何の意味があるの?
◆左から6桁
カード番号の左から6桁は「発行者識別番号」と呼ばれ、発行したカード会社が識別できるようになっています。同じカード会社から発行されていても、カードの種類やステータスによって番号は変わってきますし、国際ブランドが同じであっても、発行しているカード会社が違えば番号も違ってきます。
また、カード番号の左端から1桁は「主要産業識別子」と呼ばれ、カードを発行する業界を表しています。
0… ISOによる予備
1… 航空
2… 航空/その他
3… 旅行・娯楽/銀行・金融
4… 銀行・金融
5… 銀行・金融
6… 運送/銀行・金融
7… 石油/その他
8… ヘルスケア/医療/通信/その他
9… 国ごとに割り当て可能分
なお、国際ブランドはカード番号の左から1桁または2桁まで見るとわかります。
Visa… 4
Mastercard… 5
JCB… 3(35)
アメリカン・エキスプレス… 3(34または37)
Diners Club… 3(36)
左から1桁が3の場合は、複数の国際ブランドに割り当てられているため、2桁の数字まで見ることで識別できるようになっています。
ネット決済を行う際にクレジットカードの国際ブランドを選択の上、カード番号を入力した際、エラーで弾かれた経験はありませんか? それは、選択した国際ブランドとカード番号の識別が一致しているか確認しているからなんです。
◆7桁目〜末尾から2桁目
続いて、7桁目から末尾から2桁目までは、会員個人に割り振られる番号です。「口座番号」や「会員口座番号」とも呼ばれています。
◆末尾1桁
そして、末尾1桁目の番号はチェックデジットと呼ばれ、カード番号が正しいかどうかを識別するための数字になっています。Luhnアルゴリズムと呼ばれる計算手順を用いて、チェックデジットが決まっています。
◆カード番号が正しいことを確認するには?
実は、カード番号を規則にのっとって合計すると、10の倍数になるように設定されているんですよ。
例)3584 1981 7764 5207の場合
カード番号の右から偶数番目に当たる数字(上記の例の太字になっている数字)を2倍します。なお、2倍したことで2桁になった場合は10の位と1の位をバラします。
例えば8の2倍は16ですが、1と6と考えます。
右から奇数番目の数字はそのままで、すべて合算します。
6+5+(1+6)+4+2+9+(1+6)+1+(1+4)+7+(1+2)+4+(1+0)+2+0+7=70
10の倍数になりましたね!
このような計算などによって、カード番号が正しいことを確認しています。
セキュリティコードはなぜセキュリティを守れるの?
オンラインで決済する際、カード番号、名義、有効期限を入力したあと、さらにセキュリティコードの入力を求められますよね。
なぜこの数字の入力でセキュリティが守られるかというと、セキュリティコードはICチップや磁気ストライプが保有する情報に含まれていないからなんです。そのため、カードそのものが手元になければ入力できない番号となります。
セキュリティコードの入力を求めることで、カードそのものが手元にある、すなわち本人の使用であり、スキミング等でカード情報を取得して使われているのではないことを確認しているんですね。
* * *
いかがでしたか? 羅列されている数字もルールがわかると面白いですね。昨今ではクレジットカード自体にはカード番号は記載せず、専用アプリ等で管理するナンバーレスカードも登場しています。セキュリティ対策も進化していますが、まずはしっかり管理して利用したいですね。
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鶴田初芽
都内在住のOLライター。マナーインストラクターであり、実用マナー検定準一級や敬語力検定準一級など、ビジネスにおけるマナーや、マネーに関する資格(2級ファイナンシャル・プランニング技能士、金融コンプライアンスオフィサー、マイナンバー保護オフィサー)などを保有。丁寧な暮らしに憧れ、断捨離修行中!