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この記事のサマリー
・係長は、現場の業務を担いながら、部下・後輩の育成や進捗管理にも関わる立場です。役割や権限は会社によって異なります。
・令和7年の厚生労働省調査では、係長級の平均年齢は45.4歳、賃金額は月39万9,200円でした。
・係長に就いた後は、プレイヤーとしての経験だけに頼らず、傾聴、フィードバック、マネジメント、ハラスメント防止などを学ぶことも大切です。
企業では、部長、課長、係長、主任などの役職が置かれることがあります。一般的には、係長を主任の上、課長の下に位置づける例が見られますが、役職の名称や順序は会社によってさまざまです。「次長」「課長代理」「課長補佐」などを置く会社もありますよ。肩書きだけで序列や権限を判断しないほうがいいですが、係長は課長の下で、主任の上というポジションであることが一般的でしょう。
この記事では、「係長」について深掘りしていきます。
「係長」の役割とは?
係長は、現場の一員として実務を担いながら、メンバーの業務を支える立場になることがあります。さらに、課長などの上位者と部下・後輩の間をつなぐ役割も担います。リーダーシップとフォロワーシップの両方が求められる点を踏まえ、主な役割を見ていきましょう。

部下の業務の管理
係長は、担当業務の進捗を確認し、メンバーが困っているときには相談に乗ったり、必要な助言をしたりします。計画どおりに進んでいない場合は、原因を整理し、業務の分担や進め方を見直すこともあるでしょう。自分だけで解決するのが難しい課題は、課長などの上位者に早めに共有することも大切です。
人材育成
係長には、プレイヤーとしての実務能力に加え、部下や後輩の成長を支える役割も求められます。本人の経験や習熟度を踏まえて仕事を任せ、途中で声をかけながら、具体的なフィードバックを伝えることが重要です。
挑戦できる機会と、困ったときに相談しやすい環境を整えることも、人材育成の一部といえるでしょう。
プレイヤーとしての規範となる
係長自身が現場のプレイヤーとして業務を担う職場もあります。ただし、個人として高い成果を上げることだけが役割ではありません。期限やルールを守る、必要な情報を共有する、ミスが起きたときに原因と対策を考えるなど、日々の行動でよきお手本を示すことも大切です。
自分の仕事と部下・後輩の支援をどう両立するかが鍵となってくるでしょう。
リスクの管理
現場に近い係長は、業務上のミスや納期の遅れ、顧客対応、コンプライアンス上の問題などに早く気づきやすい立場ともいえます。発生の可能性と影響を整理し、予防策や発生時の対応をチームで共有しておくといいでしょう。自分の権限では判断できない問題や影響の大きい事案は、課長や部長、関係部署へ速やかにつなぐことも重要です。
課長と部下との連携を保つ
係長は、課長などの上位者とメンバーの間に立ち、情報や認識をつなぐ役割を担うことがあります。組織の方針や業務の目的を、現場で理解しやすい言葉に置き換えて共有する一方、部下・後輩の相談や現場で見つかった課題を上位者へ伝えることも重要です。上から下へ伝えるだけでなく、現場の状況を上へ返す双方向の調整が求められます。
「係長」になるにはどんなスキルがいる?
係長には、自分の担当業務を進める実行力に加え、チームの目標を共有し、メンバーの状況に応じて仕事を調整する力が求められます。プレイヤー時代と同じやり方だけでは対応しにくい場面もあるため、必要なスキルを整理してみましょう。
ここからは、一般的に係長として求められるスキルを解説します。

マネジメント能力
マネジメントでは、自分の業務を進めるだけでなく、チームの目標や優先順位を共有し、メンバーの経験や得意分野を踏まえて役割を分担することが求められます。部下や後輩の様子を確認し、必要な支援やフィードバックを行うことも、係長に期待される役割の一つです。
係長は、自らも実務を担いながら、現場に近い立場でチームを支える存在といえます。部下や後輩を実務面でサポートするだけでなく、現場で起きていることを上司やさらに上のマネジメント層へ報告し、必要に応じて相談するなど、現場と上層部をつなぐ役割も担います。自分の業務とチームへの働きかけを両立することに、難しさを感じる人もいるかもしれませんね。
気をつけたいのは、部下や後輩に仕事を任せたまま、進捗や困りごとを確認しないことです。仕事を任せた後も、「この件は今、どのような状況ですか?」「何かサポートが必要ですか?」などと柔らかく声をかけ、必要に応じて助言や支援を行いましょう。
コミュニケーション能力
係長には、業務の目的や期待する成果をわかりやすく伝える力と、メンバーの話を聴く力の両方が求められます。相談を受けたときは、すぐに結論を押しつけず、事実と本人の考えを確認するといいでしょう。
改善を求める場面では、人格ではなく具体的な行動を取り上げ、今後どうしてほしいかを伝えることが大切です。また、ハラスメントに関する基本知識を学んでおくことも、おすすめですよ。
的確な判断力
係長は、組織の方針を踏まえながら、現場の状況に応じて判断する場面があります。判断に迷うときは、目的、期限、影響を受ける人、想定されるリスクなどを整理するといいでしょう。自分の権限で判断できる範囲を確認し、必要に応じて課長などの上位者へ意見や懸念を伝えることも大切です。
「係長」になるおおよその年齢は何歳くらい?
係長に昇進する年齢は、会社の人事制度や本人の経験などによって異なります。厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」によると、係長級として働く人の平均年齢は45.4歳でした。男性は45.3歳、女性は45.7歳です。
ただし、この数値は調査時点で係長級に就いている人の平均年齢であり、係長へ昇進した年齢を示すものではありません。「何歳で係長になるのが一般的」と判断する材料ではなく、現在の係長級の年齢構成を知る目安として捉えましょう。
「係長」の賃金はどのくらい?
厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」によると、係長級の所定内給与額は、男女計で月39万9,200円でした。男性は月41万900円、女性は月36万5,700円です。ただし、これは賞与や時間外勤務手当などを含む平均年収を示すものではありません。
また、実際の年収は、業界、企業規模、地域、評価制度、賞与の有無などによって差があるため、あくまで目安として参考にしてみてしてくださいね。

参考:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査結果の概況第8表」
「係長」から「課長」になるのに求められるものは?
「係長」から「課長」になるために求められるものは、会社によって異なります。課長の役割や必要な能力、昇進の基準については、勤務先の人事制度や社内規程、評価基準などを確認しておくといいでしょう。
一般的には、まず係長としての役割を担い、実績と信頼を積み重ねることが求められます。自分の担当業務で成果を上げるだけでなく、部下や後輩の育成、チーム内の調整、上司との連携などにも取り組むことが大切です。こうした経験を通じて、より広い範囲のマネジメントを任せられると評価されることが、課長への昇進につながる場合があります。
課長になると、自分自身の業務に加えて、課全体の目標や進捗、人員配置、人材育成などを考える場面が増えます。そのため、一人のプレイヤーとして成果を上げる力だけでなく、周囲の状況を把握し、メンバーが力を発揮できる環境を整える視点も重要になるでしょう。
課長への昇進やマネジメントに関心がある場合は、社内研修に参加するほか、マネジメントやリーダーシップ、経営に関する書籍を読んだり、講座で学んだりするのもひとつの方法です。係長としての経験を振り返りながら、自分に必要な知識やスキルを学んでいくことが、次のキャリアを考える上で役立つでしょう。
「係長」に関するFAQ
「係長」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1:係長とはどのような役職ですか?
A:一般的には、課長の下、主任の上に位置する役職です。現場のプレイヤーとして実務を担いながら、部下や後輩の育成、業務の進捗管理、上司との連携なども行います。ただし、役職の位置づけや権限は会社によって異なります。
Q2:係長の平均年齢と賃金はどのくらいですか?
A:厚生労働省の令和7年調査によると、係長級として働く人の平均年齢は45.4歳、所定内給与額は月額39万9,200円です。ただし、平均年齢は係長に昇進した年齢ではなく、調査時点の年齢を示しています。また、実際の賃金は、業種や企業規模、諸手当の有無、勤務先などによって異なるでしょう。
Q3:係長になったら何を学ぶといいですか?
A:傾聴、フィードバック、業務の任せ方、ハラスメントに関する知識などが役立ちます。自分の実務と部下・後輩の支援を両立するため、上位者への相談やセルフケアも意識したいですね。
最後に
係長は、現場の実務を担いながら、部下・後輩の育成や業務の調整にも関わる立場です。会社によって役割は異なりますが、プレイヤー時代とは違う視点が求められることもあるでしょう。自分らしいリーダーシップを育てていくためにも、ぜひ参考にしてみてくださいね。
TOP・アイキャッチ画像/(c)Adobe Stock

塚原美彩(つかはらみさ)さん 開業社会保険労務士
2016年社会保険労務士資格を取得。趣味は日本酒酒蔵巡り。現在は独立開業し、企業の人事労務コンサル、ポジティブ心理学をベースとした研修講師として活動中。
ライター所属:京都メディアライン



