「カルミア」の基本情報
「カルミア」という言葉の響きから、なんだか可愛らしい花をイメージされる人も多いのではないでしょうか。ユニークな花の形をしているので、特徴を覚えたらすぐに他の花と見分けることができると思います。まずは、「カルミア」の基本情報について紹介します。
「カルミア」の特徴
「カルミア」は、「ツツジ科カルミア属」に属している植物で、学名は「Kalmia Iatifolia」といいます。原産地は北アメリカで、5月から6月の初夏、暖かくなり始めの季節に開花する花です。
2月11日、2月20日、4月30日の誕生花なので、それぞれの誕生日の友人にプレゼントとして贈ると喜んでもらえるかもしれませんね。
「カルミア」の名前の由来
「カルミア」という花の名前、独特な響きですよね。どのように名付けられたのでしょうか。
先に紹介したように、「カルミア」の原産地は北アメリカです。北アメリカで植物の研究を行った人物にPehr Kalm(ペール・カルム)というスウェーデンの植物学者がいます。カルム氏の名前にちなんで「カルミア」と名付けられたそうです。
ちなみに、「カルミア」の英語名は「Mountain Laurel(マウンテン・ローレル)」といいます。英語名は、「月桂樹」から来ているのだとか。「月桂樹」は「ローリエ」や「ローレル」と呼ばれますが、「カルミア」の葉が「月桂樹」と似ていることから、「マウンテン・ローレル」と呼ばれるようになったそうです。
「カルミア」には毒性がある?
可愛らしい花を咲かせる「カルミア」ですが、実はその葉に毒性を持っているのです。「カルミア」の葉には、「グラヤノトキシン」と呼ばれる植物毒が含まれており、嘔吐や頭痛などを引き起こします。重篤化すると、心筋梗塞や呼吸困難を引き起こすことも。
「カルミア」の別名を紹介
「カルミア」は、「アメリカ石楠花」や「花笠石楠花」という別名も持っています。「石楠花」は知っていますか? 「石楠花」は「しゃくなげ」と読み、「カルミア」と同じツツジ科に属しています。
花は「石楠花」の方が大ぶりですが、その葉が「カルミア」の葉の形と似ていることから、このような別名がついたと言われています。同じツツジ属でも厳密には異なる品種ですので、混同して買わないように気をつけましょう。
また、「カルミア」にはもうひとつ、驚くべき別名があるのです。その名も「羊殺し」。英語では「Lambkill」と言うそうです。
「カルミア」の葉に毒性があることを紹介しましたが、自生しているカルミアを食べた羊がその毒で中毒を起こしてしまったことから、「羊殺し」とも呼ばれるようになったのだとか。
「カルミア」の花言葉
続いて、「カルミア」の花言葉を見ていきましょう。見た目は可愛らしいですが、実は怖い意味も持っている「カルミア」。そのギャップもまた、ひとつの魅力なのかもしれませんね。
ポジティブな意味の花言葉
まずはポジティブな意味の花言葉から紹介しましょう。「カルミア」には、「優美な女性」「大きな希望」「にぎやかな家庭」「さわやかな笑顔」などの花言葉があります。
「優美な女性」は、まるで日傘を広げたような花を咲かせるすがたにちなんでいるようです。一方「大きな希望」や「にぎやかな家庭」は、「カルミア」の花が一つ一つは小さくても、密集して咲くすがたから生まれたのではないでしょうか。
ネガティブな意味の花言葉
ポジティブな意味の花言葉を持つ一方で、ネガティブな意味も持っているのが「カルミア」の特徴。「カルミア」は、「裏切り」と「野心」という花言葉も持っています。可愛らしい見た目と裏腹に毒性があることから、このような花言葉がついたのではないかと考えられているのです。
「カルミア」の育て方
「カルミア」は耐寒性に優れた植物ですが、反対に耐暑性に弱いです。このことを考慮しながら栽培すると、初夏には綺麗に花を咲かせてくれるでしょう。その他に気を付けたいポイントも紹介します。
栽培環境
「カルミア」を栽培する際は、西日があたらないような半日陰に植えるのが好ましいです。加えて、乾燥を防ぐために腐葉土などを混ぜてあげるのがおすすめ。風通しの良い半日陰で、直射日光を避けながら栽培しましょう。
水やり
「カルミア」は、そこまで神経質に水やりをする必要はありません。土が乾いたら十分に水をあげるくらいで大丈夫です。夏に関しては、早朝や夕方に水やりをしてあげてください。その際に葉水もしてあげると、ツヤが生まれますよ。
肥料
肥料は、2月から3月に行う「寒肥」、5月から6月下旬に行う「お礼肥」、そして9月から10月の3回に分けるのが好ましいとされています。株から少し離れた場所で10センチくらいの深さに肥料を撒くのがおすすめです。
病気や害虫
「カルミア」を直射日光に当てると、葉焼けしたところから菌が侵入して褐斑病が発生することがあります。また、「カルミア」は強い乾燥を嫌うため、直射日光には当てないように気をつけましょう。
害虫に関しては、4月から6月、そして9月から10月ごろにピークを迎えます。特にその時期は注意してあげてください。
「カルミア」の品種を紹介
「カルミア」には、濃いピンク色の花を咲かせる品種や、淡いピンクと白色がメインの品種などがあります。品種によって印象が異なり、様々な「カルミア」を楽しむことができるんです。最後に、「カルミア」を品種をいくつか紹介します。
1:カルミア・オスボレッド
「カルミア・オスボレッド」は、「レッド」という色が名前に含まれているように、赤に近い濃いピンク色が特徴です。密集して咲く姿は、目が覚めるほど鮮やかで、エネルギーに溢れているといえるでしょう。
2:カルミア・エルフ
鮮やかな「カルミア・オスボレッド」と対照的な品種が、「カルミア・エルフ」です。「エルフ」という言葉を聞いて、妖精をイメージした人もいるかもしれませんね。陽性の羽のように淡く、透明感のある花を咲かせるのが特徴です。
3:カルミア・ピンクチャーム
「カルミア」は、品種の名前がどれも可愛らしいですね。「ピンクチャーム」はその名の通り、ピンク色がポイント。花の内側に赤い模様が入っており、可憐な印象です。
最後に
可愛らしい見た目と裏腹に毒をもつ「カルミア」。その特徴から、花言葉にも二面性があることが分かりました。品種によっても印象が異なり、私たちを楽しませてくれます。ぜひ色々な種類のカルミアを楽しんでみてくださいね。
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