あなたはどういう人を「いい人」だと思いますか? また、あなた自身「いい人だね」と言われたことはありますか? これまでの人間関係で「いい人」に出会ったことが一度はあるはずですが、なぜ「いい人」だと思ったのか、言葉で説明するのは難しいですよね。
そもそも「いい人」とは?
まずは「いい人」の定義を辞書で確認しましょう。「いい人」とは、気質のいい人や好人物を意味する言葉。他にも、恋人や適任者を意味することもあります。今回注目するのは一つ目の意味。日常会話でよく使うけれど、ちょっと抽象的で説明しづらい「いい人」について解説します。
「いい人」の特徴
どんな人が「いい人」なのか。実は、その答えは人それぞれ異なります。「いい人」は、自分に合う・合わない、どんな性格を重視するかなど、個人の好みや価値観によって変わるからです。ここでは、その中でも多くの人が「いい人」だと感じる典型的な特徴を4つ解説。「いい人ぶっている人」との違いを知りたい時にも、確認してみてください。
人間関係に裏表がない
「いい人」は、どんな人と接するときも態度が変わりません。誰にでもきちんと挨拶をし、しっかりとお礼を言葉で伝え、素直に謝罪できます。それらは基本的なことでありながら、人間関係において大切なことです。
相手によって態度を変えている人を見ると、不信感が湧きますよね。自分と話しているときのその人の言葉や態度が、果たして本心なのか、疑ってしまうでしょう。そのような相手とは、大切な会話をしたいと思えなくなりますし、会話自体が楽しいと思えないはず。つまり、人間関係に裏表がないことは、周りに安心感と信頼感を与えるのです。
相手を否定しない
「いい人」は、相手を否定しません。自分の意見が絶対に正しいと思わず、世の中には様々な考えがあると認識しているからです。悩みや愚痴を話すと、共感の気持ちを持って、最後まで話を聞いてくれる包容力を持っています。
そして、相手から意見やアドバイスを求められた際には、その人の立場に立って一緒に考えてくれるはず。もし意見が違っても、話を遮りながら否定したり、攻撃的な言葉で反対したりすることはありません。あくまで優しさを持って、冷静に伝えてくれるでしょう。
見返りを求めない
電車で席を譲っている人を見たり、自分の仕事を手伝ってもらったとき、「この人は、いい人だなあ」と感じませんか? 人は、親切を目にしたり、親切にされたときに、その人を「いい人」だと感じます。
しかし「いい人」は、周りから「よく思われたい」と思って親切な行動をしているわけではありません。その人にとって、そう行動することは「当たり前」あるいは「自分がしたいからすること」なのです。そのため「親切にしてあげた」という感覚がなく、相手に見返りを求めません。損得勘定で行動していないと言えるでしょう。
人は現金なもので、親切にしてもらっても、その見返りを求められると、素直にその親切を受け取れなくなります。「別に頼んでないし」「いつまで恩を着せるつもりなのだろう」と心の底で思ったことはありませんか? 見返りを求めない態度は、行動をシンプルにし、素直で気持ちのよい人間関係を構築してくれます。
性格がポジティブ
話していると自然と元気になったり、楽しかったり、前向きな気持ちになれる人を「いい人」だと感じたことはありませんか? 逆に、いつも愚痴や悪口ばかり、何か話しても否定されるなど、その人と一緒にいても自分がいい方向に向かわない、と感じるとき、その人を「いい人」とは思わないでしょう。
つまり、自分にとってプラスな感情を与えてくれる人が「いい人」と言えます。人は、誰かに悩みを話すとき「もっと落ち込ませてほしい」という気持ちで相談しませんよね。「アドバイスが欲しい」「大丈夫だと言って欲しい」「笑い飛ばして欲しい」「落ち込む気持ちから抜け出したい」と思っているはず。
「いい人」は、物事をポジティブに捉え、不安なあなたを明るい気持ちにしてくれるはず。話し終わったときには「すっきりした」「たのしかった」「もう大丈夫」と感じるとともに、その人に感謝の気持ちを感じているでしょう。
恋愛で「いい人」止まりにならないために
「いい人だね」と言われたら、嬉しい気持ちになりますよね。「いい人」とは基本的に褒め言葉。しかし、恋愛においては必ずしも褒め言葉とは限りません。実は、恋愛における「いい人」には、「性格がいいだけで、恋愛感情に発展しない」というニュアンスが込められていることがあります。
このような状況を「いい人止まり」と言います。「いい人だと思うんだけど、ごめんなさい」と振られてしまった経験がある人もいるのではないでしょうか。「いい人止まり」にならず、恋愛に発展させるポイントを2つ解説します。
主体性を持つ
二人で出かけたとき、自分の行きたい場所や食べたいものを尊重してくれたら、相手を「いい人だな」思いますよね。しかし、もう一方で、「自分の好きなことばかりしていて、相手は楽しいのかな」「何も意見を言わないということは、どうでもいいと思っているのかな」と不安な気持ちになることも。
相手に好かれたいと思うと、何を決めるにも思わず「何がいい?」「なんでもいいよ」「好きなようにしていいよ」と言ってしまいがち。相手に楽しく過ごして欲しい、相手の機嫌を悪くしたくない、という気持ちから発せられる言葉ですが、そればかり言っていると、相手もうんざりしてきます。
恋愛において大切なことは「二人で楽しむこと」。一緒に同じことをして、楽しさを共有できることが、一人ではなく二人で時間を過ごす恋愛の醍醐味です。相手の意見を尊重しつつも、お互いに意見を出し合い、二人で物事を決めていく気持ちを持ちましょう。
ギャップを見せる
振られる理由として使われる「いい人」という言葉には、悲しいことに「退屈」という意味が込められていることがあります。恋愛感情に発展するときに欠かせないのが、「ときめき」や「ドキドキ」ではないでしょうか。性格はいいけれど、刺激がないと「いい人止まり」になってしまいます。
お互いに関わりあう中で「こんな人だったんだ!」という意外性、「この人のことをもっと知りたい」という興味、「こんな一面があったんだ」という新鮮さが、刺激となって恋愛に発展していくでしょう。
最後に
よく使う言葉だけれど、いざ説明しようとすると難しい「いい人」について解説しました。恋愛での「いい人止まり」は避けたいですが、普段の生活では「いい人」と言われるような人間性を持ちたいですね。
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