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2024.01.05

「こけら落とし」とはどんな意味? 由来や使い方、英語表現も紹介

「こけら落とし」とは、新築もしくは改築した劇場で初めて行われる催しのことを言います。よく耳にする言葉ではありますが、意味は知らなかったと言う人も多いのではないでしょうか。この記事では意味や語源のほかに、類語や英語表現などを紹介していきます。

「こけら落とし」の意味や語源とは?

(c)Shutterstock.com

まずは、意味や語源から解説していきます。また、「こけら落とし」は漢字で「杮落とし」というように表記しますが、少し注意する点がありますので、こちらも確認していきましょう。

意味と漢字表現

「こけら落とし」とは、新築または改築された建物で、初めて行われるパフォーマンスやイベントのことを指します。本来「こけら落とし」は劇場における場面で使われていましたが、今ではスタジアムやコンサートでも使われることがあります。

「こけら」は漢字で書くと「杮」と表され、これは果物の「柿(かき)」と非常に似ているのですが、よく見ると実は右のつくりに違いがあります。果物の「柿(かき)」は右のつくりが鍋ぶたであるのに対して、「こけら」は縦棒が下まで貫かれています。同じ漢字だと思って間違えないように注意しましょう。「杮落とし」が正しい表記になります。

「こけら落とし」の語源

そもそも「こけら」というのは、材木を削る時にできるけずりくずのことです。昔は劇場の屋根に瓦を使用することが認められず、建築には「こけら葺き」という薄い木の板を重ねる手法がとられていました。全ての建築工程が終わった後、屋根や足組みに残った「こけら」を払い落とすことから「こけら落とし」という言葉が生まれたと言われています。

もともと演劇界で誕生した言葉であり、歌舞伎の公演などによく使われていました。劇場が完成して初めてのパフォーマンスということで、祝儀的な演目が行われる傾向にあります。

使い方を例文でチェック

(c)Shutterstock.com

本来「こけら落とし」は、屋根のある建物で使われることが一般的でしたが、今や屋根のない競技場など、さまざまな場所に使われています。「こけら落としコンサート」や「こけら落とし公演」などの名称に用いられることが多いです。

こけら落とし公演にあの有名なバンドが参加するらしい。

このように表記することで、建築後の劇場で初めて行われる公演という意味になります。例えば、2017年に劇団四季の劇場の一部が取り壊されましたが、その後新たな劇場で再開する際に行われる「アナと雪の女王」の作品は、「こけら落とし公演」というように呼ばれていました。

あのドームでこけら落としコンサートを行ったのはあの大物歌手だ。

新築やリニューアルオープンした会場では、それを祝う意味も込めて大物ゲストを迎えるなんてこともあるかもしれません。「こけら落としコンサート」と称することで何か特別感を感じますね。

来週、東京のスタジアムで行われるこけら落とし試合を見にいく予定だ。

このように、最近ではスポーツについても「こけら落とし」が使われることがあります。実際に野球やラグビー、サッカーなどで「こけら落とし試合」という表現がされています。

類語や言い換え表現にはどのようなものがある?

(c)Shutterstock.com

さて、これまで意味や使い方を解説してきましたが、類語にはどのようなものがあるのでしょうか。簡単な例文とともに類語も確認していきましょう。

初興行(はつこうぎょう)

興行とは、一般的に観客を相手に有料でパフォーマンスを行うことであり、演劇や音楽だけでなく、スポーツやサーカスなどさまざまな娯楽の公演を指す言葉です。初めて行われる興行を初興行と言います。「サーカスの初興行を見に行こう」というように使うことができます。

オープニング

こちらの言葉は比較的聞き覚えがあるかと思います。開演や開店、開場など、始まりを表す言葉です。「こけら落とし公演」と同じように「オープニング公演」と表したり、スポーツでも「オープニングマッチ」というように使うことができます。「オープニングマッチでは会場が熱気に包まれ、大盛況であった」というように使います。

幕開け(まくあけ)

こちらも聞き覚えがある方が多いのではないでしょうか。物事の始まりを指す言葉です。舞台で幕が開き、演劇がはじまるという意味でもあります。大まかな始まりを指すので、「こけら落とし」のように新しい建物というニュアンスは含まれていません。「いよいよ全国大会の幕開けだ」というように使います。

対義語にはどのようなものがある?

初めての興行を表す「こけら落とし」。以下では対義語についても解説していきます。

千秋楽(せんしゅうらく)

能楽や芝居、相撲など「興行の最後の日」を指します。それから転じて、物事の最後という意味でもあります。語源についてはいくつか説がありますが、雅楽の千秋楽を語源とする説には、能狂言や芝居の終わりに「千秋楽」を奏すること、また、雅楽の最後の曲が千秋楽であることが挙げられます。その他にも、謡曲「高砂」の終わりにある文句が由来となっているという説もあります。

初興行と同じように、千秋楽は演劇界で重要な日であるとされています。「今日がこの公演の千秋楽だ」というように使います。

英語表現とは?

(c)Shutterstock.com

「こけら落とし」の英語表現には下記のようなものがあります。

1:the opening of a new theater

直訳すると「新しい劇場の始まり」となり、「こけら落とし」と同じように新築もしくは改築後の建物を表現しています。

2:○○was performed at the opening of 〜

「○○が〜でこけら落としに際して演じられた」という訳になります。例えば「The Lion King was performed at the opening of the theater.」とすると、「ライオンキングが劇場でこけら落とし作品として演じられた」という意味になります。

最後に

「こけら落とし」は、日本の伝統的な文化から生まれた言葉です。聞き覚えはある言葉でも意味や語源、使い方は案外知られていない言葉かもしれません。今後「こけら落とし公演」などいう広告を見かける機会があれば、ぜひ足を運んでみてください。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

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