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顎ニキビはマスクのせい!?
「マスクのせいで顎にニキビが…」というお悩みをかかえていませんか? これから、マスクと顎ニキビの関係について説明していきます。
マスクによる顎ニキビの症状
マスクによってできる顎ニキビの症状について、見ていきましょう。
肌のザラつき
肌のバリア機能が乱れると、未熟な角質が増えたり角質が薄くなるため、カサカサ・ざらざらして肌のキメがあらくなってきます。毛穴の入り口に異常な角化(角質が増えること)を起こすとゆくゆくはニキビができることもあります。
かゆみ・ヒリヒリとした痛み
マスクが触れている部分が肌にあたり、かゆみが出たり、ヒリヒリすることがあります。特に敏感肌の方はもともとのバリア機能が弱いので刺激を受けやすく、ニキビの部分にもかゆみを伴うことがあります。
赤み・ニキビだらけ
マスクをつけていると、口の周りが炎症を起こし、赤くなることがあります。また、ニキビや脂漏性皮膚炎がたくさん発生することも…。
なかなか治らない
そもそもマスクをしていること自体が肌にとって過酷な環境です。また、もともとニキビができやすい方にとっては、繰り返し顎ニキビができやすくなります。
顎ニキビがマスクによってできる原因
顎ニキビがマスクによってできるのには、おもに4つの原因があります。
摩擦
マスクを頻繁につけ外ししたり、マスクをつけたまましゃべったり笑う、あるいはサイズの合わない窮屈なマスクによる締め付けで、肌とマスクの繊維がこすれ合います。しかもマスクの下の皮膚は蒸れて皮膚のバリアが緩んだ状態なので、角質表面が削られやすくなっています。そうすると、肌のバリア機能が低下し、結果、ニキビができやすくなることがあります。
刺激
マスクの素材が肌に合わないことによる刺激から、アレルギー症状が起こることもあります。繊維の種類が肌に合わないことの他に、マスクの繊維に残った洗剤や、保湿マスクなどの機能を持たせるために使用された化学成分が合わないことも、肌への刺激につながります。
蒸れる
マスクの中は、温度、湿度ともに高いため、雑菌が繁殖しやすい状態です。また、汗や皮脂も増えることから、皮膚の細菌のバランスが変わってしまうことにより、ニキビだけでなく、脂漏性皮膚炎と呼ばれる赤みをともなったぶつぶつなどもできやすくなります。
乾燥
マスクをはずすと、マスクの内部の湿気が急激に蒸散します。このとき肌の水分も奪われてしまうことから肌が乾燥してしまい、その結果、乾燥を補うための皮脂分泌が盛んになり、ニキビができやすくなることもあります。
顎ニキビにやさしいマスクの選び方
顎ニキビにやさしいマスクを選んで、対策しましょう。選び方のポイントは、「サイズ」「素材」「形」です。
マスクのサイズ
実は、マスクのサイズが合っていないと、頻繁にずれてしまうため、それが摩擦となってしまいニキビができやすくなります。摩擦を起こさないためには、自分の顔に合ったマスクを選ぶことが大切です。
自分の顔に合ったマスクのサイズの測り方は、親指と人差し指で、L字をつくり、耳のつけ根の最も高い場所に親指の先を、鼻の付け根から1cm下の場所に人差し指の先をあて、親指から人差し指までの長さを測ります。
測った長さに応じたサイズのマスクを選べば、顔にぴったりマスクがフィットするはずです。
マスクの素材
肌が敏感な人は、マスクの素材に注目して選びましょう。ガーゼやコットンなどなら通気性がよく、肌あたりもやさしいです。また、布製のマスクだと感染防御能力が不安、という方は、布製マスクの間にポケットがあり、不織布のシートをはさむことができるマスクを選ぶのもおすすめです。
マスクの形
肌とマスクの接触面をなるべく少なくするとよいでしょう。おすすめなのは、立体タイプのマスクです。立体タイプなら肌とマスクの間に空間ができ、マスクとの接触面が少なくなります。また、マスクによる息苦しさを軽減できるのもメリットです。
マスクによる顎ニキビの予防対策
マスクによる顎ニキビを発生させない、悪化させないための予防対策を紹介します。
メイクは最低限に
マスクの中は、温度、湿度が高い状態なので、雑菌が繁殖しやすいです。メイクをしてマスクを着けると、化粧品の成分が刺激となってニキビができたり、ニキビを悪化させてしまうことがあります。できるだけメイクは最低限にとどめるようにしましょう。
肌とマスクの間にガーゼを挟む
不織布のマスクがどうしても合わないけれど、しなければならない場合には、肌とマスクの間に清潔なガーゼを挟むのがおすすめです。ガーゼは肌あたりがよく、多湿も軽減してくれます。また、不快な摩擦も抑えられるのでおすすめです。
マスクで肌をこすらない
マスクをしたまましゃべったり笑ったりすることが多いと、マスクがこすれて肌を傷つけることもあります。肌はマスク内の高湿度でふやけた状態ですので、マスクでこすれないよう、あまり顔を動かさないほうがよいでしょう。
接客などでやむを得ない場合も多いとは思いますが、顎ニキビ予防の観点から見ると、マスクをした状態で顔を大きく動かすのは控えたほうがいいですね。
丁寧なスキンケアを
1日中マスクをしていた肌はとてもデリケートな状態になっているので、いつも以上にやさしく丁寧にスキンケアを行いましょう。洗顔もゴシゴシとこすらず、軽いタッチで短時間行い、強いクレンジング剤などは使わないようにしましょう。
マスクをしなくていいときはしない
長い時間マスクを着けていると、マスク内は蒸れてきます。蒸れると雑菌が繁殖しやすい状態になるため、マスクが必要ない場面では、マスクをはずすのがおすすめです。なお、マスクをはずすときには、人がいない場所ではずしましょう。
ノンコメドジェニック化粧品を使う
ニキビのもとである「コメド」をつくりにくい化粧品「ノンコメドジェニック化粧品」を使うのも予防策のひとつです。毎日のスキンケアにノンコメドジェニック化粧品を取り入れれば、ニキビができにくい肌になります。
速攻どうにかしたい! マスクが原因の顎ニキビの治し方
マスクが原因の顎ニキビの治し方を解説していきます。顎ニキビにお悩みの方はぜひ試してみてください。
皮膚科を受診する
早く顎ニキビを治したい人や、なかなか顎ニキビが治らない人は、皮膚科を受診しましょう。皮膚科を受診すれば、医師による診察、スキンケア方法やマスクの着け方のアドバイス、処方薬などを出してもらえます。ただし、1回の受診で治るわけではないので、何度か通院する必要があるでしょう。
ニキビ治療薬を使う
ニキビ治療薬でニキビを改善できることもあります。ニキビ治療薬を選ぶときのポイントは、殺菌成分や抗炎症薬などが配合されたものを選ぶとよいでしょう。また、説明書きに記載されている用量を守って使用してください。
油分の少ない保湿剤を塗る
マスクによる顎ニキビは、油分の多い基礎化粧品を使用することで発生・悪化する場合もあります。マスクの使用頻度が高い昨今においては、保湿剤の油分は少ないほうがいいでしょう。また、マスクが直接あたる部分に保湿剤を塗っておくと、肌の保護効果が期待できるうえ、摩擦も軽減できます。
マスクによる顎ニキビには事前の対策を
マスクで隠れるからといって、マスクによる顎ニキビを放っておくのはNG。悪化するとニキビ跡が残ってしまう可能性もあります。マスクの選び方や事前の対策、対処法などで顎ニキビをつくらないようにすることが大切です。
TOP画像/(c)Adobe Stock
監修者:逗子メディスタイルクリニック院長 徳永理恵先生
国立東京医科歯科大学医学部を卒業後、同大学形成外科所属。横須賀市立市民病院では美容レーザー外来の立ち上げを行う。都内美容皮膚科勤務を経て、2010年逗子メディスタイルクリニックを歯科医の夫と開院。自然・健康・美容のまち「逗子葉山」で生活の一部としての美容医療を啓蒙、自分自身の美しさを引き出す『美肌プログラム』を提案している。3人男子の育児にも奮闘中。