【29歳・IT企業勤務女性のケース】
「趣味で使っていたアプリでの交流を通じて知り合った男性の山中さん(仮名)と、不倫関係になってしまいました。8ヶ月ほど交際して、相手の奥様に浮気がバレて終わりを迎えました」
こう話すのは、29歳の悠里さん(仮名)。IT企業に勤務しており数年にわたりテレワークで働いていて、業務の参考にと使ってみたゲームのアプリで知り合った男性と、自宅が近いことがわかり意気投合。相手が既婚者だと知ってからも気持ちが抑えられず、不倫に至ってしまったのだそうです。
「実は私たちの不倫デートは、私がテレワークで彼が営業職だったこともあり、毎回昼間ばかりでした。仕事に行くと言い家を出た彼が、そのまま私の家に直行。私は昼間は仕事がありましたが、彼は横でテレビを見たり料理を作ってくれたりして過ごしました」
不倫相手の妻が夫の「匂い」に異変を感じ…
ところが、そんな不倫関係はある日突然に終わりを迎えました。
「彼の奥様が、彼が何度も女性っぽい“匂い”を漂わせて帰宅することに違和感を覚え『浮気をしているんじゃないの?』と問い詰めたそうです。“匂い”の心当たりには、彼が来るときに使っていた香水か、家で使っているルームフレグランスか… という感じなのですが、確かに彼は頻繁にウチに来ていたので何かの匂いが移っていても不思議ではないなと思いました」
山中さんからは「その場ではうまくごまかした」と伝えられた悠里さん。しかしそのことがきっかけで「もう終わりにしよう」と不倫関係の終わりを宣言されたそうです。
彼が家に居た時間が長すぎて虚脱感が拭えない
「別れ話をされたときには『あ、そう』って感じで受け入れました。面倒な話になるのは嫌だなというのもあったので。
だけど実際に別れてみたら、思っていた以上に山中さんの存在が大きかったんです。家で会ってばかりいたのがいけなかったのかもしれないのですが、当たり前のように彼が居た場所にもう彼が来ることはないんだ… と思うと虚しくなっちゃって。家の中にも彼が使っていたものがたくさん残っていて、見るたびに彼のことを思い出しちゃうんです。
それに、彼にとって私は電話1本でサヨナラできる存在だったのかと思ったら情けなくなりました。さんざん『愛してる』と言ってくれていたのはなんだったのかなぁと。
普通の恋愛でも別れた後にはそういう虚脱感があると思いますが、私は不倫なのにほぼ毎日のように家の中で一緒に居たものだから、とにかく寂しくて。引っ越しでもしないと山中さんのことを忘れることはできないかもしれないって思います。
最初はすごく安易な気持ちで不倫を始めちゃったんです。終わるときのことなんて考えてもいなかったし。だけどこんなにつらいなら、不倫なんてするべきじゃなかった。ただの元恋人になら復縁をお願いすることもできるけれど、不倫だから絶対にできないし。
引っ越したいけれど、お金がないからしばらくは今の家で暮らさないとダメなんです。つらいですね。なんで軽い気持ちで不倫をしてしまったのか…、何も残らないしこんなに虚しいとわかっていたら、絶対に不倫なんてしなかったです」
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並木まき
ライター・時短美容家。シドニー育ちの東京都出身。28歳から市川市議会議員を2期務め政治家を引退。数多くの人生相談に携わった経験や20代から見てきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様を活かし、Webメディアなどに執筆。