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2022.04.13

「カスタマーハラスメント」とは? クレームとの違いや対処法を紹介

「カスタマーハラスメント」とは、顧客という優位的な立場を利用して、理不尽な要求や言いがかりを企業や取引先に行う行為のことです。そこで今回は、「クレーム」との違いや「カスタマーハラスメント」が増えた理由、実際に「カスタマーハラスメント」を受けた際の対処法を紹介します。

「カスタマーハラスメント」とは?

(c)Shutterstock.com

「セクシュアルハラスメント」「モラルハラスメント」という言葉が一般化している現在ですが、「カスタマーハラスメント」を知っていますか? 略して「カスハラ」と呼ばれています。

「セクハラ」や「モラハラ」、「パワハラ」と比べるとまだあまり知られていない分、実際に「カスタマーハラスメント」と遭遇した際の対処に困ることがあるかもしれません。今回は、「カスタマーハラスメント」への対処法も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

「カスタマーハラスメント」の意味

「カスタマーハラスメント」とは、企業に対して「顧客」という優位的な立場を利用して行う、過度な嫌がらせや理不尽な要求のことです。

例えば、「スタッフに対して、大声で怒鳴る」や「店に対して理不尽な謝罪を要求する」などが、分かりやすい「カスタマーハラスメント」になります。他にも、「口コミサイトにいわれの無い悪評を書き込む」ことや「SNSで拡散するぞ」など脅迫まがいの行動も「カスタマーハラスメント」です。

「カスタマーハラスメント」と「クレーム」の違い

「カスタマーハラスメント」と「クレーム」の違いについて説明します。「クレーム」は、お店や企業側に対して、サービスの向上や改善を求める行為で、個人的な感情を含みません。

一方、「カスタマーハラスメント」は、個人的な感情が含まれます。「クレーム」と違い、理不尽な嫌がらせなど悪意を持った行為が主に「カスタマーハラスメント」です。

「カスタマーハラスメント」の具体例

(c)Shutterstock.com

続いて、「カスタマーハラスメント」の具体例を紹介します。

1:脅迫

先ほども取り上げましたが、「SNSで拡散するぞ」、「悪評を口コミに書いてやる」といった威嚇や脅迫は「カスタマーハラスメント」です。スタッフの反応を楽しんでいる場合もあり、非常に悪質といえます。このようなことを言われると、スタッフ個人で対応することは非常に難しく、結局どう対応しても悪評を書き込まれることがほとんどですので、警察を呼んで対応するのが良いでしょう。

2:時間を拘束する

「クレーム」としてレジや電話でスタッフを長時間拘束するのも、実は「カスタマーハラスメント」にあたります。中にはストレスの捌け口として悪用している場合も。他のお客様の迷惑になりますし、仕事も捗りません。そして何より、対応しているスタッフにとって非常にストレスです。

3:暴言

単純な暴言も、勿論「カスタマーハラスメント」です。サービスや商品に関係の無い容姿について暴言を吐かれたり、「土下座しろ」と要求したりすることもあります。「お客様至上主義」傾向のある日本にとって、深刻な問題です。

「カスタマーハラスメント」が増えた理由とは?

「カスタマーハラスメント」という言葉が生まれたのは、先ほど紹介したような事例が多くみられるようになったからです。背景には以下のようなことが考えられます。

1:SNSが普及した

カフェで休憩したり、ランチする場所を探したりする時、どのようにしてお店を探しますか? SNSや、口コミサイトを活用する人が多いのではないでしょうか。誰でも簡単に発信することができるようになったため、「カスタマーハラスメント」も増えたのだと考えられています。

2:「お客様至上主義」という考え方

日本では、「お客様は神様」という言葉があるように、「お客様至上主義」の傾向があります。また、消費者を保護する法整備が行われたことで、消費者の地位が向上したことが背景です。例えば、「クーリングオフ」というある条件を満たした一定の期間内であれば、商品やサービスを返品できる消費者目線に立った制度があります。

しかし、消費者側が「クーリングオフ」を悪用して、企業やお店側に返品・交換を強制する事例もあるようです。

3:サービスの高品質化

お店や企業側のサービスや商品が高品質化したことも「カスタマーハラスメント」が増加した理由といえます。「他の企業よりも良いものを」という考えがエスカレートして過剰なサービスが増加しました。

求められるサービスの質が高まった結果、少しでも不備があると不満に思うようになってしまったのです。

「カスタマーハラスメント」に遭った際の対処法

(c)Shutterstock.com

「カスタマーハラスメント」に遭った場合、お金を対価とした商品やサービスを提供している立場として、企業側は低い姿勢にならざるを得ません。そのため、正しい判断や行動が出来ないというケースがほとんどです。いざという時のために対処できるよう、効果的な方法を紹介します!

1:研修を行う

企業側には「安全配慮義務」という義務があります。これは、企業で働くスタッフが安全に働けるような環境を作り、配慮しなければならない義務のことです。その一環として、研修を取り入れる企業が増えています。

「カスタマーハラスメント」における正しい知識を身につけてもらったり、対応の仕方を共有したりすることで、「カスタマーハラスメント」対策をしましょう。

2:警察へ通報する

悪質な「カスタマーハラスメント」に遭遇した際は、速やかに警察へ通報するようにしましょう。また、暴言や脅迫は、恐喝罪や脅迫罪、強要罪、長時間の拘束は監禁罪に当たる場合もあります。場合によっては警察だけでなく、弁護士に相談することもおすすめです。

3:出来事を共有する

「クレーム」や「カスタマーハラスメント」など、顧客とのやり取りを共有する仕組みを整えておくと効果的です。例えば週に1回ミーティングの時間を取ったり、メッセージアプリのグループ機能で共有できるようにしておくなど、意見交換や相談できる場を設けておくことで、いざという時の対応がしやすくなります。

また、出来事を共有できるスペースを用意しておくことによって、「クレーム」を活かしてこれからの改善点や目標を見つけることもできるため、一石二鳥です。

最後に

企業も、企業で働く人も、居心地の良い環境で働けたらお互いにとって理想ですよね。火災や地震の避難訓練のように、日頃から対応の準備をしておくことで「カスタマーハラスメント」に上手く対応することができます。今回紹介した知識や対処法をぜひ活用してくださいね。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

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