日本の別荘文化発祥の地・軽井沢に、サロン文化を継承するホテルが誕生
ようやく蔓延防止等重点措置が終了。Go Toキャンペーンも始まりそうなこのタイミングで、世界的ホテルグループIHGホテルズ&リゾーツのホテルインディゴが軽井沢にOPEN。軽井沢といえば、江戸時代に外国人が日本で最初の別荘を建てたことから、日本の別荘文化発祥の地といわれる場所。海外に行けそうで行けないモヤモヤした中、“海外別荘気分”を味わいに出かけてみたのであります。
軽井沢の避暑地としての始まりは、カナダ人の宣教師ショーさんが犬塚山に建てた一軒の別荘から。今から120年以上も前のことです。彼が軽井沢の環境の素晴らしさを海外の仲間たちに伝えたことによって拡散。次々と外国人がやってくるようになり、現在の礎を築いたのでした。
ちなみに、軽井沢の人口約2万人に対して別荘の数は1.5万軒!
▲軽井沢ショー記念礼拝堂横にショーハウス復元委員会によって復元されたもの
軽井沢はまた、“サロン文化”という独特の文化をもった土地でもあります。自宅や別荘、カフェなどでプチコンサートや朗読会、鑑賞会を行うという、なかなか優雅な文化です。
ホテルインディゴ軽井沢を紹介
ホテルインディゴ軽井沢で“サロン文化”のアイコンとして設けられているのが、ロビーの中央にドカンと置かれた大きな暖炉。ロビーのチェックインカウンター横のカウンターはバーでもあり、宿泊している人もそうでない人も、皆が集える場所として備えたものだといいます。
取材当日ロビーで行われていたのは、TOWA TEIさんのDJプレイ。贅沢すぎるサロン文化です。でもなぜ彼? 知っている人は知っていると思いますが、彼は2000年に軽井沢への移住を果たしています。その理由を「静かな環境で音楽と向き合いたかった」、というようなことを過去のいくつかのインタビューで答えています。当日の彼の話によると軽井沢の日々の中、「温泉に入ってくつろぐのが最高」らしいです。
人が集う場所としてもう一ヶ所。フォレストガーデンに設けられたファイヤーピット。
世界中で100を超える数を展開するホテルインディゴのコンセプトは、ホテル近隣=ネイバーフッドにある文化や背景を取り込むというものがあり、アートやインテリア、食事の中に活かされています。
建物に使われる木材の8割近くを長野産の唐松にしたり、カナダの宣教師がこの地に別荘文化を切り開いたときに使ったランタンをイメージしたものが配置されていたり。
モータースポーツ発祥の地でもある軽井沢にちなみ、クラシックカーが置かれていたり…。
ネイバーフットに加え、ホテルインディゴ軽井沢独自のコンセプトの一つが「ワーケーションを楽しめるホテル」。ロビー、ラウンジ、焚き火のまわりと好きな場所で自由に仕事をしてもらいたいということから、寛げる空間を設けてUSBポート、コンセントも随所に設置されています。
◆客室
客室は3カテゴリー。「コンテンポラリーアート&インテリアデザイン」の室内。ほとんどの客室がテラス付き。ビューバス、ガラス張り、大きな窓の相乗効果で実際より広く感じて、開放感あり。
◆アメニティもチェック
ドライヤーはSALONIA「スピーディイオンドライヤー」。なかなかの風量で速乾! ちなみに大浴場(男性)に置かれていたドライヤーはmod’s hair製。
ボデイ&ヘアケアは世界のインディゴ共通、化学物質不使用のオーストラリアのBiology。
地ビール、ジュース、ミネラルウォーターと、冷蔵庫内のドリンクにもネイバーフットを意識し、地元産のもの用意。
▲ティーパックはお茶ではなく紅茶
部屋に備え付けの丹前(のようなもの)とパジャマ。外資系ホテルが作ると、なんかオシャレ。レストラン以外の場所に丹前姿で出ていってもOK。首にタオルを巻くとモード感がアガる? 気がします。
◆バス&スパ
やっぱり日本人には大浴場がないと。ということでスタイリッシュな外資系ホテルであっても、ちゃんとあります。屋内の風呂と半露天風呂の2つがあり。炭酸泉の泡の刺激が心地よく、血行を促してくれます。ちなみに他のお客さんがいなかったので泳いでみました。風呂の長さは平泳ぎ4掻き可能という、結構なサイズ。ブームのサウナもちゃんとあります。
旅行のアクティビティに外せないスパ。ワールドベストスパほか、数々の受賞歴を持つタイのスパブランド、HARNN。
◆食事
ホテルのメインダイニング、「KAGARIBI」。“パークハイアット ニセコ”、銀座のイタリアンレストラン“ラ・ベットラ”のシェフ他の経歴を持つ料理長・古村さんの作る料理には、ハーブや野菜類など軽井沢近隣で栽培された食材が使われ、料理にもネイバーフットが活かされています。
▼朝食もこちらのレストランで。和洋のビュッフェ料理
パンはすべてホテルで焼いた焼き立てパン。シェフのおすすめはフレンチトースト。
外国人宣教師の避暑地として始まった軽井沢。とある資料によれば、宣教師たちは住民たちに「時間と約束を守ること、ウソを言わぬこと、生活を簡素にすることを実践するよう呼びかけ、永遠に清潔で住みやすい町にしようとした」といいます。なんかいいですね、そういうの。
軽井沢の町では(軽井沢でなくても)、自分もそのような行動を心がけないとですね。と思いつつ、ホテル近くのアウトレットで煩悩が出ちゃいます!
山下マヌー Manoue Yamashita
雑誌編集者を経て旅行コラムニスト/作家に。渡航回数350回超、最新刊『 山下マヌーのランキンハワイ最新版』で著作は62冊に。
Travel columnist&writer after a magazine editor.
Over 350 times to foreign travel, and over 60 books of the copyright so that work.