29歳・コンサルタント事務所勤務女性のケース
「私が不倫していたのは、25歳からの3年間。“パパ活”に近い形で金銭的援助を受け、豪華な食事やプレゼントに囲まれる華やかな毎日でした」
こう語るのは、未來(仮名)さん。現在は29歳になっていて、28歳のときに不倫を終えました。
「相手は事務所のボスだった神野(仮名)さんです。ボスと言っても独立が早かったので、年齢は40代半ば。奥様と子どもがいましたが激務続きの毎日で、家族が暮らす家のほかにオフィスの近くにマンションを借りていて、そこで私と疑似結婚生活をするように過ごしていました」
神野さんの生活は派手で、芸能関係者との付き合いも多かったのだとか。未來さんは神野さんに連れられて行った会食で芸能人やマスコミ関係者とも出会い、華やかな生活を謳歌していたそうです。
取引先の女性社長がボスの妻と知り合いで事態が急変
「2年半ほどは穏やかな毎日を過ごしていました。ボスが離婚して私と一緒になってくれる可能性は低いと思っていたので、私もそれは望んではいませんでした。ただ、ボスからの毎月の援助額は20万円あり、その他にプレゼントも買ってもらっていて、私はその生活を手放したくなかったんです。
自分の中でも30歳までにこの関係を終わらせる予定でいましたが、現実には予想しない形でジ・エンドを迎えました」
ある日いつものように神野さんに連れられて会食の場に行くと、そこに居た女性経営者が神野さんの妻と知り合いであることが判明。その場では神野さんも未來さんも周囲に関係を気づかれないように振る舞ったそうですが、いわゆる“女の勘”が働いたのか、その女性経営者が神野さんの妻に「アシスタントの女性に気をつけて」と忠告をしたことで、事態が急変。
「その数日後、神野さんからいきなり『もう終わりにしよう。事務所も退職してくれ』と言われました。神野さんからは、奥様が神野さんの不倫を疑って監視が厳しくなりそうなことや、もしも不倫していることが発覚した場合には多額の慰謝料をもらって離婚すると宣言してきたことが理由だと言われました。
そこでゴネるわけにもいかなかったので、私はその場で別れと退職を了承。手切金はなくあっさりと終わりを迎えました」
仕事も華やかな生活も失い、何も残っていなかったことに気づく
「彼と別れてから、事態の大きさに気づきました。すぐに同条件の職場に転職できるだろうと思っていたのに、転職活動は予想外に難航。コンサルタント事務所での勤務経験はあるものの、特別なスキルが何もない私は転職に不利だと思い知らされました。それに、それまで気づかなかったのですが、以前の職場ではずいぶんと自分が優遇されていたことにも改めて気付かされました」
不倫当時、給料の他に援助も受けていた未來さん。しかし当時は華やかな生活を謳歌しすぎて、貯金はせずに全てを使い果たしていたそう。転職も思うように進まず貯金も底をついた未來さんは全てを失い、自分には何もないと絶望。
「結局、思うように転職できなかった私は今、事務員とアルバイトをして生活をつないでいます。不倫当時とは全く別人と思うほど地味な生活です。当時の友人たちには華やかな子が多かったので、今はその子たちとつるむこともできず、仲のいい友達もいなくなりました。インスタのアカウントもポストするネタがないので放置しています。
不倫をしていたときはとにかく派手な生活を送っていたので、周囲に勝ったような気持ちになっていたけれど、30歳を目前にしてキャリアもお金もないなんて私は何をしていたんだろうって今は後悔しかありません。もっと真面目に生きてくればよかった。今から人生を立て直すのは、思っていたよりも大変なことだと身に染みて感じています」
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並木まき
ライター・時短美容家。シドニー育ちの東京都出身。28歳から市川市議会議員を2期務め政治家を引退。数多くの人生相談に携わった経験や20代から見てきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様を活かし、Webメディアなどに執筆。