さえぎらない、話を変えない
「あのね、こんなことがあってね、それでこうなってね」…… この話に対して、途中で「あ、ところで全く話は変わるんだけど」と話を変えるのはやめましょう。違う話題を切り出す時は、その話にひとつの区切りがついてからのほうが賢明な選択です。
話す人はそれぞれの話の中にストーリーを持っています。そのストーリーの最中に突然違う話題になってしまうと、泣いて悲しむまではしないながらも、心の底で寂しい思いをしてしまいます。
もし相手が楽しそうに話をしている時は「拡張話法」を使って、相手の話に沿った会話を広げていくように心がけましょう。
もちろんあなたも話したいことはあると思います。なるべく相手の話をさえぎらない。それでも自分が口をひらく時は、
「そうなんだ」
「そうだよね」
「うん、うん」
と、まず何らかの前置きを付けた上で、
「その話を聞いて思うんだけど」
「ちょっと聞いてもいい?」
と、あくまで話の流れに乗った転換や質問につなげていくように心がけましょう。そしてもうひとつ覚えておくと役に立つことは「でも」という接続詞をなるべく控えめにするということです。
「でも」の後に続くのは多くの場合、逆説的な内容です。
「私はこう思ってるんだよね」
「でも、それって間違ってるんじゃない?」
「私はこうしたいの」
「でも、それって危険だよね」
この「でも」を使いすぎると相手とのコミュニケーションはうまくいかなくなってしまいます。相手との会話になるべく「でも」を使わないようにする、ここも意識しておくと相手はスムーズに話しやすくなります。
最後にまとめです。
・100%好かれる聞き方のコツ
相手の頭の中にある脚本に沿って話を広げる
次回も引き続き、嫌われない聞き方を紹介します。
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永松茂久(ながまつ・しげひさ)
株式会社人財育成JAPAN代表取締役。大分県中津市生まれ。「一流の人材を集めるのではなく、今いる人間を一流にする」というコンセプトのユニークな人材育成法には定評があり、全国で数多くの講演、セミナーを実施。「人のあり方」を伝えるニューリーダーとして、多くの若者から圧倒的な支持を得ており、講演の累積動員数は延べ45万人にのぼる。2021年1番売れた本『人は話し方が9割』(すばる舎)をはじめ、著書多数。