日常会話では結論を求めない
話すのが上手な人、話すのが苦手な人。人にはそれぞれ話す力のレベルがあります。
たとえ話を使ってとても上手に伝えることができる人や、人を笑わせることに長けている人もいれば、逆に思いが上手く言葉にならず話がまとまらない人もいます。
走るのが得意な人もいれば苦手な人もいる、勉強が得意な人もいれば苦手な人もいるのと同じようにです。
日常のコミュニケーションの場で、話が苦手な人と出会った時、心がけてほしいことがあります。それは、極力結論を求めたり「何が言いたいのかわからない」という表情はしないということです。
「要するに」とか「ひと言で言うと」と自分のテンポでまとめてしまうと、その後、話が苦手な人はどうしていいかわからなくなってしまいます。日常会話においてのコミュニケーションはもっとラフでいいのです。
では、これをビジネスの場に当てはめて考えてみましょう。
あなたは自分の目の前の仕事に追われています。そこに話が苦手な部下が相談に来たとします。その部下はいつも話がまとまらず、結果的に話を聞くのに時間がかかってしまうタイプです。
こんな時の解決方法のひとつとして、あらかじめ聞くことに使える時間を提示するということがスマートな方法です。
例えば「あと30分したら15分だけ時間が空くから、それまで待ってもらってもいいかな?」と言えば、部下の頭の中に「15分で説明しなきゃ」という意識が芽生えます。
それでも長くなりそうならば、「○○さんの言いたいことって、つまりはこういうことかな?」と結論をやわらかく促すこともひとつの方法でしょう。
一番気をつけたいのが「ねえ、ところで何が言いたいの?」「忙しいから結論から言ってくれるかな」と相手にプレッシャーを与えてしまうことです。
誰にでも得意不得意はあります。ここを理解して、部下とともにゆっくりと成長できるといいですね。
最後にまとめです。
・100%好かれる聞き方のコツ
話がまとまらない相手に無理やりプレッシャーをかけない
次回も引き続き、嫌われない聞き方を紹介します。
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永松茂久(ながまつ・しげひさ)
株式会社人財育成JAPAN代表取締役。大分県中津市生まれ。「一流の人材を集めるのではなく、今いる人間を一流にする」というコンセプトのユニークな人材育成法には定評があり、全国で数多くの講演、セミナーを実施。「人のあり方」を伝えるニューリーダーとして、多くの若者から圧倒的な支持を得ており、講演の累積動員数は延べ45万人にのぼる。2021年1番売れた本『人は話し方が9割』(すばる舎)をはじめ、著書多数。