個人事業主、自営業、フリーランスの違い
個人事業主=フリーランスと思われがちですがそうではなく、会社や組織に所属せず自分自身で働く人を指し、あくまでも働き方のことを指します。仕事の種類ではないため、公的な場面では「フリーランス」という職業区分はありません。
それに対して自営業は店舗や事業を営んでいる人を指し、個人事業主は開業届を出して仕事をしている人を指します。自営業は広い意味で独立開業している人なので、個人事業主はその中に含まれます。
開業届を出して税金を納めている個人事業主をフリーランスと呼ぶこともありますし、開業していなくても個人の事業によって幾らかの収入を得ていればフリーランスと呼ばれることもあります。
フリーランスで働くメリット
◆時間を自由に使える
フリーランスはとにかく時間が自由。例えば、朝ゆっくり家のなかのことを済ませてから仕事を始めても誰にも文句を言われませんし、仕事が終わらず真夜中まで仕事をするのも自由です。
◆急用にも対応できる
子どもがいる場合、急な病気や学級閉鎖などで休校の場合は仕事を休まなければいけません。会社に属していると、予定を変えてもらったり休んだ分の仕事を誰かに頼んだり、シフトを代わってもらったりする必要がありますが、フリーランスは自分で仕事の予定を調整できるので迷惑をかけることが少なくてすみます。
◆仕事を選ぶことができる
組織に属していれば、自分庭ない仕事や苦手な仕事、嫌いなクライアントとの仕事も受けなくてはなりません。しかし、フリーランスなら収入が安定しているなら、自分に合った仕事を選ぶことができます。得意分野に限定して仕事を受けてもいいし、報酬重視で仕事を受けるのも自由です。
フリーランスで働くデメリット
◆会社員よりも社会的信用が低い場合がある
フリーランスの場合、収入が安定していないという理由から社会的信用が低く見られがちで、場合によってはクレジットカードの審査やローンや融資の審査が難しい場合があります。
◆収入が安定しない
安定した収入が得られないフリーランスは、毎月の収入が安定しません。報酬が支払いのタイミングによっては、「今月は収入0」という場合も。契約が終了すると翌月から収入がないので、新たな仕事を探さなければなりません。
◆労災や雇用保険、産休・育休などの制度が受けられない
当然のことですが、会社に属していないため労災や雇用保険、産休・育休など諸々の手厚い福利厚生は受けられません。
仕事中に怪我をして仕事を休むようなことになってもその間の保証は誰もしてくれないのです。
◆保育園などの優先度が低くなる可能性がある
筆者が実際に経験したことですが、子どもを保育園に入れる際、自宅オフィスでフリーランスとして働いている場合は、どれだけ外出する頻度が高くても子どもの保育ができない仕事であっても、フルタイムで働く共働き家庭よりもどうしても優先度が低くなってしまうと言われました。
自治体側には仕事の中身まで判断する術がないため、どうしても仕事の種類で判断されてしまうのは仕方がありません。
勘違いされがちなフリーランスの話
◆子どもの世話をしながら仕事はできない
筆者がフリーランスとして働くなかでもっとも勘違いされているな、と思うのが「子どもの世話をしながら空いた時間で仕事ができる」というもの。
子どもがそばにいると、おやつやジュースが欲しいと頻繁に言ってきたり話しかけてきたり、仕事の道具に触ったりしますし、子どもが寝ている間に仕事をしようと思ってもすんなり寝てくれない時も多々あります。
職種によって可能な場合もありますが、多くの場合は仕事に集中することができず効率が著しく落ちると言えるでしょう。
◆人と関わらなくていい
仕事を安定して続けていくためには、クライアントとのやりとりは必要不可欠。作業中こそ人と話さなくてもいいですが、大抵はコミュニケーションをとって仕事のやりとりを行うため、フリーランスこそ人との関わりが重要です。
コロナ禍になって働き方が代わり、フリーランスという選択肢を考えている人も多いのではないでしょうか。これらはフリーランスのメリット・デメリットのほんの一部なので、ライフスタイルや仕事の内容に合わせてベストな働き方を模索してみてくださいね。
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ライター/コラムニスト コマツマヨ
WEBサイトライティングをメインに、インタビュー、コラムニスト、WEBディレクション、都内広報誌編集、文章セミナー講師など幅広く活動。