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2022.03.19

新しい世代についていけない… 社会人10年目の不安をどう乗り越えればいい?

30歳前後は、キャリアに迷いが出てくる年代かもしれません。そんな悩み多き私たちに、河野英太郎さん著『社会人10年目の壁を乗り越える仕事のコツ』より様々な「壁」の乗り越え方についてのコツをお伝えします。今回は、新しい物事との向き合い方。

時代の変化の壁「次々出てくる新世代、自分は古いのではないかと不安になる」
→食わず嫌いを避け、アーリーアダプターのそばにいる

(c)Shutterstock.com

4月から新しい仕事を始める人や新入社員を迎える会社員の方も多いと思います。仕事をしていると、さまざまな「壁」にぶつかり、その都度悩んでしまうことがあります。そんな「壁」を一つひとつピックアップして、乗り越え方のコツを提案します。

今回は、「次々出てくる新世代、自分は古いのではないかと不安になる」という壁。

福岡ソフトバンクホークスの監督を勤められた工藤公康さんは、1986年の流行語大賞となった「新人類」の象徴的な存在として表彰されました。当時小学生だった私は、日本シリーズで躍動する10歳年上の工藤さんをテレビで憧れの気持ちで見ていました。一方で、上の世代からはその(当時)破天荒な行動は、かなり眉をひそめられたり批判されたりもしたようですね。

その後30年以上経ち、選手としても監督としても大成された現在の工藤さんを新人類と呼ぶ人はもうさすがにいません。次から次へと「新」世代が現れるからです。

ビジネスの世界でも同じ。用語も手法も、ツールも日進月歩です。

何を隠そう私も、90年代はWindows95を搭載した最新の東芝製スリムノートPCを片手に、颯爽とお客様に電子メール活用推進や目標管理制度の導入を支援する、アンダーセンコンサルティングのブランニューアナリストでした。パワーポイントもエクセルもショートカットキーで使いこなし、11桁になったばかりの富士通製折りたたみ携帯でiモードメールまで駆使する若き精鋭。

21世紀はニューエコノミーを象徴する我らの時代…… だったはずです。「新世代」だったのはつい先日のような気がするのですが、今は名実ともに旧世代に属します。「旧型」扱いされるのにも慣れて久しいところです。

(c)Shutterstock.com

一方、社会人10年目前後というのは、あとから来た世代を迎えるのにあまり慣れていないため、初めて防御側に立つことに不安を感じるのです。

正しいと思っていた価値観が突然否定されたり、強みだと思っていたスキルが一瞬で意味のないものになったりする経験も、初めてのときはかなりのショックを受けるものです。しかし、それでも未知なるものは次々と湧き上がってきます。

相次ぐ不安要因や衝撃ですが、何度も経験していると慣れてくるもの。(長く)生きるとはそういうものである、ということがわかってきます。

ただ「前の世代」として、新しいものに対する態度で配慮すべきものがあります

まず最低限、頭からの否定はしないことです。その上で、まずは触れてみるという行動が必要です。その2つさえ守っていれば「乗り遅れてはいけない!」と張り切り過ぎるとか「もう自分は旧いから生きる道はないのかも」などと不安に陥る必要もありません。

つい先日も、SNSを中心にClubhouseというツールがバズったことがありました。招待制という展開の仕方が巧妙だったこともあり、どういうものだろうか? という好奇心を引き、招待された人の優越感と逆に招待されていない人の不安感を煽り瞬く間に広がりを見せたのです。

あのムーブメントに対する人々の態度の違いが象徴的だと、当時私は感じました。煽ったり煽られたりする渦中に入らず、とはいえ無下に否定するのでもなく、まずは使ってみて自分で要点を掴んでおき、その後活用するか距離を置くかを判断する、というのが私の身近な尊敬する人たちの対応でした。

それを繰り返すうちに、残るものと残らないもの、変わる価値と変わらない価値の判断ができるようになります。抗っても、次の世代は出てきます。

この手のことは、対抗するよりも、冷静に順応するに限ります。

『社会人10年目の壁を乗り越える仕事のコツ』発売中!

今回のほかにも、河野英太郎さん著『社会人10年目の壁を乗り越える仕事のコツ』では、さまざまな「壁」をピックアップして、乗り越え方のコツをお届けしています。気になった方はチェックしてみてください。

『社会人10年目の壁を乗り越える仕事のコツ』河野英太郎著(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

著者 河野英太郎

1973年岐阜県生まれ。株式会社アイデミー取締役執行役員COO
株式会社Eight Arrows代表取締役。グロービス経営大学院客員准教授。
東京大学文学部卒業。同大学水泳部主将。グロービス経営大学院修了(MBA)。

電通、アクセンチュアを経て、2002年から2019年までの間、日本アイ・ビー・エムにてコンサルティングサービス、人事部門、専務補佐、若手育成部門長、AIソフトウェア営業部長などを歴任。2017年には複業として株式会社Eight Arrowsを創業し、代表取締役に。2019年、AI/DX/GX人材育成最大手の株式会社アイデミーに参画。現在、取締役執行役員COOを務める。

著書に『99%の人がしていないたった1%の仕事のコツ』『99%の人がしていないたった1%のリーダーのコツ』『99%の人がしていないたった1%のメンタルのコツ』(以上、ディスカヴァー)、『どうして僕たちは、あんな働き方をしていたんだろう?』(ダイヤモンド社)、『VUCA時代の仕事のキホン』(PHP研究所)、『現代語訳 学問のすすめ』(SBクリエイティブ)などがある。

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