正論は使い方を気をつけよう
世の中には正論というものがあります。
この正論を通しすぎると、相手は自分自身を否定された気分になります。こうなるともう話はできません。正論を押しつけられると、いくら正しくても人は反発するものなのです。
そうではなく、まず相手の話をしっかり聞くことで、相手の考え方、そして感情を知ることから始めましょう。特に気をつけておくべき場所は、お酒の場です。
ふだんは理性でブレーキをかけることができていても、お酒でそのブレーキが外れてしまうと、ついつい自分自身の我(が)が出てきてしまいます。その状態で違う価値観に向き合うと、つい相手を攻撃してしまい、人間関係がこわれてしまうのです。
人として、相手を1人の人間として尊重してこそ、いい関係性が成り立ちます。一般のコミュニケーションを取る時に、無理に「教えよう」とか、「相手の間違えた考え方を正してやろう」とはしないほうが賢明です。
自分の価値観を言っていいのはただ1点だけ。
「ねえ、あなたはどう思う?」と相手から聞かれた時のみです。
その時も、自分の価値観を強要することはやめましょう。
あくまで
「自分はこう思うよ」
「私ならそんな場合はこうする」
という自分自身の考え方やスタンスを示せばいいだけです。
それを相手がどう捉え、どんな選択を取るのかは、相手自身の問題です。
自分は自分の価値観で生きる。
相手は相手の価値観で生きる。
ここをしっかりと守っていきましょう。
最後にまとめです。
・100%好かれる聞き方のコツ
人間関係は、正しければうまくいく、というものではない
次回も引き続き、嫌われない聞き方を紹介します。
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永松茂久(ながまつ・しげひさ)
株式会社人財育成JAPAN代表取締役。大分県中津市生まれ。「一流の人材を集めるのではなく、今いる人間を一流にする」というコンセプトのユニークな人材育成法には定評があり、全国で数多くの講演、セミナーを実施。「人のあり方」を伝えるニューリーダーとして、多くの若者から圧倒的な支持を得ており、講演の累積動員数は延べ45万人にのぼる。2021年1番売れた本『人は話し方が9割』(すばる舎)をはじめ、著書多数。