【目次】
・「努力に勝る天才なし」の意味とは?
・「努力に勝る天才なし」は誰の言葉?
・「努力に勝る天才なし」の使い方を例文でチェック
・「努力に勝る天才なし」の類語や言い換え表現とは?
・最後に
「努力に勝る天才なし」の意味とは?
日常生活で時折耳にする「努力に勝る天才なし」という言葉ですが、正確な意味は辞書に載っていません。そこで一つ一つの言葉の意味から読み解いていきましょう。
「努力」は、「ある目的のために力を尽くして励むこと」「休んだり怠けたりすることなく、つとめ励むこと」です。次に「勝る」は、「他と比べて価値、数量などがすぐれていること」。「天才」は、「天から与えられたすばらしい才能。生まれつき持っているすぐれた才能」となります。
これらの意味から考えると、「努力に勝る天才なし」とは、「目標のために努力する人は、生まれつき優れた才能を持つ人より秀でている」というように解釈できます。日常生活で使う時には、「コツコツ真面目に努力してきた人以上の天才はいないよ」というようなニュアンスで使われることが多いでしょう。
「努力に勝る天才なし」は誰の言葉?
「努力に勝る天才なし」は、有名な言葉ですが、誰が生んだ言葉かは定かではありません。ですが、「努力を積み重ねればいずれ良い結果が出る」と言った意味合いは、スポーツ界や学問、ビジネスなど幅広い分野で使われています。
特にスポーツ界では多くの著名人が「努力に勝る天才はなし」と同じような意味合いの名言を残しています。野球監督の野村克也氏もその一人です。彼は「野球をする上で一番大切なことはなんですか?」と聞かれた際に、「まず基礎づくり。単純すぎておもしろくないからみんなやらない。コツコツやるしかない。必ず答えは出る。努力に勝る才能なし」と答えたそうです。
また、相撲界では第72代横綱である稀勢の里が、中学時代の卒業文集で次のような言葉を書きました。「天才は生まれつきです。もうなれません。努力です。努力で天才に勝ちます」。
また、偉人として歴史に名を刻んでいる人物も、同じような言葉を残しています。相対性理論を発表し、ノーベル賞を受賞した天才科学者アインシュタインは、自らのことを凡才と称しています。「天才とは努力する凡才のことである」。
国や時代を問わず偉大な功績を残した人たちが、口を揃えて同じ言葉を述べていることは興味深いですね。端から天才と呼ばれている人ほど、努力の大切さを身に染みて実感しているのかもしれません。
「努力に勝る天才なし」の使い方を例文でチェック
「努力に勝る天才なし」は、目標に向かって努力することから、スポーツや受験勉強、ビジネスの場面など幅広く使うことができます。例文を見てチェックしてみましょう。
1:努力に勝る天才なしという言葉の通り、彼はボクシング界の王者となった。
「努力に勝る天才なし」は、スポーツ選手が使う言葉でもあります。毎日きつい練習を繰り返し、長い道のりを経てようやくチャンピオンになれたときなどは、まさに「努力に勝る天才なし」といいたくなるものです。
2:コツコツと顧客回りを続けた結果、Aさんは営業成績トップになった。まさに努力に勝る天才なしだ。
真面目に努力を重ね続けた結果、素晴らしい成果を挙げた人に「努力に勝る天才なし」の言葉は当てはまります。成果をあげた人が頑張ったことへの褒め言葉として使うことができますね。
3:彼は「努力に勝る天才なし」を座右の銘に挙げ、大学受験に取り組んだ。
「努力に勝る天才なし」は褒め言葉以外にも、自分自身を叱咤激励するときに使います。目標となる座右の銘を掲げることで、勉強を頑張るモチベーションも上がるもの。受験勉強の時にもぴったりな言葉といえるでしょう。
「努力に勝る天才なし」の類語や言い換え表現とは?
「努力に勝る天才なし」は、「真面目に努力を重ね続けた結果、素晴らしい成果を挙げること」。似た意味を持つ言葉には、「駑馬十駕」「大器晩成」「ローマは1日にしてならず」などがあります。それぞれの詳しい意味を解説していきましょう。
1:駑馬十駕
「駑馬十駕」は、「どばじゅうが」と読みます。あまり聞き慣れない四字熟語ですね。意味は「才能がない人でも努力を怠らなければ、秀才に追いつくことができるというたとえ」です。「駑馬(どば)」とは「のろい馬」「才能の劣る者」のこと。「十駕(じゅうが)」は「十日走る」という意味があります。
同じ意味のことわざに「驥(き)は一日にして千里なるも、駑馬も十駕すれば之に及ぶ」があります。「努力を続ければ、秀才に近づくことができる」という意味は「努力に勝る天才なし」とよく似ています。
2:大器晩成
「大器晩成」は、「たいきばんせい」と読みます。こちらはよく聞く言葉ですね。意味は「大きな器を作るには時間がかかる。大きな仕事をするには時間が必要である」また、「真の大人物は、才能を発揮するまでに長い年月を費やすもの」です。もともとは器を作る時の言葉だったものが、転じて人物を指すようになりました。
ちなみに、ある程度歳を重ねてから、仕事に成功したり、良い結果を治める人のことを「大器晩成型」と表現します。
3:ローマは1日にしてならず
有名なことわざなので知っている方も多いでしょう。大いに繁栄したローマ帝国も「全ての道はローマに通じる」と言われるまで、約700年もの歳月がかかっています。
「ローマは一日で建設されたものではない」ことから「大きな事業は長い年月にわたる努力の積み重ねがあってこそ可能である」という意味で用いられるようになりました。ヨーロッパから入ってきた表現で、日本では明治時代に現在の言葉として定着したといわれています。
最後に
「努力に勝る天才なし」とは、「目標のために努力する人は、生まれつき優れた才能を持つ人より秀でている」という意味の言葉です。自分の身近に努力して結果を残した人がいた時には、褒め言葉として使うこともできますね。
また、自分自身がスポーツや受験勉強などで頑張っている時には、この言葉を座右の銘にしてみることもおすすめです。悩んだり落ち込んだりした時ほど、背中を押し、モチベーションを上げてくれる言葉になるのではないでしょうか?
TOP画像/(c)Shutterstock.com