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2022.01.01

【脳科学者 中野信子】相手を傷つけず、自分の主張を通す方法。「頭のいい人」がやっているのは…

相手との友好的な関係を保ちつつ、自分を主張する方法は? 世界の「頭のいい人」はどんなことをしている? 脳科学者・中野信子先生の『世界の「頭のいい人」がやっていることを1冊にまとめてみた』からピックアップして紹介します。

頭のいい人がやっていることって?

IQの高い人たちや、世界で評価され、活躍しているビジネスパーソンなど、世界のさまざまな「頭のいい人」の姿を見てきたという脳科学者の中野信子先生。

このような経験を経てきて、中野先生が強く思ったことは、逆境も自分の味方にして、したたかに生き抜いていくのが、「世界で通用する、本当に賢い人の要件」だということなのだそうです。

今回は「頭のいい人」たちがやっている習慣術について、『世界の「頭のいい人」がやっていることを1冊にまとめてみた』(アスコム刊)の著者でもある中野先生にお伺いしてみました。

ニコニコしながら主張する。角を立てずに相手を操縦!

◆日本を代表する技術者は一緒にいるのが楽しい人

(c)Shutterstock.com

しばらく前に、NHKの『プロジェクトX』という番組が放送されていました。この番組は、戦後の日本で起きた様々な開発プロジェクトを取り上げています。成功までの苦難をどのように乗り越えていったのかをドラマチックに描いたことで、大変な人気を博しました。電気製品や自動車などの産業、ダムやトンネルといった土木事業など、題材は多岐にわたります。

この『プロジェクトX』で特集を組まれた一人に、日本の某大手電気メーカーで役員をされていたKさんという人物がいます。世界に冠たる日本の科学技術を、Kさんは地道に発展させてきたのです。Kさんこそまさに、20世紀の「技術大国・日本」を牽引してきた功労者といえるでしょう。

Kさんは、技術畑での仕事をはじめ、アメリカやヨーロッパでの営業、現地法人の立ち上げなどの任務、そして最終的には本社の重要な役職までこなされました。現在は第一線を退かれ、有望な若手実業家を育てるという立場にいらっしゃいます。こんなKさんですから、経歴だけ見ると、何だかものすごいものがあります。最初に会うときはとても緊張してしまいました。「もしかしたら、怖い人なのかな …」と。

でも、実際にお会いしてみると、本当に物腰が柔らかで、いつも笑顔の素敵な紳士なのです。若い人とカラオケに行くのも大好きなようです。何より、若い人と話をして、いろいろな知識を吸収するのを楽しむというように、好奇心にあふれているのです。機知に富んだ会話で年齢を感じさせず、一緒にいるとこっちまで楽しくなりました。

◆笑顔をふりまきながらも主張は押し通す

(c)Shutterstock.com

Kさんは、一見とても人の良さそうな、親しみやすい雰囲気を持っています。なので、「この人が、海千山千の強力なビジネスマンが闊歩するアメリカやヨーロッパで、どうやって、自社の技術を売り込んできたのだろう?」と考えると、何とも不思議な感じがしてしまいます。ただでさえ、日本人は世界中で「いいカモ」と思われがちだというのに…。

Kさんはなぜ、カモにされることなく、相手にとっても自分にとっても良い関係を築き、事業を大きく発展させることができたのでしょうか?

実は、Kさんはとても物腰が柔らかで、いつも笑顔を絶やさない一方で、主張を絶対に曲げることがなかったのです。

Kさんは、相手の話をよく聞く人であるのはもちろんなのですが、ずっとお話ししていると、いつの間にかKさんのペースに巻き込まれていくのです。そうすると、話をしているうちにKさんの考え方や方針が、何となく正しい気分になってしまうわけです。

◆相手を尊重することで友好的な関係が長続きする

(c)Shutterstock.com

「議論を戦わせて、相手のミスを突き、自分の考えを通す」という方法が有効だと考える人も多いかもしれません。特に、欧米で仕事をしていたら、なおさらです。

でもそれでは、相手を傷つけてしまう場合があります。傷つけられた相手はどう感じるでしょう? 「もう、こんな奴とは二度と仕事したくない」と思ったり、「こいつともう一度仕事をすることがあれば、徹底的に恥をかかせてやろう」なんて復讐心に燃えたりしてしまうんじゃないでしょうか? これは欧米に限らず、世界中どこでも同じこと。人間の本質によるのです。

相手を言い負かしたそのときだけは、優越感に浸れます。でも、その相手と持続的に良い関係を築いていくことは難しくなってしまうのです。それは、ビジネスのあり方としては、あまり効率の良い方法ではないですよね。

Kさんのように、いかにも日本人らしく、周囲を気遣うといった「和」を重んじながらも、譲らない。あわよくば、相手を巻き込んでしまう。こんな方法であれば、相手のプライドを傷つけることはなく、自分のやりたいことも良い形で貫けるのです。

また、相手を尊重しているという姿勢は崩さないので、友好的な関係を長く保ち続けることができ、互いにメリットが大きいのです。実にしたたかで賢いやり方ではないでしょうか。

◆気持ちの良い会話を生み出す「アサーション・トレーニング」

(c)Shutterstock.com

「そう言われても、うまくできそうにない…」という人もいるかもしれません。いったんクセ付けされてしまった自分の行動は、そう簡単には方向転換できませんよね。

でも、解決策はあります。その一つが、「アサーション・トレーニング」。自分の意見を冷静に伝え、かつ相手側の立場をも考慮したコミュニケーションを体得するための、心理学を使った方法です。

アサーション・トレーニングをするにあたっては、人間の対応パターンを「攻撃的」「受け身的」「アサーティブ(誠実で対等)」という三つに分けて考えることから始まります。そして、この中でも「アサーティブ」にあたる態度をとることができるように練習するのが、アサーション・トレーニングとなります。

例えば、身に覚えのないことで怒られたりして嫌な思いをしたとしましょう。このとき「逆切れ」をして、怒っている相手に怒鳴り返すのは「攻撃的」な態度となります。口をつぐんで、本当は自分は何の罪もないのに「ごめんなさい…」と謝ってしまうのは「受け身的」となります。

では、あまり聞きなれない「アサーティブ」にあたる態度とは、どんなものなのでしょうか? これは、「私はそのようなことをした覚えがないのですけど、あなたからはそのように思われているので、とっても悲しいです」などと言うことで、相手を責めもしなければ、自分を卑屈にすることもないことを指します。つまり、自分の素直な気持ちを伝えるのです。

「『あなた』がそんなことを思うなんて」とか「『あなた』はどうしてそんな風に思うのですか?」などの言い方をせず、「『私』はそんな風に思われて悲しい」というように、あくまで『私』を主語にする言い方に徹するのが秘訣です。少し練習が必要ですが、「アサーティブ」な態度をとるクセを、ぜひつけてみてくださいね。

アサーション・トレーニングをすることで、さわやかに主張できるようになります。そして、不当に扱われたり、人に利用されたりすることが減ります。また、怒りをぶつけて相手との関係を悪くしてしまうとか、腹が立ってストレスをため込んでしまうという状況も、未然に防げるようになります。

別に、相手を議論で打ち負かさなくてもいいのです。肩書きや業績で勝つ必要もまったくありません。

ただ、相手の言うことにしっかりと耳を傾けながらも、笑顔を絶やさず、自分の主張は曲げない。言葉で書くと簡単ですが、実は意外と難しいこと。でも少しずつ、練習してみてください。誰でもできるようになっていきますから。

それだけで、あなたのペースに巻き込まれて味方になってくれる人が倍増します。不思議なことですが、だまされたと思ってやってみてください。その効果に驚くことは間違いありません!

* * *

さらに詳しい「頭のいい人」たちがやっている習慣術は、中野信子先生の『世界の「頭のいい人」がやっていることを1冊にまとめてみた』(アスコム刊)で紹介されています。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

脳科学者、医学博士、認知科学者 中野信子

1975年、東京都生まれ。脳科学者、医学博士、認知科学者。東京大学工学部応用化学科卒業。東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。フランス国立研究所ニューロスピンに博士研究員として勤務後、帰国。脳や心理学をテーマに研究や執筆の活動を精力的に行う。科学の視点から人間社会で起こりうる現象及び人物を読み解く語り口に定評がある。現在、東日本国際大学教授。著書に『世界で活躍する脳科学者が教える! 世界で通用する人がいつもやっていること』『脳はなんで気持ちいいことをやめられないの?』(アスコム)、『サイコパス』『不倫』(文藝春秋)、『シャーデンフロイデ』(幻冬舎)、『キレる!』(小学館)など多数。また、テレビコメンテーターとしても活躍中。


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