【食事と健康のハナシ】その情報はホントに正しい?
「○○を食べると健康にいい」という情報は、商品の売り上げに大きく貢献します。巷では、ありとあらゆる健康に関する話であふれていますが、けっこう間違っているものも少なくありません。
◆科学的根拠=エビデンスには強さのレベルがある
ひとりの医師が「コレはいいですよ~!」とおすすめしているエビデンスより、複数の研究結果をとりまとめた研究手法であるメタアナリシスから導き出されるエビデンスのほうが、科学的根拠が強いといえます。実はこのエビデンスのレベルってとても大事。
とはいえ、私たち一般の人が、元になっている研究の質やエビデンスの強さを見極めるのはなかなか難しいところ。そこで書籍『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』に書かれている“科学的な根拠に基づく健康にいい食事”のなかから、特に健康意識が高い方にお届けしたいお役立ち情報をピックアップ。
炭水化物を減らすと痩せるってホント?!
「糖質制限ダイエット」や「低炭水化物ダイエット」という名前で呼ばれる炭水化物の量を減らせば痩せますよ~というダイエット法。これって本当に効果はあるのでしょうか?
◆炭水化物を減らせば痩せるという考え方は正確ではない
食事によるダイエットにおいて、炭水化物を減らした分、何を食べるか? ということが重要。炭水化物さえ減らせばステーキでも焼肉でも好きなものを食べていいという食事療法は明らかに間違っていて、それが糖質制限ダイエットなどの最大の問題点。
◆炭水化物には食べても太らないものがある!
炭水化物を減らすというのはシンプルで簡単に試せる魅力的な方法ですが、実は炭水化物のなかにも「太る炭水化物」と「痩せる炭水化物」があるのです。
これはどういうことかというと、生成された白い炭水化物(例:白米やラーメンなど)は体重が増えるけれども、逆に生成されていない茶色い炭水化物(例:玄米や蕎麦など)は食べても体重が増えないことが研究結果から示唆されています。
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ほかにも、痩せるためには食事だけ変えても不十分で、運動量や睡眠、ストレスなども体重に影響をあたえていることやダイエットのみならず脳卒中やがんなどのリスクを減らすことにも有効な健康的な食事についても、本のなかで詳しく解説されています。
極端に炭水化物を制限してしまうことによって起きる長期的な健康リスクはまだわかっていないと記載があります。深刻な病気のリスクをあげてまで、ダイエットしたいと思う人は多くはないハズ。信用できるエビデンスから導き出された理想の食事を理解して、ヘルシーな体型維持を心がけていきたいですよね。
『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』発売中
書籍『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』では、がんや心筋梗塞、糖尿病や動脈硬化、ADHDやアルツハイマーなど、気になることがあったときに、「主なリスク一覧」から内容を逆引きすることもできてとても読みやすく紹介されています。健康になれるだけでなく、気になるリスクと食品の関係について「根拠はあるのかな?」と思った時に、家に一冊あるとすぐに調べられます。
意外性や目新しさはないかもしれませんが、確実に健康に近づきたい人には、すごくおすすめできます。日々の生活に正しい食事をとり入れることが、人生の幸せに繋がるかもしれません。
『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』(東洋経済新報社)
著/津川友介
本書では、最新の膨大な研究論文をもとに複数の質の高い研究で体に良いことが科学的に証明されている食事を紹介しています。自分の体が変わってきたことを実感できるようになるはず!
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朝岡真梨
世界50か国200都市を超える海外旅行の経験をもとに、各地のグルメや観光スポットの魅力を紹介している。最新のIT機器に関する取材も多く、女性目線からの分析が得意。キャラクターや英語にも明るく、コピーライティングの分野では他業種に関わっている。旅行先ですったもんだした体験や主婦業をラクして乗り切るヒントを綴っている「遊んでばかりのスナフキン」が人気。Instagram:@yans_publisher Twitter:@Yans_Publisher