コロナ禍で転職した、オッジェンヌ 神谷成美さんにインタビュー!
「CAの仕事がなくなり、『何かに打ち込まないとやっていられない』と勉強。資格を取って転職しました」
Oggi専属読者モデル・オッジェンヌ 神谷成美さん(30歳・金融関連会社勤務)
沖縄県出身。NHK沖縄放送局のキャスター、外資系航空会社のCAを経て、今年8月に転職。金融関連会社の秘書として上司のスケジュール調整などのほか、受付や伝票処理などの総務業務も担当。
「今年7月に外資系の航空会社を退職しました。客室乗務員の仕事がパタッとなくなったのは、昨年3月のこと。コロナ禍でフライトがなくなり、会社から待機を命じられたんです。
生活に困らない程度の基本給は満額保障されつつ時間はできて、最初の2ヶ月くらいは気持ちの余裕もあったのですが、予想以上に長引いて… 仕事のない日々がつらくなりました。周りがリモートワークに試行錯誤している様子に、時代から取り残されている気分にも。『自分には、何かに打ち込んで頑張ること、それで対価がもらえることが必要だ』と感じるようになったんです」
「とにかく何かしなきゃ」と学んだことが仕事につながって…
転職先の業界や、転職すること自体を、最初から明確にイメージしていたわけではなかったけれど、いざ転職活動を始めたとき、資格は自分の本気度を示す武器になったと思います。
「そこで始めたのが、ファイナンシャル・プランナーの勉強。実は、通信講座には、コロナ禍以前に申し込んでいたんです。CAの仕事は好きだし長く続けられる制度も整っていたんですが、日本人採用の私は地上職や事務職に転換する選択肢がない契約で。『将来もずっと、ヨーロッパ・日本間の一路線を飛び続けるの?』という迷いがあったんですね。
だから『いつか転職するとき履歴書に書けて、仕事につながらなくても自分の生活に役立ちそうな資格を』と、2級FP技能検定に向けてのんびり勉強するつもりだったんです。でもコロナ禍で状況が一変。とにかく目標がないとダメだと思い、昨年9月の試験に照準を合わせて猛勉強しました。無事合格し、同時期に秘書検定2級も取得したんですが、『CAに戻れるなら戻りたい』という気持ちも捨てきれず…。派遣社員としてデータ入力など短期間の仕事を断続的にしていました」
30歳で未経験の秘書業務。でも、これまでのキャリアもムダじゃなかった
慣れないデスクワークに、初めての環境、マニュアルのない臨機応変な対応が求められて不安になってしまうことも…。でも、来客への気配りや、相手に合わせたコミュニケーションのとり方など、CA時代に培った力も生かせていると実感。得意なことも苦手なことも、自分の新しい面が発見できる。だから仕事って、面白い。
「『転職しよう』という気持ちが固まったのは、半年ほど前です。派遣社員としてある企業で数ヶ月受付業務を担当し、さまざまな人の働きぶりを垣間見るうちに、『CAも楽しいけれど、こういう職場で長期的に働いてみたい』と思うようになって。結果的に今年の8月から、FPの資格も秘書の資格も生かせる、金融系の秘書に転職しました。
慣れないビジネスメールやエクセルの使い方など、ひとつひとつ勉強しながらですが、刺激があって楽しい! 入社後は証券外務員一種の勉強も始めました。今の業務には必要ないんですが、金融業界の大まかな流れやルールを知って、ほかのスタッフが何をしているのか理解できるようになりたくて」
毎日出社する生活リズムにも、少しずつ慣れてきた
リモートワークの上司や同僚を、秘書は出社してサポート。自宅にいる時間が長かった去年だけではなく、それ以前も、長距離フライトの後は3日休み、といった不規則な生活だったので、毎日決まった時間に同じ場所に行く生活は久しぶり。疲れが抜けにくいのが課題ですが、会社からの帰り道、オフィスの近くを散策するのが日々のうるおいのひとつです。
コート[共布ベルト付き]¥20,350(ノーク〈ノーク バイ ザ ライン〉) ブラウス¥14,300(ビームス ライツ 渋谷〈ビームス ライツ〉) パンツ¥12,100(Stola./ストラ) バッグ¥16,400(バナナ・リパブリック) 時計¥20,900(オ・ビジュー〈ロゼモン〉) ピアス¥121,000(ウノアエレ ジャパン〈ウノアエレ〉)
推し活がこんなに楽しかったなんて!
今、注目しているのは、ABEMAで配信されている、「Girls Planet 999」という日韓中の女の子たちによるオーディション番組。毎週、配信直後と、字幕がきちんとつく翌週の2回、欠かさず見ています。10代の若い人たちが命がけで頑張っている姿に、胸が熱く…! なかなか会えない友達とも、「配信、見た?」などと盛り上がっています。
パーカー¥16,000(ノーク〈ノーク バイ ザ ライン〉) パンツ¥29,700(HAUNT代官山/GUEST LIST〈HAUNT〉)
「プライベートの大きな変化は、アイドルオーディション番組にハマったことです(笑)。韓国アイドル好きな友人から聞いて、Niziプロジェクトを見始めたのがきっかけ。歌もダンスもすごくレベルが高いし、ステージ上の一瞬で実力を発揮できる人にリスペクトを感じます。
『PRODUCE 101 JAPAN』というオーディション番組は、ひとりで番組観覧にも行きました。デビューできるかどうかもわからない、努力が報われるかわからない中でも、アイドルを目指してひたむきに頑張る姿って、尊いです。何度も励まされました。
今まではどちらかというと、『どうにかなる』『長いものには巻かれろ』と、流れに任せて生きてきた部分がありました。でもコロナ禍で、家族や大切な人と会えなくなって孤独と向き合ったり、健康や人の生死について考えたりするうちに、『自分の人生なのだから、もっと主体的に動こう』と思うように。
料理や整理整頓など日常の細かいことから、これまでめんどうで避けてきたお金の勉強、オッジェンヌに応募したのもそのひとつ。仕事も『CA以外はできないかも…』と思っていたけれど、いざ動いてみたら新しい環境にもなじめたし、『意外と私、やるじゃん!』って思えた。これからも自分で舵を取って進んでいきたいです。今、頑張らないで、後悔したくないですから」
●この特集で使用した商品の価格はすべて、税込価格です。
2021年Oggi12月号「こんなに、生き方が変わるなんて」より
撮影/須藤敬一 スタイリスト/角田かおる ヘア&メイク/川嵜 瞳 構成/酒井亜希子(スタッフ・オン)、佐藤久美子
再構成/Oggi.jp編集部